5/11、令和2年第1回豊島区議会臨時会が開かれました。
新型コロナウイルス感染症への対応関連の補正予算及び関連する条例改正などの審議です。

〈議案〉
第33号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第34号議案 豊島区国民健康保険条例の一部を改正する条例
第35号議案 令和2年豊島区一般会計補正予算(第1号)
第36号議案 令和2年度豊島区国民健康保険事業会計補正予算(第1号)
その他、議会関係の議員提出条例(議会運営委員会の人数変更)が1本上程されました

〈報告事項(議員協議会)〉
報告1 特別定額給付金事業について

本会議に先立って議員協議会が行われ、全議員に対して議案の説明。
その後の本会議で委員会へ議案の付託、本会議を休憩としてその間に委員会審議、その後に本会議で採択という流れで進められました。
議員協議会では、議員席を変更して距離を取ること、出席理事者を最小限に絞ること、などの対応。
本会議では冒頭と採択時のみは全議員出席して、採択以外は半数の議員のみ出席(本会議の成立には半数の議員の出席が必要)。出席理事者を最小限に留めて行いました。
33・35号は総務委員会、34・36号は区民厚生委員会で審議。

【報告1 特別定額給付金事業について】
給付対象者1人につき10万円を支給する特別定額給付金事業。全額国庫補助。
⇒区HP「特別定額給付金(10万円給付)について

申請方法は2種類。
(1)オンライン申請方式
・対象者(世帯主)がマイナポータル上から申請入力
・入金は5月下旬以降(外注も行い、支給時期を極力早められるようにするとの区の答弁あり)
・約2万件を見込む(マイナンバーカード保有世帯主数は約4.4万世帯)。現時点で約7000件の申請あり。

(2)郵送申請方式
・申請書の郵送は5月下旬から6月上旬
・6月中旬以降入金予定
・約16万件の申請見込み

区の体制
・特別定額給付金担当課長を5/1付けで設置。課長級1名、係長級1名、係員2名の計4名。

業務委託を行い、体制強化。
・コールセンター、相談窓口設置。
・区HP、広報としまで周知

特別に配慮が必要な方への対応
国、都、及び所管課等と連携し、個別・適切に対応
(1)配偶者等からの暴力(DV)の避難者
(2)施設入所等児童等
(3)虐待による措置入所等(障害者・高齢者)
(4)現在の居所が住民票と異なる方(帰省、出張、入所、刑事収容施設等)
(5)住所不定者
(6)外国人(区内に住民登録がある方)
(7)成年被後見人(被保佐人、被補助人)
(8)視覚障害者
(9)無戸籍者(住民登録なし)
※上記の他、給付金を装った詐欺については区内3警察署等と連携して対応

【第33号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例】
総務委員会で審議されました。
・区では従来から「感染症対策業務従事手当」を設けていて、新型コロナ対応でも同手当を支給していました。
・条例の改正内容…国が新型コロナ対応業務従事者に関する手当の特例を定めたこと、同業務の困難性等を踏まえて、同業務に従事した場合における手当の支給上限額を日額を増額することとしました。
・適用は1/27に遡及する

感染症対策業務従事手当
・新型コロナ感染症の患者等に接触、又は長時間に渡り接して行う業務など…4000円/日
・上記に掲げる業務以外の業務…3000円/日

・想定される業務は、保健所職員が患者と民間救急車に同乗したケースなど、患者と接触する業務などが4000円/日。

患者と接触なくPCR検体を運ぶケースなど、直接患者と接触する業務ではない場合は3000円/日。

全会派一致で賛成となりました。

【第35号議案 令和2年豊島区一般会計補正予算(第1号)】
総務委員会で審議されました。

補正予算総額…約321億6500万円


歳出予算額内訳(10項目)
(1)備蓄関係費(不織布マスク及び手指消毒液の購入経費)…2150万円
→区有施設、救援センターなどのマスク及び手指消毒剤、妊婦に対するマスク購入費。極力接触を避けるため妊婦へはゆうパック郵送。
 

(2)特別定額給付金事業経費(一人一律10万円給付の支給経費…293億2400万円
→詳細は報告事項に記載
 

(3)中小商工業融資事業経費小企業資金等関連、新規緊急資金関連経費)…6億5250万円
→以下、①小企業資金及び小企業借換資金、②無利子・信用保証料増額補助緊急資金(新規)について概要を記載します。

いずれも豊島区独自の融資制度です。

小企業資金及び小企業借換資金(既存制度)

・受付期間は6/30(火)まで

・豊島区中小商工業融資制度をご利用できる方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、直近1か月売上高等が前年同期と比較して10%以上減少している、もしくは減少する見込みである小規模事業者                           
・融資限度額…2,000万円、融資期間…60カ月以内(小企業資金のみ据置6か月)、資金使途…運転資金、設備資金、
融資利率…1.5%(利子補給1.25%(本人負担0.25%))、信用保証料は区負担

 

②無利子・信用保証料増額補助緊急資金(新規制度)→区HPへの掲載は後日
・受付期間は10月末まで

・融資限度額…1000万円、融資期間…60か月以内(据置期間12か月以内)、融資利率…1.5%(利子補給1.5%(本人負担0%))、信用保証料は区負担

・①で1000万円以内の融資を受けている方は、②へ借換可能(①の借入れが1000万円超の方は②への借換不可)

 

区の融資制度については、以下の窓口へお問い合わせください。

相談窓口:としまビジネスサポートセンター(豊島区役所本庁舎7階)
電話:03-5992-7022

 

5/1に新設された無利子無担保融資(中小企業又は個人事業主で、前年比5%以上減の場合利用可能)もあります。

融資上限額3000万円、据置期間最長60か月、利子補給は最長3年間。利子補給期間は区の新規制度の方が有利ですが、融資上限額、据置期間は国の制度の方が有利です。

国の制度は民間金融機関を通じて申し込むので、お取引のある金融機関へお問い合わせください。

⇒経済産業省HP「民間金融機関において実質無利子・無担保融資を開始します

 

(4)生活困窮者自立支援事業経費等住居確保給付金の対象者拡大に伴う経費)…5億2710万円
→新型コロナの影響を踏まえ、住居確保給付金が拡充されたことに伴う経費。詳細は区HP、過去blogを参照。

⇒区HP「【要件拡充】住居確保給付金のお知らせ

⇒blog4/21「住宅確保給付金の要件拡充、喫煙所閉鎖、議会の対応など 新型コロナ対策


(5)新型コロナ感染症対策経費(PCR検査センターの設置・運営費等)…2510万円
→区医師会と連携し、区施設敷地内にPCR検査センターを設置したことに伴う経費。

また、帰国者接触外来等を設置する医療機関へ陰圧テント及び感染防護に必要な衛生資材の経費など。

⇒区HP「PCR検査体制を強化 区の施設を活用し新たな検体採取所を設置


(6)子育て世帯への臨時特別給付金支給経費(児童手当受給世帯へ対象児童一人当たり1万円支給の経費)…2億2860万円
→新型コロナの影響を受けている子育て世帯の生活支援の目的で、児童手当(所得制限あり)を受給する世帯に対し、対象児童一人当たり1万円の給付金を支給。

 

◆子育て世帯への臨時特別給付金とは

児童手当(本則給付)を受給する世帯に、対象児童1人当たり1万円を上乗せする臨時特別給付金(毎月ではなく、1回)が支給されます。

対象:児童手当(本則受給)を受給する世帯(0歳~中学生のいる世帯)

※本則受給とは、所得制限以下で満額の児童手当を受給している場合です。所得制限を超えている場合は、児童手当の特例給付として月額一律5000円/人支給されています。

 

・受給に当たり、申請は原則不要となります(豊島区在住の公務員のみ区に申請が必要)。6月支給予定。

・事業費は全額国費。事務は区が行います。

・生活保護受給世帯も臨時特別給付金の対象となります(収入認定の対象外)

⇒4/22厚労省事務連絡「令和2年度子育て世帯への臨時特別給付金の生活保護制度上の取扱い方針について

 

(7)私立幼稚園新型コロナ対策事業経費(子供用マスク及び消毒液等の購入経費)…800万円
→私立幼稚園へ保険衛生用品を配布するため、又は園が購入するための費用を補助するための経費。なお、私立保育所へは既に配布済み。
 

(8)ICT環境整備・活用事業経費(オンライン教育推進。小中学校1人1台タブレット端末配備など)…11億5220万円
→オンライン教育を進めるための経費。
1段階目…5月上旬のタブレット貸与関連費用、ルーター購入及び通信費など(都の補正予算による補助金あり)
2段階目…7月下旬からの全児童・生徒へのタブレット環境整備経費(GIGAスクール構想関連。国の補助金あり)
詳細は区HP及び過去blogを参照。
⇒区HP「臨時休業中のICT環境を活用した緊急対策について

⇒blog4/24「5月上旬より区立小中によるICT環境活用、育休からの復職時期再延長など 区コロナ対策本部

 

(9)就学援助費(小中学校、休校中の昼食費支給など)…2580万円
→就学援助世帯に対する休校中の昼食費用の支給。3月にも実施した事業。
4月以降の継続については、先日の会派要望でも求めた内容です。
⇒blog4/7「会派からの緊急要望」(要望の2番目)

 

(10)予備費…2億円

歳入予算額内訳
・国庫支出金(特定財源)…302億8900万円
・都支出金(特定財源)…7560万円
・繰入金(区一般財源)…18億円

いずれも新型コロナ対策で必要な予算であり、私たちの会派は異議なく可決に賛成。
全会派一致で可決となりました。

【第34号議案 豊島区国民健康保険条例の一部を改正する条例】
【第36号議案 令和2年度豊島区国民健康保険事業会計補正予算(第1号)】
区民厚生委員会で審議されました。
国保加入者の被用者(雇われている人)に対し、傷病手当金を支給できるようにするための条例改正

新型コロナへの感染者又は感染の疑いのあるものに対して支給することを想定。
国の事務連絡あり⇒厚労省事務連絡3/24「新型コロナウイルス感染症に感染した被用者等に対する傷病手当金の支給について

なお、国保の他、後期高齢者医療保険でも傷病手当金の支給のためには条例改正が必要ですが、特別区は後期高齢者医療は広域連合が担っているため、同議会での審議となります。

補正予算は同条例改正に伴い新設される傷病手当金の計上。
事業費は、1664万円(全額特定財源)。
傷病手当金の予算計上に当たっては、区の罹患者数からの推計の罹患人数、感染が疑われる者は推計の罹患率を使用して算定。

国保における傷病手当金の創設は必要と考えます。
私たちの会派は異議なく可決に賛成。
全会派一致で可決となりました。