6/25、一般質問の続き(4/4)です。

 

【4.コミュニティスクールの導入について】
学校運営協議会制度すなわちコミュニティスクールの導入は豊島区教育大綱に明記されており、過去の一般質問や委員会でも何度も取り上げています。
今年度からいよいよモデル事業が実施されるため、改めて質問をしました。

Q:今年度のモデル事業に至るまで、コミュニティスクールについてどのように進めてきたのか。
モデル校2校が選定された経緯と理由は。

A:平成30年6月にコミュニティ・スクール検討委員会を設置し、課題検討し年度末に報告書をまとめた。
池袋本町小学校は、インターナショナルセーフスクール(ISS)や子どもスキップ事業に取り組み地域の教育力に依拠した教育を進めてきたため。
千登世橋中学校は、これまで水曜トライアル、放課後学習活動等で地域住民の支援や大学の協力を頂くなど、地域人材を活用した地域力を活かした特色をもっているため。

Q:新たな取組みを行うモデル校には、人員の加配措置を含めた現場へのサポート体制が必要では。しかし予算規模(2校で90万円/年)が小さく人的なサポートが難しいのでは。
教員・事務職員の加配措置はあるのか。ない場合はどのようなサポート体制を敷くのか。

A:29年4月に社会教育法が一部改正され、加配措置はなくなった。

学校と地域の連携強化には広域的な活動を総括するコーディネーター的な機能をもった推進役の人材が必要。

どのような機能が必要か、地域人材の更なる発掘も検討。

Q:タイムスケジュールは。
A:2年間はモデル校において課題の洗い出し。

2年度末から3年度にかけ、モデル校の取組みを検証すべく検討委員会を立ち上げ課題整理。

Q: 学校・家庭・地域による制度理解が必要。教職員はもとより、当該地域の家庭や地域団体向けに制度の説明会や研修が必要だが見解は。
併せて、今後の展開を視野に入れて区内全域に対する研修会も検討すべきだが見解は。

A:当該地域では制度理解のための説明会を教員はもとより、地域、保護者に対して行う予定。
区内全域に対する研修会は、PTAや民生委員・児童委員等の地域関係者への研修の場を提供。

Q:文部科学省は既存の取組みや仕組みをベースとしてコミュニティスクール化を進めることを念頭に置いている。既存の取組みや体制は、学校と地域の協働をする上で欠かせないものである一方、類似の取組みを並行し続けるのは、教育・地域の現場の負担を考えると難しいのでは。既存の取組みや体制の役割を整理し統廃合していく、という検討が必要。
コミュニティスクールを進める場合、校長の求めに応じて学校運営に関する意見を述べる制度である「学校運営連絡協議会」との関係は。

A:モデル校に対しては、これまでの学校運営連絡協議会をはじめとした地域と学校に係る会議体の機能を、学校運営協議会の仕組みに整理できるよう支援。

Q: 29年3月の予算特別委員会での私の質疑で、ISSの発展形がコミュニティスクールとして位置づけている、という答弁がある。
ISSの取組みにより培ったよいところを取り入れつつ、コミュニティスクールへ発展させていくべきでは。
池袋本町小学校で両方の制度を併存させるのか、見解は。

A:併存のあり方について、モデル事業の中で熟議の上、整理・統合できるよう支援。
⇒この回答では余りに不十分のため、再質問しました。

再質問Q:教育委員会としての考えを述べていない。現場で(ISSとの併存をどうするかの方針を)決めていくということなのか。
教育委員会として何らかの方針をもつのか重要なところ。再度見解は。

再質問A:池袋本町小について学校運営協議会の形は依頼しているが、既にISS活動を展開しているところ。教育委員会としては問題点をしっかり整理し、今後の在り方につき現場の様子を十分配慮し、どういう形が一番理想的なのか尊重してやりたい。形を先に決めるのではなく、学校の実情などを踏まえて体制を検討していきたい。そういう意味で熟議という言葉を使用。
この回答をもってしても、教育委員会としての考えが見えません。

ISSの発展形をコミュニティスクールだと捉えているのであれば、両方の制度が併存する形にはならないのでは。
これは制度論だし教育大綱にも謳っている重要な枠組みです。

教育委員会がはっきりとした哲学・信念をもっていかねば、政策に魂がこもりません。
引き続きこの問題は取り上げていきます。


Q:千登世橋中学校はISSの取組みを現状は行っていないが、教育総合会議では認証取得に関わらずISSの取組みを全校化するとしている。
各中学校ブロックにつき1校での認証取得を行い、取組みを横展開するという考え方。これによれば、具体的に千登世橋中学校は、認証取得校の高南小学校の取組みについて、同じ中学校区内の南池袋小学校、目白小学校と共に共有して自校へ取り入れていくということになる。
千登世橋中学校においてISSのノウハウをどのように取りいれていくのか、見解は。
併せて、各中学校ブロック内でのISS活動の横展開は具体的にはいつまでにどのように行うのか、見解は。

A:小中連携教育推進協議会において、認証校である高南小学校の実践から安全安心教育の推進について学び、小中学校が一緒になって認識を高められるよう支援。
横展開のスケジュールは、令和2年度に全ての中学校ブロック内に1校以上が認証校として誕生するため、認証校をリーダー校として先進的な取組が始まっている中学校ブロックの事例を参考にISSの全校化を積極的に進める。
この回答も不十分です。
まずISSノウハウをどのようにコミュニティスクールへ活かしていくのか、というのが大変重要なモデル校の役割です。その視点が明確な方針として示されていません。

このままではコミュニティスクール導入→その後にISSのノウハウを加える、という順番になりかねません。

そうなってしまうと、ISSの発展形がコミュニティスクールである、という大事な方向性があやふやになります。
次にISS活動の横展開についてです。この回答は裏を返すと、2年度に全中学校ブロック内に1校以上の認証校が生まれるまでは横展開を積極的に行わない、というものです。
ISS活動の横展開は教育大綱に謳われている方針です。
8ブロック中6ブロックには既に認証校があるので、その6ブロックでは横展開の活動を進めるべきです。

これまでの質問でも横展開については曖昧な答弁が続いています。
この点も今後も注視します。


Q:29年第1回定例会の一般質問でも指摘したが、本区は地域組織の単位が目的ごとに異なっている。

地域コミュニティとの協働がカギを握るコミュニティスクールの展開を控え、行政と協働する地域組織再編の検討は。
A:コミュニティスクールのモデル実施により浮き彫りとなる組織間連携上の課題等を踏まえ、拠点のあり方や協働推進方策等につき教育委員会と共に検討を進める。
地域区民ひろばがISSとの連携により「地域の協働の際にハブとなる場」として定着しつつある。コミュニティスクールの試みにより地域組織再編に向けた議論の進展を期待
※参考:H29.2/22(水)一般質問(2) 地域組織再編、ISSとコミュニティスクール