2/4、豊島区アフター・ザ・シアターシンポジウムが南大塚ホールで行われました。

田端浩観光庁長官による基調講演の後、パネルディスカッションという流れでした。

アフター・ザシアターについては、一般質問で取り上げましたので、そちらもご参照ください。

H30.6/27(水)一般質問 ①ナイトタイムエコノミーを中心としたインバウンド需要の取込みについて

 

田端観光庁長官をお招きするなど、かなり豪華なメンバーを揃えてのシンポジウムでした。

開催が平日の16時からという参加しづらい時間帯だったのが勿体なかったです(それでも会場はほぼ満席)。

 

私自身は大塚の特長を「懐の深い街」であると思っています。

色々な人、お店、文化を受け入れながらも、"大塚らしさ"を失わないところ。

私が考える"大塚らしさ"とは、地域コミュニティの強さで成り立っている、人と人とが触れ合う人情味あふれる街であることです。

今回のシンポジウムでは、大塚にはナショナルチェーンのお店が少なく、個店が多くあるのが魅力の一つだというご指摘がありました。

星野リゾートが新業態のOMO5の進出先を大塚に決めたのも、個店が多い魅力的な街だという事も要素の一つだったと伺っています。

この特長を活かして継続させることを意識する必要があります。

 

インバウンド需要の取込みのために挙げられていた必要な方策については、これまでも議論の俎上に載っていたことでした。

必要な方策を具体的に実行していかねばなりません。

キャッシュレス決済、wi-fi環境整備、安全安心な駅前・商店街、などに向けた施策を引き続き求めていきます。

 

以下、シンポジウムの内容につき、私のメモを記載します。

 

基調講演 田端浩観光庁長官

「ナイトタイムエコノミーの推進と拡大に向けて

~わが国の観光の現状とナイトタイムの更なる活用に向けて~」

 

訪日外国人旅行者のデータ

・訪日外国人の旅行者数は、6年間で3,7倍増の3119万人、同消費額は4,2倍。

・訪日外国人の旅行消費額消費額は2018年で4兆5000億円

・国内における旅行消費額 2017年26,7兆円、うち4.4兆円が訪日外国人。

・現在は訪日外国人の消費額は一人当たり15,4万円。

 

近年の傾向

・モノ消費からコト消費へ

・都市部から地方部への広がり

・団体旅行から個人旅行へ

 

国際観光旅客税の使途

①ストレスフリーで快適に旅行できる環境整備

②我が国の多様な魅力に関する情報の入手

③満足度の向上(ナイトタイムエコノミー、潜在的な観光資源など)

 

交通アクセス

公共交通機関の夜間運行はナイトタイムエコノミー振興のために欠かせない。

海外では地下鉄やバスなど。週末のみに運行などの工夫もありうる。

 

ナイトタイムエコノミーに必要な取組み

・娯楽サービス費を増やしていくことが鍵。体験型コンテンツの市場育成が極めて重要。

・キャッシュレス決済の普及。体験型コンテンツのガイド育成など。

・日本ならではのナイトコンテンツの検討・充実

・海外関心層に向けた分かりやすい情報発信

・公共交通機関における夜間運行の検討

・わが国におけるナイトタイム活性化に向けた推進の仕組みづくり

・安全安心なナイトライフの推進

 

◆豊島区のアフター・ザ・シアターに関する報告

「大塚駅周辺エリアにおけるナイトタイムエコノミー」について

・タイムアウト東京代表 伏谷博之氏
・(株)JTBコミュニケーションデザイン 滝川貴志氏
 

2017年12月に、アフター・ザ・シアター懇談会が発足。

最先端観光コンテンツ インキュベーター事業で「otsuka after dark」を開催。

 

3週間の準備期間。来場した訪日外国人は131人。台湾、中国が約6割。

 

豊島区は東京の中で宿泊のキャパシティが3番目。

既に多くの外国人が泊まっている。

旅行者が一番やりたいことは、訪れた先でしか出来ない経験。

 

◆パネルディスカッション

パネルディスカッション テーマ

「ナイトタイム活性化で街はどう変わるのか」~アフター・ザ・シアターの今後~

 

パネリスト

・A.T.カーニー日本法人会長 梅澤高明氏
・アナウンサー 中井美穂氏
・弁護士 齋藤貴弘氏
・観光庁観光資源課長 英浩道氏
・豊島区長 高野之夫
・(モデレーター)共同通信社 山脇絵里子氏

 

キーワード

飲食店、情報発信、受入れ環境、交通など

 

飲食店

・演劇ファンにとっては、池袋は下北沢と並んでよく訪れる場所

演劇を見た後の余韻を楽しむ場所は、自宅近くになることが多い。

劇場に近く、夜遅くまで営業。営業時間やお店の特長などの情報が一覧になっていると重宝する。

・演劇の開始時間が18時や18時半が多い。遅いスタートの時間があれば、観劇前に食事をして滞在時間が長くなる。

 

情報発信

・旅行者へどう伝えるか。

国内観光客と外国人観光客への対策は別々の議論が必要という話が出た。

しかし地元の人が楽しめる場所であれば、観光客にとっても魅力的なのでは(サンセバスチャンのように)。大塚はチェーン店が少なく、面白い街。

・観劇後の半券でサービスが受けられるなどがあると、演劇ファンに寛容なのがわかるので良い。ただ初めてのお店で敷居が高い場合があるので口コミ情報などがあった方が入りやすい。

・ブルックリン、ポートランドはナショナルチェーンが少ない街。ローカルを大切にしてきた街。

・地元を豊島区にしている外国人に情報発信してもらうのも大事。

 

受入環境

・外国語対応、wi -fi、キャッシュレス決済などの受け入れ環境の整備。

wi -fi環境は大事。キャッシュレス決済はわが国では十分ではない。

それぞれ国としても支援。

・エリアwi -fiの整備は駅前など。

 

豊島区の今後

・大塚は皆さんを温かく迎えようという雰囲気がある。

・旧庁舎跡地の開発が豊島区にとって大事になる。文化の発信の拠点。

 

まとめ

斎藤さん

・豊島区は色々な魅力がある。おばあちゃんの原宿の巣鴨もある。

 

中井さん

・国立劇場で観劇後、直行便のバスで新宿や渋谷などに行ける。

池袋での観劇後に大塚や巣鴨へも誘導できるかも。

 

英さん

・豊島区は新たな劇場など吸引力がある場がある。

宿泊客を囲い込むのではなく、街中へ出て行ってもらうようにする。

・ハイテクだけでなく、紙とペンのローテクでもハートがあれば伝わる。

 

梅澤さん

・国際アートカルチャー都市を標榜し、東アジア文化都市2019豊島を開催。

東京にとっても東京2020大会の前哨戦

・HAREZAが出来て訪れた方に再訪していただくように。

都内で3番目に宿泊客多い中で、どのように街へ出ていただくか。

・長い余韻を楽しんで頂くためには、美味しい食事、コミュニティなどが大事。

大塚は魅力的な個店の集積した街として発展してほしい。