8月11日~12日、龍馬プロジェクト全国会の首長会に参加しました。

今年は宮崎県日南市での開催。

日南市の崎田恭平市長は、市長になる前の県庁職員時代から龍馬プロジェクトのメンバーでした。

私にとって日南市は3年前に視察で訪れて以来2回目、全国でも注目される商店街再生などの成果を見るのを楽しみにしていました。

過去blog H26(2014年)7/21「日南市のマーケティング、商店街活性化! 日南市視察」

http://ameblo.jp/hosokawamasahiro/entry-11897999392.html

 

3年振りの油津商店街は見違えるような商店街になっていました。

IT企業などの誘致に次々と成功し、シャッター商店街は既存建物をリノベーションしたお洒落な外観のオフィスやゲストハウスなどに。

 

コンテナハウスの小さな店舗が複数出店。

撤退したスーパーの跡地は、建物を改装してフードコートや集会室などの集客施設に。

日南市は広島東洋カープが昔からキャンプをしているところで、近年は特にキャンプで訪れるお客さんを街中へ誘導する工夫をしています。

商店街内に設置したカープ記念館もその一環。

ここの記念館は地元の方々の所有していたお宝グッズなどを展示し、独自性を持っています。

 

また球場への道を補修し、赤い誘導線を引いて「カープ一本道」と名付ける工夫も。

この場所は人気の撮影スポットになっているそうです。

 

日南市子育て支援センター「ことこと」は木育広場が充実していて、近隣自治体からも子育て世代がわざわざ足を延ばす人気施設になっているそうです。

集客施設を作っただけではなく、「ことこと」へ子育て世代が集まっていることを商店街へ情報提供し、更なるビジネスチャンスに繋がるようにしているとのこと。

 

IT企業の誘致は闇雲にやっている訳ではなく、雇用のミスマッチが起きているのが事務職であるという数字の分析によるもの。

実際に事務職の求人を日南市ですると沢山の応募があり、Uターンを考える若者も出てくる。

 

民間から起用したキーマンである、商店街の復活による内需循環をミッションとした木藤氏、マーケティングを担当し外貨獲得をミッションとした田鹿氏、がうまく力を発揮して地域の活性化を行っています。

日南市が掲げるのは「日本一組みやすい自治体」。

民間人を起用すれば魔法のように色々なことが解決するということはなく、一緒に伴走をする市の職員が必要である、という信念を日南市は持っています。

 

木藤氏が始めに再生を手掛けたのは、シニア世代の思い出の場所であった喫茶店でした。

思いでの詰まった場所が再生されるというストーリーもあり、地域の方々の共感を呼び、やる気を引き出しました。

かつて盛んだった「夜市」を中高生により再生させようということも取り組んでいます。

「ないものねだり」ではなく「あるもの活かし」。

「夜市」に関わったある女子高生の夢は、油津商店街の再生に関わることである、と我々の前で話してくれました。こういった地域の人材を育成できれば、街づくりはきっと成功するでしょう。

 

田鹿氏は、人口減少すること自体よりも、人口構造が崩れることの方が問題であると指摘。

仕事を創出するとともに、出会い・結婚・出産、に結び付けられるようにしたいと話してくれました。

2日目に視察をした飫肥城下町の再生を含め、これからの日南市の発展が楽しみです。

 

その後は、岡本尚也氏から日本の教育の未来についてのお話しをして頂きました。

・博士課程まで進む人たちが減少していること。それに伴い、日本の大学からの論文引用数が減少していることなどに危機感を持っていること

・PISAで見る限り日本の教育レベルは高い。しかし特に公立校でITの導入が遅れている実態。博士課程まで母国語(日本語)で出来るという国は珍しい。

・課題があるところに仕事があるはず、だから地域にこそ仕事があってもおかしくない。しかしながら現状は、地域で育ったのに地域の問題を知らないという状態。

・データ収集、エビデンスに基づいて政策を打つこと。

 

研修後は参加者全員と日南市の皆さまとで食事会。

首長会メンバーによるトークもありました。

 

2日目は飫肥城下町の再生について。

まずは古民家を再生してサテライトオフィスを構えた「プラスD」へ伺いました。

銀魂の実写版などを手掛けた会社です。

飫肥にオフィスを構えた意味合いなどお話し頂きました。

 

飫肥の街並みを歩きましたが、城下町の街並みが残されていて、とてもよい景観です。

飫肥が生んだ偉人である小村寿太郎の記念館もご案内頂き、古民家を再生した宿泊施設、カフェなどにも伺いました。

 

飫肥城下町の再生を担当する民間登用の徳永さんに、これまでの取組みや今後の展開についてお話し頂きました。

景観を守ること、町並みも含めた文化を維持すること、これをやるには維持費も掛かります。

民間の投資と組み合わせていくための工夫が必要となります。

 

充実した2日間の行程を組んで下さった崎田市長に感謝を致します。

古民家再生や商店街活性化には、かなり刺激を受けました。

地元にもって帰って提言につなげたいです。

結成して8年、龍馬プロジェクトのメンバーが目に見える形で各地で成果をあげているのは励みになります!