7/21(月)、宮崎県日南市の視察をしました。
今回は龍馬プロジェクトと、地域活性化に取り組む民間の経営者の団体である一般社団法人agreenの合同の視察でした。

まずは、油津の中心市街地開発の現地を視察。
クルーズ船の受入を強化する構想と組み合わせた方策を模索しています。




続いて、近くの赤レンガ館。

レトロな外観、1階は物販で2階は集会施設。通りから少し奥まっているので目立ちづらい立地でした。
もともと2階は飲食店を誘致しようと考えたそうですが、条件が合わなかったとのこと。
油津の中心市街地開発の拠点施設から徒歩ですぐなので、うまくコラボレーションできるとよさそうです。

田鹿専門官によるマーケティング戦略の説明。
田鹿専門官は崎田市長の肝いりの人事で、一本釣りで民間から連れてきた人材です。
専門官が役所で浮かないように、同じ部署でチームとして動くような組織体制にしています。
もう一人の民間採用の商店街活性化の任務を与えられている木藤さんについても全く同様。
市長は元県庁職員だけあって、外部の人が入ってきても仕事が円滑に進む組織作りに腐心されているのだろうと推察します。

田鹿専門官の任務は、外貨の獲得(手前が田鹿専門官)。

国内海外問わず、どのように日南市の商品を売り込めるか、観光客などを誘致できるか、などを担当しています。
色々な取組みを一つにまとめ上げていくやり方は豊島区でも参考になりそうです。

その後は商店街に移動して、やはり民間採用の木藤さんの商店街活性化の取組みを伺いました。


木藤さんは公募で選ばれた人材で、別名「90万円の男」です。


この公募方法がユニークで、額面は市長の給与よりも高くして募集を掛け、市長より給料が高い、と話題になりマスコミにも取り上げられたそうです(実は交通費等経費込なので必ずしもそうではないようですが)。申し込みが殺到し、非常に狭き門となった公募人材に見事選ばれたのが木藤さんでした。
シャッター街となってしまった商店街を再生するため、まずは通っている人を増やす取り組みから始めています。

子供や大人が気軽に集まれる場所「yotten」、役所に眠っていた飫肥杉の棚などを活用するなど、結構よい雰囲気の施設でした。商店街の中で異質なくらい、この中には人が沢山いました。


木藤さんは地域の人たちと、とにかく話をするところから始めたそうです。商店街の人たち、商店街を応援したい人たち、両方から話を聞き、双方の意見交換の場も作りました。
昔の油津商店街には屋台村があって賑わっていたという話しがあり、それに似たことができないかということも考えているそうです。
そして、大分前に閉店してしまっていましたが、地元の方々の思い出が詰まった喫茶店「麦藁帽子」を改装し、喫茶店「ABURATSU COFFEE」をオープン。連日お客さんでにぎわい、好調な業績で推移しています。


この説明をして下さったのは、商店街の路上です。


商店街の会議などもできる限り、このように路上でやるそうです。これも少しでも人を呼び込むための工夫、確かに外で集まってプレゼンや議論をやっていたら気になって覗きたくなりますよね、さすがです。
豊島区は、まず人の流れを作るところから始めなければならない状況ではありませんが、木藤さんが段階を踏んでいった手法は参考になるのではないかと思います。

その後は会議室で崎田恭平日南市長と合流し、意見交換会。

民間の経営者から質問や具体的な提案などもあり、あっという間に時間が経ちました。
私の持っている視点と違う角度からの質問があるなど、勉強になりました。
こういうコラボ企画は気づかされることが多いですね。



夜は崎田市長、役所の職員、地元の経営者と我々で懇親会。
有意義な一日でした。



視察は2日目も組まれていたのですが、私は夕方から地元で会合があるために昼の便に乗らねばならず、別行動。
せっかくの機会なので、少し寄り道をして鵜戸神宮でお参りをしてきました。
年間100万人の参拝客が訪れるそうです。
見事な景勝地でもありました。




崎田市長が就任してまだ2年目の日南市ですが、よい感じで回っているようです。
また数年後に街づくりの進捗状況を視察に来たいです!