イケメンヴァンパイヤ ーナポレオン・ボナパルト normal st. | 蜜柑のブログ

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私が密かにハマってるアプリのまとめ。

自分が選択したそのままを載せてるので

ご了承ください。

(あとで確認次第、修正する予定です)

 ※申請した後にメッセ
 送ってもらってもOKです。

無言申請は無効になります。


アバターミッションです。


プレミアムを選ぶと、
ロングゆるふわヘア。

ダイヤ400個で購入可能。


ノーマルを選ぶと、
チャコールシニョンヘア。

ダイヤ200個or手持ちのコイン4500枚
どちらかで購入可能。



さ、ノーマルに突入です。





・・・・・



normal st.





ふっと窓を見ると、空の色が次第に

橙色に染まっていく。

(・・・まだ、何を伝えればいいのか
 なんてわからない)


(だけど――逢いたい。今すぐに逢いたい)




そして馬車がゆっくりとまり・・・、




茜色に染まりきった路地裏に駆けて行く。

すると、そこに探していた姿を見つけた。

ボナ「・・・・・」

(・・・ナポレオン)

駆け出しそうとしたとき、

子どもの泣き声が聞こえて

ふっと足を止めた。

悠里「・・・ガブ?」

屈んでいるナポレオンの前には

ガブの姿がある。

少し離れた場所からでも、ガブの目から

大粒の涙が落ちていくのがわかった。

ガブ「ごめん。ごめんなさい・・・
   ナポリオーネ」

ボナ「ん・・・・?」

ガブ「俺が臆病なせいで、ナポリオーネに
   剣を抜かせた・・・」

「殺したいと思うほど憎いのに、いざ
 殺そうとしたら怖くて怖くて・・・っ」

ボナ「ああ・・・・」

ガブ「だから・・・ごめんなさい・・・っ
   臆病で、ごめ・・・っ」

その瞬間、ナポレオンが片腕で

ガブを抱きしめる。

ボナ「お前は、それでいい。
   ・・・そのままでいいんだ」

ガブ「・・・・?」

しんっと静まり返った路地裏に

ナポレオンの優しい声だけが響く。

ボナ「人を殺せることが、・・・
   強さじゃない」

「そんな強さを俺はお前に知ってほしく
 ない、持ってほしくないんだ」

(・・・・っ)

ナポレオンの声は、ひどく優しい。

だけどガブからは見えない表情には

何かを諦めたような切なさが滲んでいた。

(あの時と、同じだ・・・)






ボナ「おい。お前、顔色が悪いが・・・――」

悠里「・・・っ」

ボナ「・・・・」

「――・・・良し、帰るか」







よし帰るか――そう言って笑った

ナポレオンの表情が、未だに心に深く

残っている。

(・・・この人は、きっと怖がられることに
 慣れてる)

(だから、あんな風に“仕方がない”って
 いうように、笑えるんだ)

そして、そんな表情を私もまた彼にさせて

しまったんだと、もう一度思い知る。

その事実が悲しくて自分の手のひらを

ぎゅっと握りしめた。

ボナ「なあ、ガブ。ひとつだけ聞いていいか」

ガブ「・・・うん」

ボナ「お前はどうして剣術を身に着けたいんだ?」

前に聞いたことがある問いかけを

ナポレオンはもう一度優しく投げかけている。

ガブ「色んなものを、守りたいからだよ。
   ・・・それだけは、変わらないよ」

ボナ「――良し」

ナポレオンはそっと腕を解くと、

ガブの頭を大きな手のひらで撫でた。

ボナ「今は憎いし、やりきれないし・・・
   苦しいだろ」

ガブ「・・・うん。憎いし、やりきれないし
   すごく苦しいよ・・・っ」

ボナ「苦しみに耐えることは、死ぬよりも
   勇気がいることだと俺は思ってる」

ガブ「・・・・・」

ボナ「ガブ――苦しみに耐えて生きろよ」

ガブ「・・・・っ」

ボナ「あがいて、もがいて――みっともなくても
   いいから生きろ」

「それで、お前のこの手で色んなものを
 守れる男になれ」

ガブ「うん・・・っ。うん・・・ナポリーネ」

ボナ「・・・これ以上泣くな。涙使い果たし
   ちまうぞ。ド阿保が」

涙を拭いガブはまるで悲しみを吹き飛ばす

ように、にかっと笑う。

ナポレオンは困ったように笑い、

ガブの立ち去る後ろ姿を見送っていた。

その小さな姿が、遠くなって見えなくなるまで。





(・・・どうしてだろう。私は、
 あの人のあんな切なそうな顔を見たくない)

(もう二度と、あんな表情をさせたくない・・・)

価値観の違いは、決して超えることはできない。

(完全に理解することは出来ない。
 だけど・・・)

(知りたいと、わかりたいと思って
 寄り添うことは出来ると思いたい)




胸の奥に渦巻いていた恐怖は茜色の空に

溶けて・・・、

胸の中に残っているのは、

彼に対する真っ直ぐな思いだけだった。

悠里「ナポレオン・・・!」

私の声に、ナポレオンがゆっくり

振り返る。

ボナ「・・・・悠里」

一歩一歩、近づきながら私は

次に伝える言葉を、胸の中で唱えた。

(・・・あなたと、もっと話がしたい)