50も過ぎて来ると、意外に故郷に同級生が暮らしている事に気付く。
子育てにまぁなんとか一段落着きかけ、そうしたら今度は親の面倒や自分の老後を考え始める時期になってくるから、戻って来る人もまぁまぁいるようだ。
そもそも、わたくしの学年は地元の商店街の跡取りが多く、例に漏れず寂れていく商店街の中でもなんとかやっている人も少なくない。
夫が在宅介護になって19日目。
今までは1人で夫を世話していたから、なかなか「予約」と言うものが出来なかったので、今日は義妹にお願いして、美容室へ行くことにした。
白い物を隠して、少し髪を切ろう。
さて、どこへ行くか。
行きつけの店はなかなか予約が先になるので却下
でもどうせなら知った人の店がいい。
電話をしたのは幼稚園からの幼なじみの店
母親同士が友達で、ずっと母が通っていた店。そのおばちゃんが乳ガンで亡くなり、しばらく閉めていた店を、わたくしの幼なじみがまた再開しているのだ。
久しぶり過ぎてちょっと緊張する。
「もしもし?○○ちゃん? ○○○(下の名前)ですけど分かる?」
「あぁ○○○ちゃん!久しぶり!」
一挙に子ども時代に戻ったみたい。内容はおばちゃんだけど
この年になって、ちゃん付けで呼びあえるのが、ちょっぴり気恥ずかしくもあるが、やっぱり○○ちゃんがしっくりくる。
久しぶりに会って、懐かしい話しも、例に漏れず更年期だなんだかんだ 笑
子どもの頃、親達が話していた事そのものじゃないかとおかしくなる。
気付けば亡くなったおばちゃんの年になっているわたくし達がいるのだ。
そうこうしていると、また同級生が訪れる。
「誰だかわかる?」「えー、誰だっけー」
「多分同じクラスだったよねぇ」
ここからは記憶の手繰り寄せだ。
なにせ当時は1クラス50人くらいが8クラス。全く接点の無い同級生も沢山居る。
あぁ!!思い出した!!
「○○ちゃん!」
まるで小さな同窓会。
近況も、昔話も、何の違和感も無い。
なんか、なんとなく孤独な気分でいたけれど、何十年のブランクをあっという間に越える時間に少し癒されて、
「またね」と言って言われてちょっと安心する自分がいた。