時代劇が好きその31『蛇姫様その2』 | レイジイの気まぐれブログ

レイジイの気まぐれブログ

自分勝手に日々気が向いた時に
記事更新する気まぐれブログです。
「ケ・セラ・セラ人生まっしぐら」

偏屈ジジイの戯言ブログです。

頑固・天邪鬼と思われようと開き直っています。

前回『蛇姫様』を紹介しましたが
最初の映画化にまつわる話を・・・

この映画は1940年に公開され大評判に。

時代劇の名匠・衣笠貞之助が松竹から東宝入りし
その第1回作品(前編・後編)として企画されました。

物語発端の中心人物、琴姫(蛇姫様)は
当時人気女優の入江たか子に決まりました。

しかし、配役の発表、
スチール撮影も終了したとき、
入江たか子が突然発病入院してしまいます。

そこで、
東宝側は、新人女優『原節子』を代役に立てます。

大物女優の起用を考えていた衣笠貞之助も
会社の意向にしぶしぶ同意し撮影に入りましたが
今度は蛇姫様の腰元役の『花井蘭子』がゴネて降板。

その理由が
「入江たか子の姫につかえるのならともかく、
原節子なんかの素人役者につかえる
腰元役なんかやれるものか、
まして前編で殺されてしまう役なんか」

とんだわがまま女優ですね。
まあ、現代でも共演NGはありますがね。


で、会社は仕方なく、
は花井蘭子の代役を
『山根寿子』立てて、
クランクインしたという裏話があります。

ちなみに山根寿子は
『白蘭の歌』で長谷川一夫・李香蘭と共演し
売り出し中の女優でした。

このゴタゴタはマスコミには漏れず
映画は大ヒット!

しかし、これで話しは終わらないのです。

引き続き製作に入った『続蛇姫様(後編)』は、
蛇姫様は『原節子』ではなく
病が癒えて復帰した『入江たか子』に

しかも後日、前後編同時公開することを考えて
衣笠貞之助監督は
前編の『原節子』の出演部分を
新たに『入江たか子』で撮り直しました。

ということで現在
私たちが見れるのは
VHSビデオで発売された
入江たか子の『蛇姫様 総集編』

余談ですが
『Jmdb (Japanese Movie Database)』
(日本映画データーベース)には
『蛇姫様(1940)』
https://www.allcinema.net/cinema/134010
蛇姫の役は、原節子の名が
『続蛇姫様』
https://www.allcinema.net/cinema/134198
こちらは入江たか子になっています。

「蛇姫様・第一編(前編)」が原節子で、
その続編「続蛇姫様」が入江たか子。
どちらも1940年の作品です。


結局『蛇姫様前編』は、
取り直しで原節子の蛇姫は
幻の映画になってしまったということです。
当時『原節子』が新人だったからでしょうね。

衣笠貞之助がどういう気持ちで撮り直したのか、
そして、そのことを原節子は、どう思ったのか、
いずれにしても、
衣笠貞之助は原節子を一度も使っていない。
「原節子は衣笠貞之助作品には一度も出演していない
にすべて言い尽くされているというわけなのでしょうか。

おまけです『主題歌』




そしてYouTubeにあった動画

いつか削除されるかも。