その33:カレーの夜 | 内緒の恋話

内緒の恋話

ちょっとエッチな大人の恋話

 「わぁー、美味しそうじゃない。カレーの匂いがするだけでお腹すいた~~~」

優子はさつきと一緒にキッチンへ行って美夏が引き継いだ料理を見ていた。

「これ、おばちゃんがつくったの?おいしそうだよ、」

さつきも子供ながら意見を言った。

「さつき、楽しみだねー、おばちゃんのカレー。さつきはカレー大好物だから良かったねー」と優しくさつきを見ながら言った。

するとオーブンを温めようとした美夏が、

「あ、さつきちゃん用の味付けしてない!普通に大人のカレーになっちゃたけど、、、」と慌てて言うと、優子はさつきは大人のカレーでも食べれると。もし辛いようだたらリンゴを摩り下ろしてヨーグルトと混ぜるので大丈夫だと言った。

オーブンが温められたのでタンドリーチキンを入れて出来上がりを待った。

 

4人でテーブルを囲んで夕食になった。

美夏の前に優子が座る。その横にさつきちゃん、その前に良太が座る。

この並びは以前と変わっていない。

「わー美味しいじゃん、このカレー。ね、良太、」と優子が良太に意見を求めた。

ひとくちふたくちカレーを口に運んだ良太は

「う、うん、優子のカレーとはまた違った味で新鮮だよ、美味しい、」

と褒めた。そしてテーブルの下で良太の右足が美夏の左足をさすった。優子には気付かれていない。美夏は何食わぬ顔をして

「そう、別に特別なものは入れてないよ。全部優子ん家にあったものばかりだからこのカレーの味はいつでもこの家ならば作れまーす、」

そう言いながら良太の足を上から踏みつけてやった。

「さつき、大丈夫?食べれる???辛い?」横でさつきがひとくち食べるのを待って優子が聞いた。

うんたべれるよ、おばちゃんのカレーおいしいね、」

と合格点の言葉をもらった。タンドリーチキンも出来上がりバターライス、ナンも全て揃った。

美味しい夕食になった。

もし彼と離婚しなければ子供がいてこのような夕食の時間もあっただろうと思うと美夏は少し淋しくなった。

今日のお酒は赤ワインを飲んでいた。

相変わらずお酒が好きな今井家だ。

もちろんカレーは鍋一杯にあるので明日以降にメニューが変わって食卓に登場することだろう。カレーうどん、カレーチャーハン、カレー鍋、、、これが普通の家庭である。

 

「あ、優子、お父様大丈夫?」

とワイングラスを片手に美夏が聞いた。

「うん、交通事故って言っても自分でこけたって言ったほうが正しいかな?実際に車と接触してないからね。ただ、横断歩道を渡ってる時に車が驚かした、ってことは事実だけれど、

とさつきが残したナンを食べながら優子が言った。

「最初入院するって言ってたからひどいのかな?って思ったけど大事にならなくて良かった、」

またテーブルの下で美夏の足をさすっている良太が言った。

美夏は少し座りなおして足を組んでやった。

「入院したほうが楽じゃない、母もそう言って帰って行ったわ。明日日曜日だから行ってみるけど、」

リビングのソファで絵本を読んでいるさつきの姿をみながら言った

「さつき、パパと一緒にお風呂入ってきな、」

とダイニングテーブルから優子が言った。

「良太、さつきお願いしていい?」

「あ、俺さっきシャワー浴びたんだけどなぁ、、、ま、もう一回入るかな。さつき、パパと一緒にお風呂だって。」

絵本を見ていたさつきが「うん」と言って良太とお風呂場へ行った。

 

ダイニングテーブルで美夏と優子はまだワインを飲んでいる。

「美夏、何かあった?」

と突然優子が質問した。その言葉は良太とさつきがこの場からいなくなるのを待ってたかのように言った。

「ん、何が?」少し見当がつかない。

「何かあったでしょ、男だな、」と優子は質問もしたが答えも出した。

「何よそれ、、、」少しとぼけたが見破られた。

「何か今日は違うなーって会ったときからそう思った、」

「何が違うの?」

「具体的にはわからないけど、何となくね、」

美夏のグラスにワインを注ぎながら言った。続けて、

「で、どうなのよその彼は?上手くいきそ?」興味深々な顔つきだ。

「上手くいくとかじゃなくて、付き合っているとかでもなくて、、、なんだろーねー」

「ん、彼氏じゃないの?」

「彼氏ではない、」ひとくちワインを飲んで言った。

「じゃ、何なの?、、、したの?」

「わー、そんなこと聞くんだ、」少し美夏が照れた。

「聞くよ、興味あるもん、」

「興味?」

「そう、興味。だってさ、美夏離婚したでしょ?それからのえっちってどんなのかなーって思うのよ。今の私の周りはママ友ばかりが多いし、それにやっぱりレスが多いいのよ、」とため息混じりに言った。

「レス、かぁ、、、そーなるよね、子供がいるとね、でも優子のところはどうなの?」

こっちの方が興味があった。さっきあそこのソファで良太にいかされたばかりだったのでさらに興味が湧いた。

「うーーーーん、、、ない」一瞬考えたようだが最後のないはきっぱりと言った。

「いつぶり、ないのは?」

「うーーーーん、今年の夏はしなかったな、確実に、」

「優子、それって季節ごとにするもんじゃないわよ、」ちょっと可笑しくなった。

「でもさ、今さつきと一緒に寝てるでしょ。もし起きたらって考えるとできないわよ、やっぱり億劫になるわ、

「違う部屋ですればいいじゃん、他に部屋があるじゃない、」

すっかり冷え切っているタンドリーチキンの端くれを食べながら美夏言った。

「うーーーーん、美夏が良太にそー言って(笑)優子とえっちしなさいよーって(笑)」

「バカなこと言わないでよ、そんなこと言えないわよ!」

「冗談冗談、ごめんごめん、、、でも周りのママ友もレス多いよー。ほとんどだもんね。だからたまにやった次の日って見ればわかる。肌が違う、、、。やっぱり男に抱かれないと女は綺麗にならないのよね。どんな高価な美容液や乳液よりも抱かれることが一番美容効果があるのよねー、いいなぁ美夏、最近男に抱かれたんだ、、、」

最近って、ほんの3時間ほどまえにリビングでも抱かれ、セックスはしてないけれど指でいかされたわ、、、と心の中で呟いた。

「いいなぁって私もホント久しぶりだったのよ、1年ぐらいしてなかったもん、」

ちょっと寂しい顔になった。

「夫婦のセックスってホントに大事。アジアの人ってレスが多いんだって。特に日本人は多いらしいよ、と優子がボトルに残っているワインを美夏がグラスに注いでくれるのを見ながら言った。

そんな話を終わらせたのはさつきがお風呂から上がって来たときである。

 

マァマァ~~~おふろはいったよ~

 

と言って風呂場からさつきが出てきた。

良太も一緒に出てきた。今度はちゃんと上下服を着ていた。

 

「さっちゃん、気持ち良かった?」と美夏がワイングラスを片手に言うと、

「うん、きもちよかった、おばちゃんもはいれば?」

「あ、おばちゃんね、今日は帰るの。だからお風呂は入らないんだよ、、、」

すると優子が「えっ、泊まらないの?まだ飲もうよ、、、」

「あ、うん、でも今日はね、帰ろかなって。着替え持ってきてないし、、、」

その奥で良太も残念そうな顔をしているのが美夏にはわかった。

「泊まっていきなよ、美夏。」

今度は強めに優子が言う。さつきも横で頷いている。

「だって明日の朝お父様の病院行くんでしょ?そっち優先にしてよ、今回は。」

優子が言ったよりやや強めに意思を伝えた感じのトーンになった。

「それに明日ちょっと用事が、、、」

別に用事はないがさっき良太に愛撫されたこと、そしていかされたことが美夏の泊まりを阻んだ。

「わかったわ、じゃ今度ね。今度は絶対に泊まりで来てよ、絶対だからね!今度はちゃんと私が料理作るから、、、」

少し酔った優子が納得した。

 

洗物は優子がした。

良太はさつきを寝かせると言って2階へ上がった。美夏はリビングから見える庭を眺めている。

「何見てるの?」キッチンから優子が美香の背中に声を掛けた。

「あ、ううん、なんでもない。この辺って住宅地だよね。閑静な住宅街。みんなの家に灯りがついている。家族の灯りだよね、、、。今日ここへ来る時に更地の土地があったのよ。ここにも家が建つんだろうな~って思った。ここにも幸せな家族がいつか存在するんだろーなーって思ってちょっと羨ましくなってね、、、」

そんなセンチなことを言う美夏に3階のベランダへいくと上から近辺が見れるということで勧められた。

2階から良太が降りてきた。さつきは疲れていたので直ぐ寝たという。

「ねぇ、良太。美夏をベランダに案内してあげて。何やらちょっとセンチな気分になってるみたい(笑)美夏、ちょっと秋の夜風に当たってきなよ。気持ちいいよ、、、」

そう言って良太と美夏は3階のベランダへ行った。何か胸騒ぎがした。どうしようもなく心臓の鼓動が速くなる。

 

良太がベランダのサッシを開けてベランダ用のサンダルを並べてくれた。

男物のサンダル、女物のサンダル、子供用のサンダル、家族のサンダルがそこにあった。美夏は優子のサンダルを履いてベランダへ出た。

「わー気持ちイイ。今日は少し風があるね。気持ちイイ~」美夏はそこから見える辺り一面の住宅を見ながら言った。確かに秋の夜風は気持ち良かった。ワインで火照った頬を優しく撫でている。

「もっと気持ちイイことしよっか、、、」良太が悪びれた顔で言う。

「やめてよ、変なことしないでよ、」

「変なことって何だよ?(笑)」

「とにかく、、、私に触らないで、お願い」と言った瞬間に良太の手は美夏の腰の辺りを触っていた。

「もう、ちょっとやめてよ、、、私より優子でしょ?優子にもっと優しくしてあげてよ」さっき優子とレスの話をしているのを思い出した。

「優子とはちゃんとやってるつもりだよ、」と言うので、

「うそだ、優子寂しがっているわよ。」と言い返してやった。

良太の手は腰から前に動きそのまま上に上がった。美夏の胸を探すように手が動いてゆく。

「だめよ、優子が来たらどうするの、やめてよ、、、」

と抵抗するが大きな声も出せない。

このドキドキ感が興奮しない?ねぇ、美夏。美夏も嫌いじゃないでしょ?」

「何言ってんの、バカじゃない!私の胸より優子の胸の方があるじゃない、やめてよ、、、」

「俺、どっちかと言えば貧乳好きなんだよな。最近特に。」笑いながら良太は言う。

「悪かったわね、胸無くて、、、ちょっとホントにやめて、お願いだから、、、」

「興奮しない?ねぇ、美夏。」

と言ってデニムのボタンを外そうとした時に階段の下から優子が上がって来た。その足音を聞いてすかさず二人は離れ、美夏は良太に触られて乱れた洋服を直した。デニムのボタンも閉じているのを確認したが、その下が熱くなっているのも感じた。

やだ、今ので感じるんだ、、、私、淫乱かなぁ。そう思ったのも事実だ。

 

「美夏、どう?気持ちいいでしょ?」

トントンと上がってくる優子の足音が妙に邪魔だと思った。

抵抗はしてみたが良太の言うようにまんざらでもないのか?

そんな秋の夜長だった。

 

つづく、、、