鯨の入り江(47) | 星ねこブログ

星ねこブログ

猫好き&詩&小説のコラボマガジンです

鯨の入り江(47)


松の幹は裂け、飴のように折れ曲がった。


根こそぎ倒れるものもあった。


 潮を割り、
秘密基地


海中からのぞきかけた小山ほどの巨体は、松の木の悲鳴と共に元の波間へ姿を隠した。


 女子供のため息が洩れるなか、狼狽した男たちは別の木を物色し出した。


前にも増して頑丈そうな太い松の幹が、数本選ばれた。
うち猫


男も女も年よりも子供も、我先にとロープに駆け寄った。


今度こそは何としてもクジラを引き揚げなければならない。


食事
 折れるな、松よ!