鯨の入り江(34) | 星ねこブログ

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朝、7時、外はまだ暗いです。鳥の声が聞こえます。


土曜日はテニスと、印刷やさんとの打ち合わせがあります。


最近、ようやく落ち着ける気分です。


あまりに忙し過ぎて、ポリープの数が増えそうです。



では、鯨の入り江(34)スタートします。




 海はにごり、からだじゅうがべとべとしてそれはそれは気持ち悪かった。


解体時に流れ出た鯨たちの血液やら脂肪分やらが大量に入り江の海水に


溶け込んで、
食事


流れきらないで残っていたのだ。


波の穏やかな内海なのが禍いして、そんな厄介ごとを起こしていた。


 3年が過ぎ、4年が経つうちに骨もあらかた潮が持ち去り、


臭気も薄らいで来たが、完全に消えてなくなるまでには至らなかった。



soba

 そうなるにはまだ数年先を待たねばならない。


身ぐるみ剥がれた鯨たちの恨みでもあるのか、それは入り江の村を


執拗に取り巻き、人々の鼻先にまとわりついた。