2019(令和元)年8月7日(水)、第101回全国高校野球選手権大会の2日目の4試合が行われた。
2日目には、プロ注目の星稜・奥川泰伸投手が登場するという事で、大きな注目が集まっていた。
奥川恭伸は、周囲からの期待に応え、見事な投球を見せたが、
その奥川を擁する星稜の試合も含め、2日目の4試合の結果について、お伝えする事としたい。
<第101回全国高校野球選手権大会「第2日」の試合結果>
第1試合 履正社(大阪)11-6霞ケ浦(茨城)
第2試合 津田学園(三重)3-1静岡(静岡)
第3試合 星稜(石川)1-0旭川大(北北海道)
第4試合 立命館宇治(京都)1-0秋田中央(秋田)
<第1試合 履正社(大阪)11-6霞ケ浦(茨城)…履正社が1試合5本塁打(大会最多タイ記録)の猛打爆発で、快勝!!>
2日目の第1試合、履正社(大阪)-霞ケ浦(茨城)の対戦は、
履正社が、1試合5ホームランという、大会最多タイ記録という猛打を発揮したが、
まず、1回表に、履正社は1番・桃谷惟吹が先頭打者ホームランを放ち、勢いに乗った。
その後も、履正社打線の猛打は止まらなかった。
1回表2死から、4番・井上広大が、レフトスタンドへ豪快にソロホームランを放つと、
3回表には9番・野上聖喜がレフトスタンドへ2ランホームラン、
5回表には6番・西川黎がレフトスタンドへソロホームラン、
そして、9回表には、この回先頭の桃谷惟吹が、この試合の自身2本目となるホームランを放ち、
結局、履正社が1試合5ホームランという、大会最多タイ記録を樹立し、履正社が11-6で霞ケ浦に快勝した。
ちなみに、「夏の甲子園」における、1試合5ホームランというのは、
2006(平成18)年8月17日の準々決勝、「智辯和歌山13-12帝京」という、
今もなお伝説として語り継がれている、壮絶な打撃戦で、智辯和歌山が記録していたが、
今回、履正社がその記録に肩を並べたという事である。
この「智辯和歌山13-12帝京」の試合は、9回の表裏に、両校が4点差を共に引っ繰り返すという、凄まじい展開となったが、
今回の履正社の猛打爆発により、改めて、その時の智辯和歌山の打線の凄さに、スポットライトが当たる形となった。
<第2試合 津田学園(三重)3-1静岡(静岡)…エース・前佑囲斗の投打にわたる大活躍で、津田学園が勝利!!>
第2位試合は、津田学園(三重)-静岡(静岡)という対決となったが、
津田学園が、エース・前佑囲斗の投打にわたる大活躍で、静岡との接戦を制した。
2回表、津田学園は2死1、3塁のチャンスを作ると、
9番・投手の前佑囲斗が、センターへ先制のタイムリー二塁打を放ち、津田学園が2点を先取した。
そして、津田学園は、3回表にも6番・石川史門のタイムリーにより1点を追加し、序盤で3-0とリードした。
津田学園のエース・前は、8回裏に静岡の反撃に遭って1点を失ったものの、
その後は静岡打線の反撃を許さず、結局、前は7安打11奪三振1失点という見事な内容で完投勝利を挙げ、
結局、津田学園が3-1で静岡を破り、初戦を突破した。
津田学園の前佑囲斗は、今年(2019年)の春のセンバツの初戦、龍谷大平安との対決で、
延長11回まで無失点、170球の力投を見せたが、延長11回表に2点を失い、惜しくも0-2で敗れ、涙を呑んだ。
今大会は、その時のリベンジを目指し、甲子園に乗り込んで来たが、見事にその思いを実現させたと言えるであろう。
一方、静岡大会をノーシードから勝ち上がり、4年振り25度目、
大正・昭和・平成・令和という「4元号での甲子園出場」を果たした、名門・静岡高校は、
残念ながら、津田学園の前佑囲斗の投打にわたる活躍の前に屈し、
「4元号での甲子園勝利」達成とは成らず、初戦敗退で甲子園を去る事となった。
<第3試合 星稜(石川)1-0旭川大(北北海道)…奥川恭伸、3安打完封勝利の快投で、星稜が初戦突破!!>
星稜(石川)-旭川大(北北海道)の対戦で行われた、この日の第3試合は、
何と言っても、プロ注目の右腕・奥川恭伸(星稜)に、甲子園に集まった観客やスカウトのみならず、
全国の高校野球ファンからの注目が集まったが、奥川は、見事にその期待に応え、3安打9奪三振の完封勝利という、見事な投球を見せた。
奥川は、小学生の頃からバッテリーを組んでいるという、捕手・山瀬慎之助との息もピッタリで、
結局、奥川は2回表に味方が挙げた1点を最後まで守り切り、僅か94球で、旭川大を3安打9奪三振に封じ込め、
星稜が、1-0という最少得点で旭川大を破り、初戦を突破した。
今大会こそ、星稜の悲願の初優勝が期待されているが、今後、星稜が躍進出来るかどうかは、全ては奥川の出来次第であると言っても過言ではない。
というわけで、次の試合での奥川の投球にも注目である。
一方、旭川大のエース・能登嵩都も、星稜・奥川恭伸を相手に一歩も引かず、互角の投げ合いを見せ、
能登は9回を1失点完投と力投したものの、2回表に失った1点に泣き、惜しくも0-1で敗れた。
しかし、奥川を相手に互角の投手戦を繰り広げた能登の投球は、誠に見事であった。
<第4試合 立命館宇治1-0秋田中央…立命館宇治が、春夏通じて6度目の挑戦で、甲子園初勝利!!>
第4試合は、立命館宇治(京都)-秋田中央(秋田)という対決となったが、
立命館宇治は37年振り、秋田中央は45年振りと、共に久々に夏の甲子園に帰って来た同士の対決でもあった。
そして、試合は立命館宇治・高木要と、秋田中央・松平涼平の両投手による、素晴らしい投げ合いとなった。
試合は、両投手の好投により、緊迫した投手戦となったが、
0-0で迎えた7回裏、立命館宇治は相手のエラーにより1点を先取すると、
立命館宇治・高木要は、その1点を最後まで守り切り、9回を3安打無失点の完封勝利を挙げ、
立命館宇治が1-0で秋田中央を破り、立命館宇治は春夏通じて6度目の甲子園出場で、悲願の甲子園初勝利を挙げた。
なお、この試合では、立命館宇治の吹奏楽部は、吹奏楽部のコンクールと日程が重なってしまい、
甲子園に応援に来られない事態となってしまったが、系列の中学校や、立命館宇治を卒業後、立命館大学に進んでいた、同校の卒業生達が結集し、「オール立命館」で、臨時のブラスバンド部を結成し、同校に声援を送った。
なお、立命館宇治の吹奏楽部は、次の2回戦では、先日、悲しい事件に巻き込まれてしまった「京都アニメーション」(京アニ)を元気付けるため、
京アニの主題歌として知られる「響け!ユーフォニアム」を演奏する予定となっている。
一方、秋田中央は、エース・松平涼平の力投も空しく、惜しくも0-1で敗れ、無念の初戦敗退となった。
という事で、2日目の4試合の内、2試合が1-0のロースコアの投手戦であった。