2019/1/29 法政野球部 青木監督が暴力か…大学と協会に告発文書 | 頑張れ!法政野球部 ~法政大学野球部と東京六大学野球について語るブログ~

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法政大学野球部を中心として、東京六大学野球についての様々な事柄について、思いつくままに書いて行くブログです。
少々マニアックな事なども書くと思いますが、お暇な方は読んでやって下さい。

本日(1/29)、大変なニュースが飛び込んで来た。

法政大学野球部の青木久典監督が、部員に暴力を振るっており、

それを告発する文書が、日本学生野球協会と、法政大学当局に対し、送られたというのである。

 

法大青木監督が暴力か 大学と協会に告発文書

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190129-00463387-nksports-base

 

なお、この問題に関し、現段階での法政大学サイドの見解としては、

「速やかに事実関係を調査した上、正式な回答を出す」

というものであり、関係者に聞き取り調査を行なった上、速やかに回答するとの事であるが、

私も、このニュースを聞いて、大変驚いた。

 

(法政大学野球部の青木久典監督

 

まだ事実関係が明らかになっていない事もあり、

私が、この件に関してはどう思うのかについては、現時点ではコメントを差し控えたいと思うが、

もし事実だとすれば、誠に残念であるとしか言いようがない。

 

当ブログは、法政野球部を応援する事を目的としているので、

この問題について、何も書かないわけにはいかないと思い、この記事を書かせて頂いているが、

一刻も早く、事実関係を明らかにした上で、速やかに調査結果を発表して頂きたい。

その上で、私も、この件について思う所を述べさせて頂きたいと思っている。

 

<学生野球界の「上下関係」について…>

 

さて、ここから先は、今回の法政野球部の一件についてではなく、

日本の学生野球の世界における、上下関係の事について、論じて行きたい。

 

有名な話だが、大学の体育会における、厳しい上下関係を表す言葉として、

「4年神様、3年貴族、2年平民、1年奴隷」

というものが有るそうであるが、

これは、体育会の部活では、下級生は上級生には絶対服従であり、逆らう事は許されないという体質を、

端的に表していると言えそうである。

 

勿論、各部活により、程度の差も有るだろうし、一概には言えないとは思われるが、

どの部活でも、基本的には、下級生は上級生に従うものであるという不文律は有るのではないだろうか。

しかし、体育会に所属していたわけではなかった、部外者の私から言わせると、

行き過ぎた上下関係というものは、非常に息苦しいものだろうなと思ってしまう。

 

先輩が後輩を指導し、部活動を円滑に行うためには、ある程度の規律も必要であると、私も理解しているつもりであるが、

私が危惧しているのは、その上下関係が、あまりにも行き過ぎてしまい、軍隊のように、兵隊は上官には絶対に逆らえないというような、

極めて閉鎖的な環境になってしまう事により、その部が、どんどん悪い方向に行ってしまう事である。

 

<私の個人的な体験>

 

ところで、私は小学校の頃、少年野球をやっていたが、

私が所属していた少年野球チームは、とても練習が厳しい事で有名であり、

上下関係を重んじるのを特徴としていた。

 

私個人には、残念ながら野球をやる才能はあまり無かったので、

中学では野球部には入らず、本格的な野球は、少年野球で卒業してしまったのだが、

今思えば、例えば、「道具を大切にしなさい」とか、「目上の人には、敬意を持って接しなさい」とか、

「お世話になっている人(少年野球の世話係をしているお母さん達)に対する、感謝の気持ちを忘れないようにしなさい」など、

普段の生活にも通じるような大切な事を、沢山学ばせてもらったので、少年野球をやっていて良かったなと思っているが、

 

中学の頃は、後輩が先輩に絶対服従であり、

ましてや、選手は監督(中学の場合、教諭)に絶対逆らえないという雰囲気が有る野球部には、

ちょっと付いて行けそうにないと思い、初めから、野球部に入るという選択肢は、私には無かった。

「あんな恐ろしい所には、絶対に入りたくない」

と、すっかり尻込みしてしまったわけである。

私以外にも、そのような理由で、野球部に入らなかった人は、沢山居るのではないだろうか。

 

<高校野球経験者の体験談を聞いて>

 

現在、私には高校野球で本気で甲子園を目指していた、元高校球児の友人が居るのだが、

その友人に、色々と高校時代の事について、聞いてみたところ、

彼は、「本当に大変だった。監督に殴られた事なんて、しょっちゅうだったよ」と、

ケロっとした表情で言っていた。

 

「やはり、そうなのか…」と、私は思ったが、

更に彼は、「ウチの監督は、メチャクチャ怖かったけど、でも、当時の高校の野球部は、日本全国、程度の差は有っても、何処も似たような感じだったと思うよ」とも言っていた。

つまり、これは特定の高校に限った話ではなく、高校野球の部活とは、何処も似たり寄ったりではないかと、彼は述べた。

 

「じゃあ、監督に殴られて、どう思った?」と聞いたところ、

彼は、「正直、ふざけんなと思ったね」と苦笑いし、

「監督は、本気で甲子園を目指していて、熱い人だったのはわかるけど、みんな、『あの野郎、ふざけるな』と思っていた」

とも言っていた。

 

では、何故、野球部を辞めなかったのかと聞くと、

「それは、野球が好きだったからね。それに、ある程度、厳しいシゴキが有ったりするのは覚悟してたし、負けてたまるかって、思ってたから」

と、高校野球を3年間やり抜いた彼は、そう答えた。

 

「高校野球を通じて、根性が身に付いたのは、間違いない。でも、あの頃には絶対に戻りたくないな」

と、彼は、その頃の事について、笑い飛ばしていたが、

やはり、高校野球経験者に話を聞くと、他にも色々と、経験者にしかわからない、生々しいエピソードを聞く事が出来て、

私は、改めて色々と考えさせられたものである。

 

私は、彼に対し、

「最近、高校や大学の部活で、監督や上級生の暴力とかが、色々と問題になってるけど、どう思う?」

と聞いてみた。すると彼は、「うーん…」と暫く考え込んだ後、

「個人的な考えだけど」と、前置きした上で、こう答えた。

 

「高校野球の世界っていうのは、ある程度、上下関係の厳しい規律が有ってこそ、成り立つ面が有ると思うんだよ。もし、野球部が、サッカー部みたいな雰囲気になってしまったら、それは何かちょっと違うな、という気がしないでもない」と。更に、

 

「でも、勿論、あんな風に、行き過ぎた暴力になってしまうのは、良くないね。時代に合わなくなってるから」とも、彼は言っていた。

 

 

昨年、日大アメフト部による、悪質タックル問題が世間を騒がせていた頃も、

実は、その彼とは色々と話したものであるが、彼は、

「日大は、本当に極端な形で悪い部分が出たし、絶対に許される問題じゃないと思うけど、でも、体育会っていうのは、ああいう雰囲気は、何処も有るんじゃないかな」と言っていたものである。

 

つまり、日本の体育会における、閉鎖的な空間、ともすれば軍隊的な体質というのは、

特定の学校だけの問題ではなく、日本の体育会や運動部全体が、多かれ少なかれ抱えている問題ではないかとの事であり、

私も、それには同感であった。

 

<野球選手の体験談を読んで、私が思った事>

 

私は、野球に関する本を読むのが大変好きであり、これまで、野球関連本は沢山読んで来たが、

野球選手が、高校時代や大学時代における、野球部の思い出について語っている本を読むと、

「本当に厳しい所だった。あの頃には戻りたくない」と書いてある事が多い。

 

(法政大学野球部時代の、江本孟紀

 

江本孟紀の著書『プロ野球を10倍楽しく見る方法』シリーズは、ミリオンセラーという大ヒットに)

 

私は、法政OBの江本孟紀が書いた本を、色々と読んでいるが、

江本によると、法政野球部時代には、上級生から理不尽なイジメに遭ったり、

監督は、それを知っていながら、見て見ぬフリをするだけで、自分は非常に腹が立つ事が多々有ったとの事であり、

江本は、当時の法政野球部の内情を赤裸々に描いている。

 

それを読んで、「大学の体育会というのは、本当に恐ろしい所だな」と、

率直に言って、私は戦慄を覚えたのであるが、

 

本宮ひろ志が描いた、江川卓の評伝漫画『実録たかされ』では、江川卓の法政時代のエピソードも沢山描かれている)

 

あの江川卓も、法政の下級生時代には、壮絶かつ理不尽なイジメに遭い、

江川達の代は、集団で脱走する一歩手前まで行ったそうである。

(その時に、「もう少し、みんなで辛抱してみよう」と言って、皆の脱走を思い留まらせたのが、金光興二である)

 

正直言って、こんな馬鹿げた事は有ってはならないなと、私はそれらを読み、非常に胸糞悪かったのであるが、

今の時代は、流石に昔よりは、そのような体質は改善されているのであろうと、思いたいところである。

 

 

要するに、上級生が下級生に対し、権力を笠に着て、理不尽な命令をしたり、イジメを行なっているというような事は、

私としては、断じて容認出来ないとする立場であるが、

このような体質が、あの日大アメフト部の事件や、最近、次々に槍玉に上がっている、体育会や運動部指導者による暴力事件の根本的な原因なのではないだろうか。

 

 

最後に、もう一つ付け加えると、最近、横浜DeNAベイスターズ筒香嘉智が、

「今までのような、学生野球界全体の悪しき体質が一層されない限り、日本の野球界に未来は無い」と告発し、積極的に発言しているが、

現役のプロ野球経験者が、このような事を言わざるを得ないという状況こそが、私としては、大変残念としか言いようが無い。

 

野球を愛するファンの一人として、日本の野球界が、良い方向に発展して行くためにも、

今一度、スポーツの部活動(特に野球部)とは何か、という事を、野球界全体で真剣に考える時期に来ているのではないかと、

私も思っている次第である。