2018(平成30)年も、残す所、あと僅かとなった。
そこで、当ブログなりの視点で、今年(2018)年の野球界の出来事を振り返ってみる事としたい。
<法政野球部、東京六大学野球で6年振り優勝!!>
やはり、私にとって、今年(2018年)、最も大きな出来事は、
我が母校の法政大学の野球部が、東京六大学野球の秋季リーグで、
2012年秋以来、6年振りの優勝を達成した事である。
(2018年秋、法政野球部が6年振り優勝。胴上げされる青木久典監督)
2012年秋に、法政はエース・三嶋一輝(現・横浜DeNAベイスターズ)で優勝し、
当時、私も神宮の法政側応援席で、優勝の瞬間を目の当たりにしたのだが、
まさか、法政がそれから6年も優勝から遠ざかってしまうとは、その時は思ってもいなかった。
しかし、今年(2018年)秋、法政は長い苦難の時代を乗り越え、見事に6年振りの優勝を達成した。
この6年間は、非常に長かったが、それだけに優勝の感激もひとしおであった。
なお、2018年秋の法政優勝への道のりは、当ブログでも詳しく書いたので、宜しければお読み頂きたい。
<ヤクルト・山田哲人が3度目のトリプルスリー&ヤクルト交流戦優勝とセ・リーグ2位躍進!>
昨年(2017年)、東京ヤクルトスワローズは、シーズン96敗という屈辱的な惨敗を喫し、ダントツ最下位に終わった。
その結果、真中満監督が退任し、真中の前に監督を務めていた小川淳司が、4年振りにヤクルト監督に復帰したが、
ヤクルトは、メジャーリーグに行っていた青木宣親(早稲田OB)が7年振りに復帰するなど、戦力を整え、
ヤクルトはセ・パ交流戦で初優勝するなど、シーズン中盤から後半に向けて勢いに乗り、
前年の96敗のダントツ最下位から、セ・リーグの2位に大躍進した。
(2018年、ヤクルトは交流戦初優勝。シーズンでも2位に躍進)
また、前年(2017年)は不振に終わった山田哲人が復活し、
山田哲人は、見事に、3度目のトリプルスリー(3割、30本、30盗塁)を達成するという大活躍を見せた。
(3度目のトリプルスリーを達成し、ファンの声援に応える山田哲人)
山田哲人は34本塁打、バレンティンは38本塁打と打ちまくり、他球団の脅威となったが、
先頃、バレンティンはヤクルトとの契約を更新し、来年はヤクルトで9年目のシーズンを迎える事となる。
来年も、山田とバレンティンが揃って大活躍すれば、ヤクルトは、また面白い存在になりそうである。
(2015~2016年に続き、3度目のトリプルスリーを達成した山田哲人)
(2011年のヤクルト入団以来、通算255本塁打を打っているバレンティン)
<横浜DeNAベイスターズ、新外国人・ソトが本塁打王を獲得!しかし、CS進出を逃す>
2016(平成28)年に、アレックス・ラミレスは横浜DeNAベイスターズの監督に就任し、
ラミレス監督は、2016~2017年、就任以来2年連続で、ベイスターズをクライマックスシリーズ(CS)進出に導いた。
昨年(2017年)は、ベイスターズは遂にCSを突破し、日本シリーズを果たした。
(全く無名だった新外国人・ソトが40本塁打で本塁打王を獲得)
ラミレス監督体制3年目となる今年(2018年)、ベイスターズは20年振りの優勝を期待されたが、
全く無名の新外国人選手、ネフタリ・ソトが40本塁打で本塁打王を獲得するという大活躍を見せたものの、
投手陣が不振で、全く優勝争いに絡む事は出来ず、シーズン終盤は、巨人との3位争いに競り負け、4位に終わってしまった。
(DeNAの新人・東克樹は11勝を挙げ、新人王を獲得)
ソト(40本塁打)、筒香(38本塁打)、宮崎(28本塁打)、ロペス(26本塁打)という並びの打線は強力だったが、
2桁勝利を挙げたのが、新人の東克樹(11勝)だけという投手陣では、いかにも心許なかった。
また、打線も前述の4人以外は迫力不足で、繋がりを欠いた。
来年のベイスターズは、戦力を整備し直し、今度こそ優勝争いに絡めるよう、巻き返して頂きたいものである。
<巨人の山口俊と菅野智之がノーヒットノーラン達成、そして高橋由伸監督が辞任>
7/27、巨人の山口俊が、中日戦(東京ドーム)でノーヒットノーランを達成したが、
昨年(2017年)、山口俊はDeNAから巨人に移籍したものの、僅か1勝に終わり、
シーズンオフには不祥事を起こした事もあって、山口俊は大バッシングを受けた。
(ノーヒットノーランを達成し、祝福される山口俊)
まさに背水の陣で臨んだ今年、山口俊は前述のノーヒットノーランも含め9勝9敗という成績を残したが、
山口俊は、来年(2019年)もまた、結果を残して、巨人でも確固たる地位を築く事が出来るであろうか。
(投手三冠を獲得した巨人の大エース・菅野智之は、CSのヤクルト戦でノーヒットノーラン達成)
そして、巨人といえば大エースの菅野智之が、15勝8敗 防御率2.14 200奪三振という見事な成績で、
最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の三冠を獲得、文句無しに沢村賞に選ばれた。
菅野は、CSのファーストステージで、ヤクルトをノーヒットノーランに封じるという快挙も見せたが、
まさに、菅野は現在、間違いなく日本一の投手と言って良いであろう。
(巨人・高橋由伸監督は、3年連続で優勝を逃した責任を取り、辞任)
なお、巨人は優勝が絶望的となった時点で、高橋由伸監督(慶応OB)が辞任を表明。
高橋監督の辞任表明の後、巨人の選手達は結束し、3位でCS出場、CSファーストステージでもヤクルトを破ったが、
CSファイナルステージでは広島に3連敗し、高橋監督の有終の美を飾る事は出来なかった。
<広島がセ・リーグ三連覇達成!!そして新井貴浩が引退>
緒方孝市監督率いる広島東洋カープは、2016(平成28)年以来、見事にセ・リーグ三連覇を達成した。
しかも、3年続けて2位に大差を付ける独走での優勝だったが、
その原動力となったのが、菅野(巨人)と並んで15勝で最多勝を獲得した大瀬良大地と、
広島三連覇の間、ずっと1~3番を打った、田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の「タナキクマル」である。
(セ・リーグ三連覇を達成し、胴上げされる広島・緒方孝市監督)
しかし、長年広島を支えた新井貴浩が引退し、
丸がFAで巨人に移籍してしまった事もあり、来年(2019)年の広島はどうなるのか、
果たしてリーグ四連覇は成るのか、それとも他球団が待ったをかけるのか、注目である。
(今年(2018年)限りで、広島・新井貴浩が現役引退)
<西武が10年振りに優勝!!>
埼玉西武ライオンズは、2008年に渡辺久信監督の就任1年目で優勝、日本シリーズでも巨人を破り、日本一となったが、
それ以来、西武は10年間も優勝から遠ざかる事となってしまった。
かつて黄金時代を築いた西武としては、誠に屈辱的な10年間だったと思われるが、
辻発彦が監督に就任した昨年(2017年)は、2位に終わったとはいえ、
夏場に13連勝して首位のソフトバンクを猛追し、久々に手応えの有るシーズンとなった。
(西武を10年振りのパ・リーグ優勝に導き、胴上げされる辻発彦監督)
そして、辻監督体制2年目の今年(2018年)は、西武は山川穂高(47本塁打)、浅村栄斗(32本塁打)、中村剛也(28本塁打)、秋山翔吾(24本塁打)、外崎修太(17本塁打)、森友哉(16本塁打)らの打線が大爆発し、
シーズン終盤、前年(2017年)とは逆に、ソフトバンクの猛追をかわして、西武は見事に10年振りの優勝を達成した。
(CSファイナルステージでソフトバンクに敗退し、悔し涙を流す、西武・辻発彦監督)
しかし、CSファイナルステージではそのソフトバンクにまさかの敗退を喫し、辻監督はファンへの挨拶で無念の悔し涙を流した。
エースの菊池雄星と浅村栄斗がチームを去る西武であるが、来年(2019年)は菊池が抜けた投手陣を再整備出来るかどうかが、連覇の鍵となりそうである。
<ソフトバンクが下克上でCS突破⇒2年連続日本一!!>
昨年(2017年)、2年振りの優勝と日本一を達成したソフトバンクは、
今年(2018年)は、シーズン前半は怪我人続出で、下位に低迷していた。
工藤公康監督の退陣論まで、公然と囁かれたが、夏場頃からエンジンがかかり、
打率.352 36本塁打 102打点で、2度目の首位打者を獲得した柳田悠岐を軸とした打線と、
シーズン序盤で手術のために帰国してしまったサファテの代わりに、抑え投手に抜擢され、37セーブを挙げた森唯斗の大活躍もあり、
ソフトバンクは優勝こそ逃し、リーグ戦は2位に終わったものの、
CSではファーストステージでは日本ハム、セカンドステージでは西武を破り、ソフトバンクは2年連続で日本シリーズに進出した。
(初の3割30本100打点を達成、2度目の首位打者を獲得した、ソフトバンク・柳田悠岐。日本シリーズ第5戦でサヨナラ本塁打を放つ)
そして、ソフトバンクは日本シリーズでは広島を4勝1敗1分で破り、2年連続日本一となった。
なお、ソフトバンク(旧・ダイエー)は、かつて、シーズン1位またはリーグ優勝しながら、
CS(プレーオフ)で下克上を許し、日本シリーズ進出を逃した事が3度(2004、2005、2010年)有ったが、
今年(2018)年は、球団史上初めて、ソフトバンクは下克上での日本一を達成した。
(2年連続日本一を達成し、胴上げされる、ソフトバンク・工藤公康監督)
これで、ソフトバンクの工藤公康監督は、2015年の就任以来4年間で3度の日本一を達成したが、
ソフトバンクの豊富な戦力があるとはいえ、これだけの結果を残している工藤監督の手腕は、誠に見事なものである。
<甲子園で、大阪桐蔭が史上初の2度目の春夏連覇&金足農旋風!!>
今年(2018年)の高校野球は、大阪桐蔭が甲子園の春夏連覇を達成したが、
大阪桐蔭にとっては、2012年以来、2度目の春夏連覇達成であり、
1つの学校が2度も春夏連覇を達成したというのは、史上初の快挙である。
(2018年の甲子園で、大阪桐蔭が史上初の2度目の春夏連覇達成)
これで、大阪桐蔭は甲子園で春夏合わせて優勝回数は8度で、PL学園の優勝回数を抜いたが
西谷浩一監督は、その内の7度、大阪桐蔭を優勝に導いている。
そして、今年(2018年)の大阪桐蔭の主力、根尾昴は中日、藤原恭大はロッテ、横川凱は巨人、柿木蓮は日本ハムと、4人がドラフト会議で指名されるという快挙も有った。
(2018年のドラフト会議で、大阪桐蔭の4人が指名を受けた。左から順に、柿木蓮、根尾昴、藤原恭大、横川凱)
しかし、今年の夏の甲子園を最も沸かせたのは、秋田県代表の金足農である。
エースの吉田輝星を中心とした金足農は快進撃を見せ、秋田県勢としては、1915(大正4)年の第1回大会の秋田中(現・秋田高)以来、
実に103年振りという、夏の甲子園決勝進出を果たした。
(2018年の夏の甲子園で、秋田県勢として103年振りの決勝進出を果たし、大旋風を巻き起こした金足農)
金足農は、決勝では大阪桐蔭に2-13と大敗し、惜しくも優勝は逃したが、金足農の快進撃は大フィーバーを巻き起こした。
なお、エースの吉田輝星はドラフトで日本ハムに1位指名され、日本ハムは、同一年の甲子園の優勝投手の柿木と、準優勝投手の吉田を共に獲得する事となった。
(金足農のエース・吉田輝星。日本ハムにドラフト1位指名を受けた)