もう何年も前になりますが、ある女性が言いました。
「わたしは映画を撮りたいんです。
主演も脇役も、ぜんぶわたし。
カメラ、脚本、照明、音声、もうぜんぶ一人でやります。
わたしはこれまでもひとりで生きてきたし、
これからもずっと、ひとりで生きていけるんです」
ひととおり話を聞き終えて、ひとつだけ質問を投げかけてみました。
「で、その映画は誰が観るの?」
彼女はほんの2秒ほど、すべてが停止したような表情をしていました。
彼女はたしかに、とても苦労をして生きていました。
親にも見離されていると思い込んで。
実際には、親御さんはとても彼女を愛していましたけれど
彼女はその愛情をうまく受け取ることができないで
必死で一人で生きていこうとしていたのです。
そんな必死さと、生来もっていた自己顕示欲がごっちゃになって
ひとりで映画を撮るのだという話につながっていったのだと思います。
結局のところ、彼女は自分を誇示したくて、評価がほしくて仕方なかった。
けれど、それを自覚できていなかったのです。
自分のことを認めさせたい。わたしはすごいんだ。
なんだって一人でできる。
それに、誰も信用しちゃいけないんだ。
わたしは一人で生きていくしかないんだ。
そんな思考がぐるぐる回っていたのでしょう。
けれど、がんばって作った映画を観てほしい相手は、やっぱり他人なんですね。
そこに気づいたときに、彼女の呪縛がとけました。
人は誰もが他人からの評価を求めているものです。
まずはあらゆることを「自覚」することから始めると良いと思います^^
褒められたいんです!!
認めてほしいいい~~
なんて真正面から言われたら、なんだかちょっぴり可愛いと思うのです。
素直な人は可愛い。
どうか自覚して、素直に生きてみてくださいね。
意地をはっても良いことなんて、何もありません。
守るべき誇りはありますが、しょもない意地は捨てていきましょう^^