占星術を学んでいる皆さまへ、
今日は山羊座22度のサビアンシンボル「敗北を優美に認める将軍」について。
一番初めにこのシンボルを知った時、「負けるのか・・・」でした。
ただ、優美に認めるですから、嫌な感じはせず、いっそ清々しいイメージもあります。
「将軍」なので軍を率いる指揮官で、知性や経験もあり勇敢でもあるはずです。
本来は勝利をおさめるために軍を指揮する将軍が、
敗北を認める・受け入れるというのは結構大変な勇気と胆力がいるのであろうと想像できます。
結果的には負けは負けですし。
更に「優美に」です。
自軍が大ダメージを受ける前に判断するという事も示しているかもしれません。
現実的な判断を下せるということでもあるのでしょう。
次に、ドデカテモリという手法で見ていきます。
山羊座22度は、ドデカテモリでは乙女座です。
乙女座は、知性をもって物事を分析し解決に向けて現実的に動きます。
この乙女座の要素を含めて、山羊座22度をもう一度考えてみましょう。
将軍は、これ以上戦いを継続することは自軍にとって利益はないという現実的判断を下し、
敗北を受け容れたという風に考えてもよいでしょう。
将軍の判断には賛否両論あるでしょうし、将軍の地位を失うかもしれません。
このシンボルは、表面上は敗北しますが、
その代替として勝ち負けといった世界や価値観から離れることができるともいえます。
つまり、別の新たな価値観や可能性の世界を見出せることも示します。
「負けるが勝ち」という諺に近いのかもしれません。
失うものと引き換えに、本質的なものを得るのです。
勝利し続けるというのは、一見、良いことのように思えますが、異なる価値観を得ることはできないでしょう。
負けるからこそ得られるものもあります。
最後に、負けの認め方について。
例えば将棋。
「負けました」や「ありません」などと対戦者に告げ、終局するのです。
1日中、もしくは二日間という長い時間相手と闘い続けた上で、負けを受け容れ自ら告げるってすごくないですか。
表面上、ボクシングのように具体的に殴り合っていませんが、盤上では凄まじい戦いをしているわけです。
内心、はらわたが煮えくりかえっていると想像します。
それでも、潔く相手に告げる姿に、私は美しさを感じます。
ラグビーにも負けても美しさを感じます。
ノーサイドが告げられると、両チーム全員が歩み寄って握手をしたりハグを交わしたり健闘を称えあいます。
2019年に日本で行われたラグビーワールドカップ、感動した方も多いのではないでしょうか。
負けたチームが、勝者のチームに花道を作る姿に。
肉弾戦直後のこの敗者の行動は、見る人に感動を与え、そこには間違いなく美しさがありました。
山羊座22度の敗北は、こういう美しさのある敗北なのではないかと思います。