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たのしいホルン

楽器のおたく話(Kruspe)や日常のことを綴っているブログです。
もっと楽しくホルンが吹きたい!プロオケってどんな世界なのだろう?
初心者だけどホルンが吹いてみたい!・・・このブログを通してそういったこともお伝え出来ればと思っています。

(↑セミダブルを吹く???我が家の「たろう」)

 

現在、世界(もちろん日本を含めて)のプロオーストラの

ホルン吹きの方で、セミダブルを使っている人は

いったい何人いるでしょうか?

マイノリティー(^^;であることは間違いありません(^^;

ただ戦前のヨーロッパでは、かなり多くの奏者が

セミダブルを使用していました。

 

師匠がよくおっしゃっていたのは、

 

「オーケストラのホルンセクションは、

1・3番吹きはBシングル、2・4番吹きはセミダブル、

これで十分だし、そのほうが良い響きがする。」

 

ということです。

もちろん、師匠のお考えでありますし、

少数意見であることは間違いありませんが、

私もこの意見には大賛成(^^;している一人です。

 

現在の世の中のホルン吹きの方は、ホルンを始めた時から

フルダブルしか使用してこなかった方が圧倒的多数です。

つまり、シングルホルンもセミダブルも使ったことはない、

見たこともないという人が多数いらっしゃるということです。

実は私も最初はメロホンで、その後がFシングルでしたので、

セミダブルという楽器の存在自体を全く知りませんでした。

初めて見たのは、高校生の時、師匠のご自宅でしたが、

なんと!触りもしませんでした(^^;

それだけホルンはフルダブル!という観念があった訳です。

現在普通にセミダブルを仕事で使用している私でさえ、

そうだったことを思うと、多くのホルン吹きの方が、

セミダブルに対して持つイメージがどんなものであるかは、

手に取るように理解できます(^^;

 

それでも師匠は、セミダブルの可能性を高く評価されていて、

1980年の中頃「国産のセミダブルがないのはおかしい!

ヨーロッパのホルンメーカーで、セミダブルを作ってない

工房はどこにもない。全ての工房がセミダブルを作っている。

世界のヤマハにセミダブルがないのはおかしい。」

とおっしゃってヤマハでセミダブルを作ることになりました。

クルスペをモデルとしたYHR-841がこうして誕生しました。

このモデルは現在でも(特注ではありますが)

作られているロングランモデルです。

もちろん師匠は上吹きで、ほぼ生涯Bシングルでしたので、

セミダブルを吹かれることはありませんでしたが、

この楽器の普及を日本で一番望んでいた方だと思います。

 

師匠は、

「まずは吹いてみる!吹かなきゃ、分からない!

有名人が使っているとか、プロが使っているとか、

そういうことはどうでもいい。

自分が吹いてどう思うか!これが一番大事なんだ。

自分の好きな音が出る楽器を使えば良い。

オレはクルスペが好きだから使っている訳ではない。

オレが出したい音が一番出しやすい楽器が、

たまたまクルスペだっただけだ!」

そう、何度も何度もおっしゃっていました。

自分もそう思って来ましたが、

ただ、そういう思いは、師匠の影響だけでなく、

確かに自分で感じていることではあるのです。

実際、私は結構いろいろなメーカーの

楽器を実際に仕事で使用してきた経緯があり、

(ちなみに・・・私が過去使用した楽器は

 ヤマハ・メーニッヒ・アレキ・コーン・ホルトン

 オットー・ホイヤー・ハイネル・レオンハルト・

ウイルソン etc 

もちろん、全て自分で購入し、使っていたものです)

その結果、やはり今使っている楽器が

一番自分の出したい音が出しやすいと思っているので

クルスペを使っている訳です。

 

「セミダブルがフルダブルに比べて

重厚な音が出ないって?

  低い音が出ないって? そんな訳ないだろ!

  フルダブルは重量が重いってだけだ!

音色が重くなる訳じゃない。」

 

「よくセミダブルはどうのこうのと

言っているヤツがいるだろ?

実際吹いて、使って、そう言ってるか?

そうじゃないだろ?

使いもしないで、ごちゃごちゃ言うナ!」

 

毒舌で有名な師匠の、

悪童が悪戯する時のようなニヤニヤ笑いの

いつもの話し方が、とてもとても懐かしいです!(^^;

クラシック音楽をオーケストラや吹奏楽で演奏する場合、

作曲者や編曲者が書いた通りに演奏することが

大前提になります。

 

つまり楽譜通り、忠実に吹ける・・・ということが

       「上手く吹く」

という条件に当てはまる、ということになるでしょうか・・・

 

もちろん、リズム・テンポが全体の流れに合っているかどうか、

とか、音楽的に抑揚がつけられているかどうか、とか、

上手く吹く、という定義に対して求められる要素は

たくさんあります。

ところが、ホルン(だけではないのですが)の場合、

譜面に書いてある音が確実に出るかどうか・・・

つまり最も基本的な、楽譜通りの音が出るかどうかという、

大切な要素に、とても大きな不安があります。

 

そうです!つまり「音が外れる」という

恐ろしい(^^;出来事が待っているのです。

特にホルンの場合、音を外すと、

なぜか他の楽器以上に非常(異様に(^^;)に目立ちます。

「プルン」「ペロン」「ボヘッ」「バリッ」「ブヒッ」

という擬音に最も親しい関係にあるのがホルンです。

 

では、音を外さなければ、上手い!のか?そうですね・・・

ホルンという楽器においては、上手い・・・のでしょう。

 

が、よく考えてみてください。録音されたものは、

ご存じ通り、事故があれば、もう一度やりなおせます。

また少々の雑音や乱れは、ライブであっても

近年の録音技術で、ある程度の修正は可能です。

ところが、生演奏は、その演奏はその時一度限り、

二度と聞けないものとなります。

 

一期一会です。

 

茶道の言葉ではありますが、生演奏も全く同じです。

 

そんな中で、音を外す、間違う、ことに

大きな問題があるのでしょうか?

生演奏の醍醐味は、奏者と聴き手が一体になって、

その場、その一瞬の音を楽しむ場です。

誰がなんと言おうと、実際その場に居た人ではないと、

その雰囲気、感覚は味わえないのです。

であれば、ホルンがここで一発外した、ミスった、

という事を話題にあげて、下手だった・・・ということに、

どれほどの意味があるでしょう。

そんな些細なことより、音楽を全身で受け止め、

それを聴いた、ということが一番ではないでしょうか?

演奏者は、音楽を聴いていただいてナンボです。

ミスをしようと思って演奏している人は

プロアマ問わず、誰一人としていません。

たまたま結果そうなっただけです。

ですので、聴き手も、ミスを探すための演奏会でなく、

生の演奏を楽しんでいただきたいなぁ・・・と思います。

これが基本になると、上手い下手は、音を外すことではなく、

どれだけ聴き手が耳を傾けることができるかどうかが、

その判断になるかではないでしょうか?

ただ・・・聴くことに特化すれば・・・

おそらく「上手い」とか「下手」とか

そういう感想は徐々に減っていくのではないでしょうか?

 

最近歳を取ってくるにつれ、

こんなことも書けるようになりました。

若い時は、そうは思っていても、

ま・・・自分がそう思ってるだけだから・・・

と、このようにブログで書くなど

思いもしませんでしたけど(^^;

歳を取るというのは、悪いことばかりではないですね(^^;

私は、論争等あまり得意ではありません。

今回述べた意見は、あくまで私個人の小さな感想であります。

反論等多々あると思いますが、ご容赦ください。

 

以上の私の偏見(^^;ある意見をご覧いただき、

「あ、ホルンって、音外してもいいんだ!」

(もちろん外さないほうが良いに決まっているのですが)

と思っていただけば幸いです!(^^;

とにかく、ホルンは楽しい楽器なんです。

楽しく演奏していただければいいですね!!!

ご存じない方も多いでしょう。

国内では生産中止になってからずいぶん経ちます。

昔は中学校の吹奏楽部に何本か残っていたものですが、

今では、おそらくもうほとんど存在していない楽器です。

名前はメロホン。詳しいことは書くと非常に長く

なりますので割愛いたしますが、

日本ではホルンの代用品として、

1960年代~1980年代くらいに活躍した楽器です。

 

ホルンの代わりと言ってもホルンとはかなり違います。

まず右手でピストンを操作し左手でベルを構えますが、

ホルンのようにベルに手を入れる必要はありません。

というより、手を入れてはいけません。

普通のホルンと一緒に演奏すると

お互いのベルがぶつかります。

 

中学入学時、初めて手に触れた楽器がこのメロホンです。

ニッカンのボロボロの楽器でした。

2年生の時はラッカーがかかってはいるものの

古いボコボコのヤマハを使わせていただき、

3年生になった時、

音楽の先生に「フレンチホルンを買ってください!」

と直訴したものの、お金がないので買えない、

と却下され、代わりと言ってはなんだが、

新しいメロホンを買ってやる!と言われ、3年生の時は

新品のヤマハメロホンを使わせていただきました。

大事に使うあまり、楽器をクロスで握り、

そのクロスが滑って楽器を落とし、

ベルを凹ましたことは鮮明に覚えています。

職員室へ行き(当時の中学生には怖い部屋でした)

音楽の先生に謝りに行った場面までよく覚えています。

こうして私の中学3年間はメロホンとともにありました。

せめてマウスピースだけでもフレンチホルン用を

吹きたいと願い、なけなしのお小遣いから、

ヤマハのマウスピース(当時3000円くらい?)を

注文して入手したものの、メロホンのシャンクに

合わず、ショックを受けたことも懐かしい思い出です。

 

そんなメロホン、まさに私が使っていたのと同じ型番の

ヤマハYMP-201が、ヤフオクに出たのです。

しかも、ほぼ新品に近く、

マウスピースも当時のケースも記憶のままです。

落札後、取引先がわりと近所だったもので、

直接取りに伺ったところ、

出品者さまはリサイクルショップさんだったため、

楽器の扱いが分からずピストンが逆に差さっていたため、

音が出ずにジャンク扱いで申し訳なさそうでしたが、

直して音を出してあげると、ビックリなさっていました。

「音が出てよかったー!」と。

いえいえ、こんな良い状態で残っていたのは奇跡的で

感謝していただいて来ました。

 

これで中学3年の時は、吹奏楽コンクールで、

チャイコ4番の4楽章を演奏し、中国大会

(当時島根県からは2校しか出られなかった)

まで出たのですから、思い出は、いっぱいです。

 

しかし・・・今吹いてみると・・・・・・

ありゃ・・・こりゃ・・・・・・

やはりホルンとは全くベツモノだなぁ・・・

と、つくづく感じます(^^;

 

でも・・・嬉しいなぁ!!!

 

ホルンのことばかりでなく、たまには趣味のゴルフの件!

事の発端はゴルフネットワークのドキュメンタリー番組で

偶々観ていた「ザ・ロイヤルワールドプロジェクト」。

茨城の鉾田市、鹿島灘の海沿い近くにリニューアルオープンした

日本最長の距離(8143Y)を誇る世界基準のゴルフコースです。

旧ロイヤルオーシャン、現在は「ザ・ロイヤルゴルフクラブ」です。

我々アマチュアが白ティーのレギュラーティーでまわる平均が、

だいたい6000Y~6200Y。青ティーのバックティーが、6300Y~

6500Y。この6500Yという距離でもなかなかハードです(^^;。

プロのツアーになりますと、アメリカなどでは7000Y越えは

普通で、おそらく7200Y~7500Y平均かと思います。

日本で7000Yを越える(通常一番後ろのティーグランド、一般的

にはフルバックティーとかチャンピオンティーとか呼ばれています)

コースはチャンピオンコースと呼ばれ、難しいコースと言われて

いるようです。そこで8000Y越え・・・これはもうモンスターです。

こんなコースまわってみたい・・・とは思ってもなかなか行ける

コースではありませんが、先輩(音楽でもゴルフでも(^^;)が、

このコースの系列コースのメンバーさんで、その紹介もあり、

「ザ・ロイヤル」をラウンドすることになりました!

本来、8143Yのティーからまわれるような腕前では

ありませんが、今回はハナシのネタ!ということで、特別に

一番後ろのティーからラウンドすることになりました。

過去、おそらく一番長い距離を経験したのは、7000Yを少し

越えた位のコースで、それより1000Yも長いコースはもちろん

未体験ゾーンです。コースは素晴らしい練習場から始まり、

コースも素晴らしいコンディション!天気も良く言い訳の

できる状態ではありません(^^;。しかし始まったとたん、少々

後悔の念が・・・・・なにせティーショットがゴルフ場まで届かない

のです。(冗談を込めてティーグランドからフェアウェイまで

届かないことを「ゴルフ場まで届かない」と揶揄します)

一番後ろのティーは6番目で、その間5つのティーグランドを

越えてからラフ部分があり、そしてやっとフェアウェイです。

まぁ・・・・・諦めもここまでくると、楽しいです(^^;。

Par3は全て200Y越え・・・どころか、4つのPar3が

270Y平均ですので、Par3でほぼレイアップ(刻むこと)です。

Par3でほぼドライバーを持つって・・・

そんなこんなで四苦八苦しましたが、なにせコースが素晴らしい

ので、楽しかったです!

ご一緒させていただいたお一人がこのゴルフ場のスタッフの

方で、いろいろ教えていただきました。

また、このゴルフ場のひとつの目玉である、4スタンス理論を

提唱されている広戸氏がこのゴルフ場のスタッフで、

今回ご一緒した方もこの広戸氏と一緒にこの理論を

推奨しているそうです。

その方から、私のゴルフやグラスの持ち方などから、

タイプを指摘され、なるほど!と思ったものです。

これもまさに未体験ゾーン。

なんと、ホルンを構える向きや構え方に関しても

実に見事にマッチしているのには笑えました。

この4スタンス理論、ゴルフなどのスポーツ関連だけでなく、

楽器の演奏などにも密接なつながりありそうです。

関連の書物もたくさん出ているようですので、

ゴルフだけでなく、ホルンの状態にも役立つかも!!!

しかし、人間何事も体験!とよく言いますけど、

本当に昨日の体験は自分に取って貴重な

未体験ゾーンでした。

ホルン(に限らず楽器全般に言えることかもしれませんが)を

吹いて、この楽器は「こういう感じ」とか「こういう吹奏感」とか

言うことがあります。作られたメーカーや個体差により、

その楽器の持つ性格や特性を言い表しているのだと思います。

 

同じ時期、同じように作られたホルンでも、実際吹いてみると、

ある程度の違いが出てくるのは当然かと思います。

また、吹き手により、吹き方により、もちろん使うマウスピース

などにより、その楽器の吹奏感は変わります。

 

つまりホルンの性格(^^;を知るには、とりあえず吹いてみない

ことには始まらないということですね。

ところが、試奏程度で、数分から数時間吹いた場合の感想と、

半年から1年かけて、しっかり吹き込んだ場合は

(もちろん、ひとつの楽器をひとりの方が、という意味です)

感想が変わるということなんです。

 

なにを当然のことを!とおっしゃるかも知れません。

ただ、この当然と思われていることが、

一般的に世の中で「通例」としてまかり通っている

場合が多々あります。

 

ホルンの場合、一番多いのが、

「フルダブル」と「セミダブル」の違いについてです。

 

楽器店や楽器メーカーの紹介文でも、

またオークションなどで書かれる説明文などでも、

「セミダブル」というと「フルダブル」より劣った楽器という

イメージで説明されることが非常に多いです。

 

特に「F管についての鳴り方が悪い」と

「重量による重さが足りなく鳴りが軽い」と

思われていることが多いのです。

 

確かに、見た目、フルダブルに比べて

「部品が足りない」(^^;と感じられます。

フルダブルしかご存じない方がセミダブルを見ると、

「ものたりない?なにか少ない?」(^^;と

感じられるのです。

 

私自身がそうでした!!!

初めて師匠のご自宅でセミダブルに出会った時は

・・・・・・・・

手を触れもしませんでしたし、もちろん吹きもせず、

フルダブルを選択したのです!(^^;

今でもその時のことは鮮明に覚えています。

フルダブルしか見たことのなかった高校生には、

セミダブルは非常に奇異な楽器として

目に映ったものです。

「なにか、足りない・・・頼りない」

 

ですので、セミダブルを初めて見た人の気持ちは

非常によく分かります!(^^;

 

ただ、セミダブルはフルダブルとなんら変わりはありません。

出る音域も全く同じですし、不利な点はないのです。

ただ、確かにF管に関しては、息が通る管の曲り回数が

増えるため、イメージ的に鳴りにくいのではないか?

と思われる点はなくはありません。

楽器重量が軽いので響きも軽い?これは全くの間違い。

重厚な音は楽器の重量が重いから出る訳ではありません。

 

そして、一番の問題は、その楽器の性格を判断するのに、

ほとんど吹きもしないで、こうである!ということが

あまりに多いと思います。

 

人の性格も、数日の付き合いは分かるものではありません。

ホルンも同じです。1、2度吹いて、それで、このホルンは

こうである!と言われてしまってはかわいそう(^^;です。

 

まずは、世の中でよく言われているセミダブルの通説は

忘れて、吹いてみてください。少なくとも、半年以上は(^^;。

 

それで、結果自分には合わない、と思われれば、

それはそれで全くいいのです(^^;。

 

ホルンの性格を知るには、まずは長くお付き合いし

とにかく、吹いてみる!

きっとその性格が見えてくると思います。

 

あ、これはセミダブルに限りませんよ。

いろいろなホルンにチャレンジすることは

楽しいことです。是非いろいろな方(ホルン)と

お付き合い(^^;し、良き伴侶(^^;を見つけてみてください。

そうです!性格を知るにはまずは、長く、じっくり

お付き合いすることから!

感想はその後です(^^;

(前からの続きです)

 

1959年のツアーのプログラムは簡単に見つかったのですが・・・

これがなんとロシア語でして・・・・・・

当社のロシア語堪能の方に、みていただいたところ、

Va奏者のTさん、ご協力ありがとうございました!)

ショスタコービッチの5番と「春の祭典」はあるけど、

7番「レニングラード」は見当たりません、とのことでした。

このプログラム、数ページありまして、モスクワとレニングラードで

行われた演奏会は全て網羅されていましたが、

7番は見つかりませんでした。また他の角度から検証(^^;したところ、

春の祭典であれば、7&8番ホルンは、ワグナーチューバの持ち替えが

あるはずなのに、それが見当たらない・・・しかし当社のホルン奏者の

意見によると、この当時はワグナーチューバの専用スタンドなどは

なかったと思われるので、床に置いているのでは?

または、ツアー中なので、使わなかったのでは?

(春の祭典のオリジナルであれば、ワグナーチューバがなくとも

 チューバと全く同じ音域で、同じことをやっているので、

 ワグナーチューバがなくとも問題はない・・・)

更に、当社のクラリネット奏者の方のご意見ですと、

このクラの編成であれば、(Esクラとバスクラ2本)

7番レニングラードではなく、春の祭典である!と・・・・・

Hr奏者のYさん、Cl奏者のAさん、ご協力ありがとうございました!)

そんな訳で、この写真のリハーサル風景は「春の祭典」であろう、

という結論(^^;に達しました。

ただ、問題はホルンセクションです(^^;。曲はなんであれ、

ホルン吹き達は、なんの楽器を使用してるのか?

さすがにニューヨークフィルの公式サイトであっても

使用楽器までは載っていませんよね(^^;

the horn」の解説によりますと、モスクワでの公演では、

ロシア人プレーヤーが5番、6番ホルンで参加していると

説明があります。このお二人は、おそらくクルスペを使用しています。

5番の方は、5vのセミダブル、6番の方はホーナーモデルかと

思います。で、アメリカ人プレーヤー(つまりニューヨークフィルの

ホルンセクションということですね)は、

1アシ不明(おそらくLouis Ricci氏だと思われますので、この当時、

氏はコーン8Dだったのではないか、と思われます。

また、説明文では氏が、ロシア人という説明になっていますが、

これは間違いだと思われます。)、

1番レイノルズ、(楽器をおろしているこの方はおそらく、

ジェームス・チェンバース氏だと思われますので、コーンでは

ないかと思われますが、この当時はレイノルズを使っていたの

かも知れません。氏がレイノルズを使用していたことはあるそうです)

2番コーン、3番コーン、4番クルスペ、

7番ヴンダーリッヒ、8番シュミット(隠れて楽器が見えない)

という説明文です。

当時のホルンセクションの使用楽器がなんとなく分かって

楽しくなってきました(^^;

さて、ここで、オーケストラのホルンセクション第2弾本編-1-です。(^^;

 

https://stat.ameba.jp/user_images/20170304/21/horntry/e5/89/j/o2757143913882369160.jpg

 

1959年、ニューヨークフィルは、バーンスタインとヨーロッパツアーを

行い、8月にはモスクワにも訪れ、その時のリハーサルの写真が

残っています。最近あるところでこの写真を目にし、説明文の一部に、

1959年ニューヨークフィルのツアーのプログラムのひとつ、

ショスタコービッチの交響曲第7番「レニングラード」とありました。

この写真、R.Gregory著「the horn」にも載っている写真です。

こちらのほうはもう少し範囲が広く、手前に隠れているホルン奏者も

写っています。ところがこの説明にはストラヴィンスキー「春の祭典」

の時の写真とあります。些細なことではありますが、こういうのを

調べるのが楽しくて、ついついニューヨークフィルの公式サイト

まで飛んで、当時のプログラムを調べてみました。

高校時代と記憶していますから1975年~77年辺りの

ことだと思います。バーンスタインのニューヨークフィルに

入れ込んだ時期があります。

レコードでマーラーの交響曲全集(もちろんバラで)を

ちまちまとお小遣いを貯めて全て揃えた記憶があります。

(8番の「千人」はロンドン交響楽団だったかも。)

ちょうどカラヤン・ベルリンフィルが、マーラーの5番を

録音してそれがグラモフォンから発売されたので、

お小遣いをやりくりして、レコードを買って聴きました。

確か虹のような写真?のジャケットだったのを

覚えています。バーンスタイン・ニューヨークとの、

あまりの違いに唖然とした記憶があります。

ことマーラーに関しては、ニューヨークフィルの

ホルンセクションの音のほうが耳に残っていますね(^^;

バーンスタイン・ニューヨークフィルの組み合わせは、

ショスタコービッチの5番も愛聴盤でした。

この曲の4楽章は、当時から吹奏楽版になっていて、

我々の高校も文化祭かなにかで、この曲を演奏しました。

私も当時ニッカンのFシングルだか、

ヤマハの一番古いダブルホルン(661?)で2番パートか

4番パートを演奏しましたが、これが楽しくて、

ショスタコには、はまりましたね。吹奏楽コンクールでは

なかったので、たぶん4楽章は全部やったと思います。

吹奏楽コンクールではよくカットされる中間部の静かな

部分で、ホルンセクションがキレイな音で動きますが、

ココもやった記憶があります。緊張したのを思い出します。

これを、将来、まさかオーケストラでやることになろうとは

当時は考えもしませんでした。

なにせ1、2、3楽章は、ほとんど聴きませんでしたから(^^;

我が家のレコードは、4楽章の部分だけ減っていることでしょう。

 

(本編へ続く(^^;)

今日は師匠の誕生日でした。

私の父親も昭和6年6月生まれでしたので、

師匠とは10日しか変わらず、

ですので忘れることがありません。


師匠の思い出に浸っています。


今日ふと思い出したのは、高校生の時

師匠に師事し、しばらく後頃のお話しです。


師匠のシングルタンギングの速さは異様で、

メトロノームの158の速さに4ツを入れる

ことが可能でした。

私はこの当時108に4ツ入れることも

できないほど、超遅い舌突きでした。


師匠は


「おい!トモヒロ!いくらなんでも

 それは遅すぎる。せめて128程度で

 できるようにならないと、

 使い物にならんぞ!

 タンギングの速さは、


 練習すれば必ず速くなる!!!

 ^^^^^^^^^^^

 これから毎日メトロノームと

 にらめっこで、練習しなさい」


と言われました。


若い時だったからかもしれませんが、

本当に、にらめっこで練習したら、

確かに速くなりました。

今でも、シングルは遅いほうでは

ないと思いますが、

これもすべて師匠のお蔭です。


その時、なぜそんなに遅い?と

不思議に思った師匠は、私の

歯並びをみて一言!


「おい!トモヒロ!

 おまえは、オレの弟子の中で

 3本の指に入ることが2つある!


 ひとつはタンギングの遅さ!

 もうひとつは、歯並びの悪さ!だ!」


良いことはひとつもないではないか!

私も笑うしかありませんでした。


「ただな、オレも歯並びは悪い。

 前歯の2つがこんなに山型に交差して

 いる人はなかなかいない。

 幼い頃、兄貴にペンチで直して

 貰った記憶があるが、

 そんなもので直るわけないよな!

 でも、そんな歯並びが悪くとも

 ホルンは吹けるし、タンギングも

 早くなる。お前も歯並びは悪いけど、

 そんなのは関係ない。努力しなさい!」


と言われました。

ですので、私の歯並びは悪いままです(^^;。


その時タンギングの話しと同時に

聞かせていただいた話し(それ以降も

何度も聞きましたけど(^^;)で、


「ホルンを吹く時はナ・・・・・

 口の中の舌の根っこの高いところに

 小人が綱を持って立っているんだ。

 その綱はアパチュアのところに

 繋いである。

 そのアパチュアの位置と

 その小人が綱引きしてるんだ。

 これがホルンの極意のひとつだ」


というお話。

最初聞いた時は

なんのこっちゃ?と思っていましたが、

この歳になると、痛いほど

よくわかる例えです。

私のホルンを吹く時の座右の銘のひとつです(^^;

決して自慢ではありませんよ!

あくまで自己満足の世界です(^^;。


昨年のある演奏会で録音した自分の音で、

ほんの・・・そう、ほんのひとフレーズなんですが


「オッ!師匠の音・・・・・のような感じ・・・・の音が?」


聴こえたような・・・気がしています(^◇^;。


もちろん師匠の音を生で知っている方々が

聴いたら、「全く似てないだろう・・・」と

呆れることでしょうけど(^◇^;。


ま・・・自己満足であれ、気のせい?であれ、

自分の出した音が師匠の音に

ほんのわずかでも、ほんの一瞬でも

似た音が出せたことが、

妙にうれしかったりしています。


師匠の音は、なんと言っても、生で聴くと

その充実感と、圧力感と、柔軟感?が

素晴らしかったのです。

まろやかで、柔らかく、暖かい音でした。


ですので、現在のホルン吹きの方が感じる

ホルンのイメージとは、かなり違ったもの、と

感じられると思います。


ゴルフに例えると(^^;

(師匠も大のゴルフ好きでしたので)、

パワーを生かして飛ばすゴルフではなく、

タイミングと腰の回転で静かに飛ばす、

見ていて振ってるように見えなくとも

しっかり飛んでいる・・・

そんなような感じです。


師匠がご自宅を立て直しされた時、

二階に広い防音室を作られました。

その時、師匠がよくおっしゃっていたのは、


「この防音室でナ・・・扉を閉めて、

 一階のリビングで弟子の音を聴くんだ・・・・・

 そしたらな・・・全く聴こえないヤツと、

 あれだけ厚いドアを閉めていても

 それなりに聴こえるヤツがいるんだ。

 これがナ・・・・・ホールで聴いてる人に

 届くかどうかの差になるような気がしてナ・・・

 ベルの近くで大きく鳴る音は「飛ばない」・・・

 楽器全体が鳴って振動しているような

 感じの音なら、ドアを突き破って、

 いわゆる『遠鳴りする』音になるんだ・・・・

 そういう音は近くでは結構うるさくない

 もんなんだよ。

 オマエもそういう音を目指しなさい」


と・・・・・・この話は何度もお話しされましたが、


一度だけ師匠に、私の音は聴こえるのですか?

と、勇気を出してお尋ねしたことがあるのですが、


あの悪戯っぽいお顔で、ニヤニヤお笑になり、


「ともひろ!・・・まだまだじゃのぉ~」(広島弁で)


と、はぐらかされてしまいまして、

結局最後までご回答いただけませんでした(^◇^;。


師匠の音は、近くで聴くとそんな大きな音では

ないのに、遠くで聴くと頭の上を飛び越えて

「飛んで」来ます。

それが、フォルテであれ、ピアノであれ、

聴こえるんです。

いつも不思議な感覚でした。


一番大切なのは、聴いているお客様が

どのように聴こえるのか!ですね。

それには、まず「お客様に届く音」を

出さねばなりません。


師匠はそんなことを、ご自分の音で

弟子たちに伝えて行かれたと思っています。


私もマネしたいのですが・・・・・・・・・・

なにせ・・・・・・まだ師匠から回答を

いただいていない身ですので(^◇^;、

偉そうなことは言えないですね!

ですので、あくまで私が伝えるのは

師匠の受け売りで、

言葉でだけ・・・・ですね(^◇^;