ホルンの寿命? | たのしいホルン

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楽器のおたく話(Kruspe)や日常のことを綴っているブログです。
もっと楽しくホルンが吹きたい!プロオケってどんな世界なのだろう?
初心者だけどホルンが吹いてみたい!・・・このブログを通してそういったこともお伝え出来ればと思っています。

ホルンの寿命はどの位でしょうか?




弦楽器や木管楽器と違って

ホルンは金属でできているので、

楽器の寿命は長いだろう、と思われがちですが・・・


実は木で作られている弦楽器や木管楽器のほうが

ずっと長生きです(^^;




ホルンには音程を切り替える場所に、

ロータリーヴァルブと言う部品を使っています。


これも金属でできていますが、
これが演奏するときは、常に擦れている状態です。
金属が擦れると、当然摩耗して減ってきます。
減ってくると隙間ができて、そこから息漏れが
始まるわけで、こうなるとその楽器は寿命となります。

プロユースの場合だと約10~15年で、
ロータリーの摩耗は始まり息漏れしてきます。
ということは「何も手を加えなければ」
ロータリーヴァルブの寿命は
15年程度と言うことになります。


ただし、もちろん、楽器を吹く時間が短ければ、

短いほど、もっともっと寿命は伸びます。




次にガタがくるのが、管の摩耗です。


ロータリーから伸びる管は、

音程調節や水抜きのために

本体から抜けるよう設計されています。



これを何度も抜き差しするわけですので、

この部分も当然擦れて金属が減ってきます。


こうなると管が緩み、抜けやすくなり、

息漏れ、水漏れなどをおこします。

これもロータリー同様「何も手を加えなければ」

寿命となります。これも使い方によりますが、

20年程度だと思います。

(抜き差しの頻度が少なければ少ないほど長生きします)




あとは、所謂「金属疲労」なるものです。


これは、なかなか一概には言えないもので、

化学的には証明されていますが、

実際使っているほうとしては、そんなに気になりません。




むしろ、金属疲労というより、
手で持つ部分や、ベルを支える手の部分に、
人間と金属の摩擦、そして汗や水気のせいで、
金属が減ってしまい、金属に穴が開いてしまうほうが
寿命となってしまう原因です。



これも使い方によりますが、

やはり20年も使っていますと、

手に当たっている部分の金属は確実に減ります。


特にマウスパイプやベルは、そのホルンの

生命線ともなっているのに、手で触って

減ってしまう部分でもあります。


さらにマウスパイプは一番水分の多い地帯(^^;

ですので、腐りやすくもなっています。


こうしてみると


「何も手を加えなければ」


ホルンの寿命は20年程度と言うことになります。


(あくまで毎日使ったと仮定して。

 ですので、1週間に1回だの使用なら

 100年以上持つ計算になります・・・

 ・・・か?・・・(O)☆\(^^;)




もちろん、楽器を凹ましたり、

金属が折れ曲がるほど歪ましたりしますと、

そこで寿命は短くなります。


特にマウスパイプの部分や、

ベルフレアー~ベルの淵部分を

著しく傷つけますと、致命傷になります。

修復不可能の場合もなくはないそうです。




何度か書きましたが、以上の条件は


「何も手を加えなければ」と言うことです。




これに、こまめなお掃除、メンテナンスを行い、
大切に扱えば、もっともっと寿命は延びます。