6月1日のメッセージ | 宇都宮 彫耀

宇都宮 彫耀

日々の出来事や想いをブログに綴ります。

6月4日(火)
くみがずっと、お姉ちゃんと慕っていた九州の姉さんと連絡が取れた。
それは奇跡的に。
何が奇跡的かと言うと、昨年の11月から何度も何度も連絡を試しみていたけど、携帯番号もアドレスも変わってしまったようで全く繋がらなかったんだ。
絶対に伝えなくてはいけない人だったし、姉さんがどれだけくみを心配しているかを想像すると胸が締め付けられる思いだった。

姉さんとくみが知り合ったのは、SNS初期のグリーやモバゲーの全盛期、かれこれ15年以上のお付き合いだが、距離が離れている為に直接会えてはいなかった。
それでもTV電話を通じて話したり、贈り物を送り合ったりしてきた仲だった。
くみの携帯なら間違いなく連絡が取れるのに、どうしてもパターンロックが解除出来なかった。
俺から連絡をするのはもう無理だと諦めていた。

6月1日の月命日に不思議な事があった。
仕事部屋でデスクワーク中、引出しにしまってあるくみの携帯が何故かふと気になった。
それは不思議な感覚だった。
電源は半年間入れていない。
ピンクのカバーがついた携帯を開いて電源を入れてみた。
電池残量がなかったから充電をしてみる。
しばらく待ってから、ロック画面でパターンロックを指で適当になぞってみた。
やはり無理で3回目で諦めたけど、そのまま充電は続けていた。
1時間後にもう一度試してみた。
去年、それこそ100回以上試してしてダメだったのに、完全に諦めていたのに…
なぜか気になってしまい仕方がなかったんだ。
無駄だとわかったいたはずなのに、また指を画面に添わせる。
やはり違う…
でもなぜか、そのパターンに近いような気がした。
続けて迷いなく画面をなぞると、画面が突然変わってロックが解除された。
これには驚いたし、ちょっと信じられなかったけど急いでパターンを忘れないようにメモをした。
それから設定画面に移って、パターンロックからパスワードに変更しておいた。
万が一の為に。

ずっと気になっていた、クレカやネット決済の状況と詳細の確認ができた。
くみの銀行口座は今もまだ使っていて、生活面で毎月引き落とされるカードの内訳を知ることできて助かった。
俺と直接連絡が取れてなかった人達へ、くみのLINEから直接連絡する事が出来るようになった。
気掛かりだった気持ちが少し楽になった。

LINEのトークでは一番上に俺の名前がある。
あの日からもずっと、既読のつかないLINEをくみに送り続けていた。
開いてみると、不思議な事に俺からのメッセージが何も届いていない。
最期の日付は10月31日、くみの花壇の写真送って病院へ向かった時のメッセージで止まっている。
……おかしい。
自分の携帯のLINEを確認すると、今まで既読がつかなかったメッセージ全てが既読になっていた。
俺が今開いたから既読になった、でもくみのLINEには何も届いていない…
LINEもGメールも尋常ではない受信数で、携帯の容量を遥かに超えている。
受信し過ぎてLINEストレージのキャシュもパンクしているのかも。
とりあえず全て既読にしてから、公式のアカウントをブロック・削除したりして容量を減らす作業を数日かけて調整した。
それでも俺の送ったメッセージは戻って来なかった。
たぶん他の人達も同じ状況かもしれない…そう思ってMちゃんに連絡、確認してもらったけどやはり俺と同じだったんだ。
10月31日以降のメッセージが一切くみのLINEに届いていない。
正確には、届いてるけど表示されていない。
6月1日以降に送った俺のスタンプはちゃんと表示されている。
11月1日から6月1日まで、一体何が起きていたのだろう?
単純に携帯がパンクしていただけの理由なのか。
弟分に話してみて、くみのLINE設定とかを直接見てもらった。
これは解らない、本当に不思議だねって。
そしてこうも言った。
「ねえ?くみさんが全部持って行っちゃったんじゃない?」って。
そっか…
そうかもしれい。
心配してたり悲しんでいたり、辛い思いを抱えるメッセージ達を、きっとくみは消したくて天国へ持って行ってしまったのかもね。

月命日にロックが外れた。
色々と問題がクリアできた。
偶然とは思えない。
おとーさん後は頼むねって、くみからのメッセージなのかも知れないと思ったんだ。

九州の姉さんにLINEで連絡をした。
涙で文字を滲ませながら返信をしてくれた。
最後にお悔やみと感謝の言葉が綴られていた。
姉さんは、去年大阪でくみと会えなかった事を悔やんでいる。
翌日の夜もずっと泣き続けていた様子で、現実逃避したいとメッセージが届いていた。
心配だったし番号を教えてもらって電話をかけた。
これまでの事
昔の事
奇跡のような不思議な事
色んな話をした。

俺は九州の姉さんをマリア姉さんと呼んでいる。
最初から、もうずっと前からだ。
クォーターで美人さん、くみの上を行く程の個性的な姉さんだ。
話せば話す程、その大きな器量と情の厚さに触れられた気がする。
とても優しい声が応えてくれる。
気が付いたら俺は何時間もずっと話していた。
くみの姉ちゃんの時もそうだった。
自分の気持ちを本当に解ってくれる人に、俺は心から素直になれて話しができたんだ。

ずっとくみを支えてくれて
ありがとう。
その言葉に救われた。

一部の人からは許さない、恨むからとも言われてきた。
くみの身内やそれに近い存在の人に対して、今でも助けてあげれなかった事が悔しくて、申し訳ない気持ちがいっぱいで胸が苦しくなる。
友達からの、トシ君だから良かったんだよ、くみちゃんも感謝してるよって言葉が心に沁みる。
でも本人の気持ちを確かめる事が出来ないから、本当にそうなのかなって自分を疑う時もある。
くよくよして情けない俺がたまに顔を出す。
わかってる、それじゃダメなんだって事もね。
だから前を向いてる。
無理にでも前を向いて歩いてる。

6月1日の出来事。
それはきっと、ずっと空から見守ってくれているくみからのメッセージだったのだと思う。
気掛かりだった事が1つ1つクリアになってくる。
どう?気付いてくれた?
うん、助かったよ。
あとは頼んだからね?
うん、わかったよ。

ありがとうね。

そんなメッセージを
俺は受け取れたんだと信じてる。
くみが繋げてくれたこの縁を、これからも守っていくからね。