ドクターと話して分かったことは、母は、何度か血液検査をしてもなんの異常もないということだった。



胆嚢を調べても何もなく、特に問題はなかった。




昨日のお見舞いの時、母はICUで車椅子に乗って気難しい顔をしていた。



「お母さん,具合はどう?」



「具合悪い。

早く帰りたい。

なんで帰れないの?」



「具合悪いから帰れないんじゃないの?」



「あっ 具合は悪くないから帰りたい」



「お母さん,なんでもないから月曜か火曜には帰れるよ」



「あー 良かった。

早く帰りたい」



「昨日は誰か来てくれた?」



「うん。

ケントがきてくれて,ずっといてくれた」



「覚えていたんだね」



「うん。覚えている。

ケントはすごく優しくしてくれたの」



「ケントはバーバのこと,大好きだからね。

わたしにも優しくしてくれたら良いのに‥」



「ケントは,お袋はしっかりしているから良いんだって言ってた」‥




けわしい表情だった母は、どんどん笑顔になって行った。




そして、わたしたちが帰るとき,母は、ICUを出て、一般病棟に移った。





わたしの富士山ツアーの後半も母の展開にちょっと被ることがあった。



土砂降りから,一転、夕日が沈む前は太陽が降り注ぎ、

期待が高まったところで,再び,雲が富士山にかかり、

どんどん富士山は見えなくなった。



その雲があまりにも大きくて,富士山はほとんど見えなくなったので、あきらめかけていると、また,雲が動いて,結局、富士山は美しい姿を現した。



太陽はすでに沈んで,美しいサンセットを観ることはできなかったが、あの大きな雲は短時間になくなったわけで、奇跡を目の当たりにした感じだった。




それを天は見せてくれたんだなぁと思った。





そんなわけで(どんなわけだ?)




わたしは引っ越しをする決心をした。



































次回、ケントとの無料zoomお話会は6月28日金曜日,20時半からです。

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