母が玄関の鍵を閉めているときに,庭のボケの花の赤が目に入ったので写真を撮った。
「ボケがきれいねぇ」と言いながら,いつもと同じようにサラッと家を出た。
母は、振り返ることもなかった。
「これから〇〇クリニックに健康診断書を取りに行きます。
それから町田のマンマパスタでランチします。
その後,横浜銀行に寄って,施設に向かいます」
毎回,必ずこれからの予定を伝える。
忘れちゃうけど,伝える。
マンマパスタではパスタやピザをシェアして二人でおいしく頂いた。
施設には、予定の時間ぴったりに着いて,待ち合わせた弟たちと荷物の搬入。
わたしはそのまま契約。
弟が母の部屋に残って話をしてくれていた。
実は,またおもしろいことがあって、
りんちゃん(猫ロボット)が,電池を入れて間もないのに家でほとんどなかなくなっていた。
それなのに,母が施設に行く日になったら,やたらにゃーにゃーなくようになった。
車に乗せても,尻尾を振り、にゃーにゃー言ってる。
ハチ(犬のぬいぐるみ)を、紙袋に入れてりんちゃんも入れようとしたら,なんか抵抗している感じがあったので,「袋に入るの嫌なの?」と聞いたら,「にゃー」と答えたので袋には入れなかった。
そして,施設の母の部屋でもにゃーにゃーよくないていた。
なんだか,母が寂しがっているので、「わたしが一緒にいるから大丈夫」と言ってくれているようだった。
不安そうな母に、弟が「母さん,ホテルで楽しく暮らしてると思っていたら良いよ」と言ったら「そうねぇ」と言っていた。
確かに,ご飯が出てきて,お風呂にも入れてもらえて、
楽しいレクレーションがあって、ワゴン販売まである。
楽しいホテル暮らしだ。
今まで、毎月熱海や湯河原の温泉に行っていたけど、これからは、町田でホテル暮らし。
そんな感じ。
母と町田に向かう車の中で、今までたくさん温泉♨️に行ったことや,毎週,色んなところでご飯を食べたことを懐かしく振り返った。
母は、「ほんとにたくさん行ったねぇ。楽しかったねぇ」と言っていた。
楽しかった記憶としてちゃんと残っているんだなぁと思って嬉しかった。
あれほど病弱で小学校のころ遠足にも行けないほどだった母だけど、父と日本中旅行をして、今もたくさんの楽しいことがあって,神さまは晩年に母の幸せをたくさん用意してくださっていた。
その幸せがいつまでも続きますよ〜に╰(*´︶`*)╯♡