5年前の冬至に書いた記事。
1年の最後の講演が終わってから、わたしは声が出なくなった。
そのときに次男が言ったこと。
‥‥‥‥
「年末は色々なことを清算する時期です。
お母様は1年間、本当によく喉と声を使って頑張られました。
ですから、少し休ませてほしいと身体が言っているのですよ。ゆっくりお休みください」
身体は元気なのに、声は一向に出ない。
周りは静かで良いと思うのだけど、電話できないし、予定はみんなキャセルした。
次男が言うように、清算と言うか、年内にけりをつけなきゃって思っていることがいくつかある。
そして、
私は気がかりなことにけりをつけることができた。
1年も断絶していた関係を自分から連絡を取って修復した。
心に温かなものを感じた。
連絡して良かったと心から思った。
でも、もっと難しい関係もある。
父のことだ。
父には8ヶ月も会っていない。
それなのに、私は大きな重荷を下すことができた。
これを書きながらも泣きそうになる。
父に会ってもいないし、電話もしていない。
では、どうやって‥‥
私は意識で人と話す。
講演の中でも「意識は伝わります」と言っている。
心からそう思っている。
分かりやすく言うと、心の中で相手に話しかける。
自分の思いを伝える。
それに対して、相手はほとんどの場合答えてくれる。
悲しかったこと、悔しかったこと、嬉しかったこと、楽しかったこと‥‥
父にゆっくり聴いてもらった。
顕在意識に話す時と違って潜在意識は、ちゃんと話しを最後まで聴いてくれる。
その後、父も自分の思いを話してくれた。
それは、父の本心だとはっきり分かった。
そして、私は納得した。
穏やかな気持ちで、父に会わないでいたことは、良かったのだと分かった。
父と最後に会ったのは4月、お花見をしようと思ったが、あまり桜が咲いていなかった。
父の家にあった造花の桜を飾って、両親と次男と私の4人で、楽しく食事をした。
なんだか幸せな時間だった。
次男のおかげだと、しみじみ感謝したのを覚えている。
それが最後だった。
その後、悲しいできごとがあって実家に行かなくなった。
しかし、
私は父に対して、もう怒る気持ちはない。
父と心で話せて良かった。
私は父に最後に伝えた。
「お母さんと元気に長生きしてね。
お父さんと、お母さんの幸せを心から願っている」と‥
年末、
私はたくさんのことを清算している。
‥‥‥
あれから5年が経った。
わたしの願いどおり、両親は長生きしている。
そして、あのときと変わらず、わたしは両親の幸せを願っている。