マヌカハニーを使って傷を治療できますか?
2022年1月24日(月) 記入者: フランツ・ウォーカー
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蜂蜜の科学的、臨床的な焦点は『医療グレード』の蜂蜜の出現に繋がった一方で、創傷ケアにおける蜂蜜の価値に関する幾つかの長引く懐疑論が残っています。
この事を念頭に置いて、研究者は蜂蜜、特にマヌカハニーと傷への効果に関する研究の見直しを行った。
蜂蜜は、古くから傷の治療に使われてきた。
しかし、蜂蜜に対する科学的な関心が再び高まり、医療グレードの蜂蜜が作られ、規制の厳しい製品が市販される様になったのは、近年の事である。
蜂蜜の様々な種類の内、或る特定の種類は、多くの最近の研究の焦点となっている:マヌカハニー
マヌカハニーは、ヨーロッパ蜜蜂(セイヨウ蜜蜂:Apis mellifera)が、マヌカ植物(ギョリュウバイ:Leptospermum scoparium)の、蜜から作る純粋な蜂蜜である。
後者は、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジアの一部にのみ生育する低木である。
マヌカハニーには、特に高い抗菌作用が有るとされています。
更に、更なる研究により、マヌカハニーには、創傷治療に理想的な作用が有る事が判明しています。
マヌカハニーの創傷治療効果
英国プリマスの民間専門医療センターDDRC創傷ケアの、組織生存学教授でディレクターの、リチャード・ホワイト教授は、マヌカハニーの創傷治療への使用に関する様々な研究を調べました。
特に、ピーター・モランの研究に注目し、マヌカハニーを中心とした蜂蜜の創傷に対する作用について、幾つかの異なる作用を明らかにしました。
これらは、抗菌作用、抗炎症作用、剥離作用、滲出液のコントロールであった。
ホワイト教授は、モランの研究と彼が特定した作用に基づき、その後これらの作用について行われた研究を見て、他の研究を見直しました。
ホワイト教授のレビューは『創傷ケア誌』に掲載された。
抗菌活性
全ての蜂蜜に抗菌作用があるのは、腐敗を防ぐ為に蜜蜂が進化的に適応してきた為です。
蜂蜜の殆どの種類では、これは過酸化水素の活性に基づいています。
しかし、マヌカハニーの抗菌作用は、メチルグリオキサール(MGO)の含有量に起因しているのです。
過酸化物活性とは異なり、MGOマヌカの活性はカタラーゼによって阻害される事がない。
更に、in vitroの研究では、マヌカは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の様な、特定の抗生物質耐性菌種に有効である事が示されています。
マヌカハニーはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の細胞分裂を抑制する
(関連記事:科学者達は、マヌカハニーがどの様にスーパーバグと戦っているのかを記録しています)
抗炎症作用
マヌカハニーの抗炎症作用に関する研究により、炎症、浮腫、滲出液のレベルを下げる効果がある事が明らかになっています。
更に、その抗菌作用も炎症を抑える役割を担っています。
マヌカハニーの明白な抗炎症作用に加え、免疫調節作用も確認されています。
デブリードメント
マヌカハニーは、デブリードメント(死滅、損傷、感染した組織を傷口から除去し、治癒を促進する事)を助ける事が知られています。
これは、創傷内のプラスミン活性を刺激し、スラフを創傷床に付着させるフィブリンを変性させる為であるという仮説が立てられています。
この仮説は、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤の既知の効果に基づくものである。
このメカニズムは、適切な、pHレベルの湿潤環境を創傷内に作り出す事で、スラフを除去する自己融解と一致する事が研究により示唆されている。
滲出液のコントロール
又、マヌカハニーには、pHをより酸性に近付ける作用が有りあり、滲出液のコントロールに役立っています。
滲出液とは、局所の炎症に反応して循環系から損傷部位に移動する液体と白血球の事を指します。
傷口を酸性にする事で、血液からより多くの酸素が放出され、破壊的なプロテアーゼの活性に適した傷口環境を作ることができるのだ。
更に、マヌカハニーの高い浸透圧は、創傷床からより多くの液体を引き出し、リンパ液の流出を引き起こす。
ホワイト博士は、マヌカハニーが感染症対策、炎症抑制、治癒促進において、他の種類の蜂蜜の中で優れている事を示すのに十分なデータがあると結論付けています。
しかし、市販されているマヌカハニーの全てが純粋な訳ではなく、中には他の蜂蜜で希釈され、その効果を減じているものも在る事を指摘しています。
これらの研究は、製品の純度を決定する為の分析法を開発する必要性を指摘している。
以上の事から、ホワイト教授は、マヌカハニー、特に純粋なマヌカハニーは、自然な創傷管理における貴重な選択肢であると結論付けた。
ホワイト教授は又、炎症を抑え、剥離に影響を与え、治癒を促進する能力が更に有る事を指摘した。