米テキサス州:グレッグ・アボット知事、同州でワクチン義務化を禁止
2021年10月14日(木) by: Mary Villareal

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テキサス州のグレッグ・アボット知事は、ジョー・バイデン大統領のワクチン義務化に完全に逆らい、州内でワクチンを義務化しようとする団体を禁止しました。

 

アボット知事は、武漢コロナウイルスワクチンは常に任意であるべきで、決して強制してはならないとしています。

 


また、彼のオフィスは、

 

「テキサス州の如何なる団体も、従業員や消費者を含む如何なる個人も、宗教的信念に基づく個人的な良心の理由や、コロナからの事前の回復を含む医学的な理由で、その様なワクチン接種に反対する場合、COVID-19の接種を受ける事を強制する事はできない」

 

と、発表しました。

 


アボット氏は、ワクチンの義務化を禁止する問題を、次回の州議会の臨時会の議題に加えました。

 

共和党の知事は、法案が可決されれば、この命令は取り消されると指摘しています。

 

「COVID-19ワクチンは安全で効果的であり、ウイルスに対する最善の防御策であるが、任意であり続けるべきであり、決して強制されるべきではない」

 

と、述べています。

この発言は、9月にバイデン氏が発表した「従業員100人以上の企業はワクチンの義務化の対象になる」という内容と真っ向から対立するものです。ただし、労働省の労働安全衛生局(OSHA)のルールがいつ実施されるかはまだ明らかになっていません。

また、今年初め、アボット氏は同州でのマスク着用義務を解除し、8月には公立学校や大学などの政府機関で働く人へのワクチン接種義務化に反対する大統領令に署名している。

 

(関連記事:テキサス州、企業が「ワクチン・パスポート」を要求することを禁止)

 


テキサス州の裁判所は現在、フェイスマスクの着用義務解除に関する複数の課題に取り組んでいます。複数の学区がアボット氏のマスク着用義務化に反抗しており、州は当該学区に対して訴訟を起こしています。

アボット氏は、8月に予防接種を受けたにも関らす、コロナウイルスに陽性反応を示しました。

共和党の予備選挙では、元州上院議員のドン・ハフィネス氏と元フロリダ州下院議員のアレン・ウェスト氏という2人のライバル候補から圧力を受けている中で、今回のワクチン接種命令が出されました。

 

両者とも、ワクチン接種の義務化には強く反対しています。

ハフィネス氏は、アボット氏に対するジャブの中で、「アボット氏は、風向きがどちらに向いているかを知っています。共和党の保守的な有権者がワクチン義務化に飽きている事も、自分が失敗したリーダーである事に飽きていることも知っています」

 

 

テキサスの大企業に注目

 

今回のワクチン問題では、テキサス州に拠点を置く多くの大企業が注目を集めています。

 

連邦政府の指導とテキサス州の行政命令の間で板挟みになっているため、テキサス州の有名企業の代表者の多くは、従業員や顧客の安全を考慮すると、連邦法がアボット氏の規則に優先すると考えていると述べています。

 


テキサス州ラウンドロックに本社を置くデル社では、従業員がオフィスで働く為には、予防接種を受けるか、毎週検査を受ける必要がありました。

 

 

この方針に異議を唱える従業員や契約社員には、会社での役割に応じて、遠隔地で働くという選択肢が与えられます。

フォートワースに本社を置くアメリカン航空は、10万人のスタッフに対し、11月24日迄に完全なワクチン接種の証明を提出できない場合は解雇すると伝えています。

 

 

ダラスに本社を置くサウスウエスト航空も同様で、"連邦政府の措置は州の命令や法律に優先する "としています。

 



また、同州で大きなビジネスを展開しているFacebookやGoogleも、オフィスに戻るにはワクチン接種の証明が必要であると従業員に伝えています。

テキサス州では、COVID-19の新規感染者数や入院者数は減少していますが、デルタ変異体による最近のアウトブレイクによる死亡者数の増加により、同州のCOVID-19の死亡者数は約67,000人に達しています。

 


ワクチン接種の義務化については、パンデミックに対処するために必要であるという意見と、そのような義務化は違憲であるという意見があり、米国では両極端の問題となっています。