台湾総統:中国が勝利すれば「破滅的な結果」と警告
2021年10月12日(火) by: ラモン・トミー

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台湾の蔡英文総統は、台湾が中国との戦争に敗れた場合、アジア地域に「壊滅的な結果」をもたらすと警告しました。

 

蔡英文総統は、中国との戦争に負けた場合、アジア地域に「壊滅的な結果」をもたらすと警告し、この悲惨なシナリオが決して起こらないよう、他の国々に台湾との協力を呼びかけました。

 

 

また、蔡英文は台湾が北京の侵攻に対抗して民主主義を守ることを約束すると繰り返しています。

 

蔡英文は、フォーリン・アフェアーズ誌に寄稿した記事の中で「努力と勇気によって、2,350万人の台湾人は国際社会で自分達の居場所を作ることに成功した」と書いています。

 

 

しかし、台湾の諦めない姿勢、民主主義の根強い支持、責任あるステークホルダーとしての行動へのコミットメントは、「今、世界の他の国々が、新たなイデオロギーの衝突の最前線にある自由民主主義国家としての価値を再評価する切欠となっている」と指摘しています。

「各国が中国の脅威を認識するに連れ、台湾と協力する事の価値を理解する必要があります。もし、台湾が陥落すれば、地域の平和と民主主義の同盟システムに壊滅的な影響を与えるだろう。それは、今日の世界的な価値観の争いにおいて、権威主義が民主主義よりも優位にあることを示すものです」と台湾のリーダーは書いています。

蔡英文は、台湾が世界の民主主義を強化する上で重要な役割を果たしている理由として「自由民主主義秩序と権威主義的な代替案の間の最前線」に位置していることを挙げている。「台湾の人々は、民主主義が譲れないものである事を全世界に向けて明らかにしています」と付け加えています。

蔡英文の発言は北京の空中侵攻を受けてのものです。

 

台湾総統がフォーリン・アフェアーズ誌に寄稿したのは、北京の軍用機が島の領土に侵入している中でのことだ。

中国人民解放軍(PLA)空軍は、10月に入ってからの4日間だけで、150機近くの航空機を同国の防空識別圏に送り込んでいる。本土の著名人やメディアは、この侵攻を「力の誇示」と称賛している。

国営新聞「環球時報」は、この作戦を確認する記事を掲載している。10月4日付のLiu Xuanzunの記事によると、北京は戦闘機と爆撃機を中心に56機の軍用機を投入したという。

 

 

中国外交部の華春瑩報道官は、台湾は今も昔も中国の一部であると述べている。「中国は、いかなる台湾独立の試みも粉砕する為に必要なあらゆる手段を講じる。彼らは失敗する運命にある」と付け加えた。

 

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世界各国の政府は、北京の飛行機の配備を威嚇と侵略の行為として非難している。台湾の蘇生昌首相は、この「上から目線」の活動が地域の平和を侵害しているとし、国に警戒を呼びかけた。

蔡英文は作品の中で繰り返し述べている。

 

「PLAがほぼ毎日侵入してくる中で、両岸関係に関する我々の立場は不変です。台湾は圧力に屈しないが、国際社会の支持を得ても冒険主義に走る事はない。言い換えれば、地域の安全保障の維持は、台湾の政府全体の政策の重要な部分であり続けると云う事です」

平和的解決の窓は依然として開かれている

 

北京は長い間、台湾を中国の省と考えており、必要であれば武力で取り返すことを約束しています。蔡英文は、中国大陸が「台湾に対する野心を捨てたことはない」と指摘します。

 

しかし「平和的解決へのコミットメントを、増々攻撃的な姿勢に置き換えている」と指摘しています。

しかし、他のアジア諸国からは、台湾と中国の関係が紛争を伴わずに解決することへの期待が寄せられています。

 

日本の茂木敏充外務大臣は10月4日、台湾と中国が平和的に問題を解決できることを願っていると述べました。また、日本は引き続き状況を監視し、可能性のあるシナリオを検討して独自の準備を行うと付け加えています。

蔡英文はまた、北京と台北の平和的対話の可能性を残しています。蔡英文は、北京と台北の間の平和的対話の可能性にも言及し、

 

「対等の精神で政治的前提条件なしに進む限り、対話に前向きである事を引き続き表明する。また、重要な資源を投入して、北京の政権に対する理解を深める事で、誤解や判断ミスのリスクを減らし、両岸政策に関するより正確な意思決定を行う事ができます」

 

と、記しています。

台湾総統は最終的にこう記している。

 

「台湾は軍事的な対立を求めていません。隣国との平和で安定した予測可能な互恵的共存を望んでいる。しかし、その民主主義と生活様式が脅かされれば、台湾は自らを守る為に必要な事は何でもするだろう」

 

と、述べています。

 

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