「つらい」と「しあわせ」を

漢字で書くと、「辛」と「幸」。


成り立ちは違うが

「辛」は上部に一本、横棒を足せば

「幸」になることから

詩人・星野富弘は

「もう少しで幸せになれそうな字」と歌った。


病気、挫折、事故、災害など

大なり小なり試練に見舞われるのが人生の常。
だが…

じっと苦難が通り過ぎるのを待つばかりでは

心が辛さに凍て付いてしまう。


大切なのは反転攻勢。
どう勝ち越えていくか
そう、いかなる困難も
“試されている”
“自分自身を成長させるチャンス”
ととらえ絶対に諦めない執念の心の中に

一切の勝利の因が芽生えるのだと思う。


「成果は、さまざまな形で表れる。

その時には成果は現れないのではないかと

思える試練によって

勝利の道が開けていく場合もある」


だからこそ…。
嘆きも諦めも必要ない。


必要なのは…

勝つまで戦い続けるとの不屈の信念。


それこそ…。
苦境にある人間が幸福をつかむための

“一本の棒”となるのではないだろうか。


と今の負けそうな弱い自分の心に鼓舞している日々である。


春の日差しが心地よい。

公園でベンチに腰掛けていると

外気温が高くなくても

太陽熱でポカポカと体が温まってくる。


ある物体から放たれた熱エネルギーは

他の物体に吸収されて

温度の上昇に使われる。


放射するエネルギーが大きいほど

受ける側も温度が高くなる。


これは人の営みにも

あてはまるのではないだろうか?


情熱に燃える人の感化を受け

人や社会、時代が動いていく。


幕末の志士・坂本竜馬も、その一人だ。

江戸時代の「藩」という枠を脱して

「世界のなかの日本」を志向した。


固定観念にとらわれず、大局を見すえ

対話に各地を駆け回った。


その情熱にひかれた志士たちは

対立を乗り越え

「維新」という大目的を成し遂げた。


詩人ホイットマンは語っている。

「情熱――それなくして、人間と呼べようか?」と。


仕事、私生活においても

ほとばしる大情熱で周囲の人と語り

その胸中に希望と勇気の炎を灯し続けていくことが

その“目的を達するための情熱の連鎖”となるに違いない。


きょうもまた、太陽のように、自身の生命を燃え上がらせ

自分の縁する人の心にぬくもりを送っていきたい。


100から1を引くと……。
当然、誰もが99と思うだろう。
ところが、答えは「ゼロ」。


帝国ホテルがサービスの教訓としている数式である。
ホテルでは…

さまざまな役務の従業員が連動してサービスに当たっている。
そのどれか一つでも客の気分を害するようなことがあれば

全体の評価は落ちてしまう。

同ホテル会長の藤居寛氏は

「100年以上かけて築き上げてきたブランド価値も、
 たった10秒で失われてしまうことがある」

と語る。(「日経ビジネス」2008年5月19日号)


どんな組織も一人一人の力で支えられている。

24時間でどれだけ長い距離を走ることができるかを競う
ル・マン24時間レース。

「偶然で負けるチームはあっても、偶然で勝つチームはない」
といわれるほど徹底した総合力が求められる。
車の性能やドライバーの技術、陰で支えるスタッフなど

どれ一つ欠けても勝つことはできない。


組織の力は、個人の力の総和である。
団結が強いほど、その力は倍加する。
反対に、一人でも手を抜くようなことがあれば、敗北は必至である。


「異体同心なれば万事を成し、同体異心なれば諸事叶う事なし」
という言葉がある。
たった八百人の周の武王が、七十万騎の殷の紂王に戦さで勝利した理由は…。
まさに異体同心なれば万事を成した証拠である。


全員が目標に向かって心を一つにすること。
一人一人が主体者の自覚に立つこと。

そのこと自体が…

組織は、組織のためでなく個人のために組織があるという証拠。


ここに組織としての成功の方程式があると思えてならない。