”イスラム教では女性に殺されると天国に行けない”
日曜日に観てきました。
イラクのクルド人自治区の少数派の宗教、ヤズディ教を信仰する女性たちのISとの闘いを描いたこちら。
『バハールの涙 』
ISに占領下、
そのISと闘う女性部隊。
実際に女性部隊というのは存在し、監督が取材した内容を元に描かれたフィクションの作品です。
ストーリーは~
女弁護士のバハールは愛する夫と息子と幸せに暮らしていた。しかし、ある日クルド人自治区の故郷の町でISの襲撃を受け、平穏な生活は断ち切られてしまう。男性は皆殺され、女性たちは性的奴隷として売買を繰り返され、少年たちはIS戦闘員の育成校に強制的に入れられた。
数か月後、バハールは人質にとられた息子を取り戻すため、そして「被害者でいるより戦いたい」という仲間の言葉に動かされ、女性武装部隊“太陽の女たち”を結成、銃を手に取り、最前線でISと戦う日々を送っていた。同じく小さな娘と離れ、戦地で取材を続ける片眼の戦場記者マチルドの目を通し、再び我が子を抱きしめる日を夢見て、内戦を生き抜くバハールの姿が映し出されていく。
ISと闘う女性戦闘員。
聞こえはいいかもしれないけど、元々彼女たちは戦闘員ではなく、平和に生活をしていた女性たち。
妻であり、母親であった彼女たちの生活が一変した原因というのがIS。
そんな彼女たちがISに襲撃され、家族を奪われ、女性たちは性奴隷として売買される。
元々イスラム教については男尊女卑半端ないイメージがあったけど、
ISの女性に対する扱いは卑劣であり、同じ女性目線から観てても怒りを覚えるくらいに極悪非道なもの。
そんな過酷な状況から逃げ出し、
状況を悲観するのではなく、生きるため、子供を取り戻すために結成されたのがこの女性戦闘員たちで、
彼女たちのリーダーがバハールという女性であり、
彼女たちを取材するために帯同するのがフランス人の戦場ジャーナリストのマチルド。
基本的に話はマチルド目線で進んでいくけど、
プロローグ、エピローグで彼女の話が入るけど、ストーリーテラーではなく、
バハールの話がメイン。
戦闘員としての現在と時折入る過去のフラッシュバックの映像。
彼女たちの身に起こるのはいくら涙を流しても足りないくらいに壮絶な経験。
そんな過去を振り返らず、
歌を歌い士気をあげ、前へと進もうとする姿には、魅入ってしまいました。
実話ベースのフィクションということではあるけど、
ISに関する知識もそんなにある訳じゃないんで、ISと闘う戦闘員がいることも知らなかったし、
クルド人の置かれる状況というのもそんなに知らなかった。
実際に娯楽とは程遠く、かなり重い。
それでも見ごたえがある作品でした。
そして相変わらず邦題がな~
原題はGIRLS OF THE SUNなのに…
素晴らしい作品なのに涙とか、無駄に感動煽るみたいでやめて欲しい。
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