前回のページでは、
呼吸器、循環器、消化器
の処方薬について、
他との飲み合わせで、おそれのある症状
を挙げましたが、
このページでは、
● 抗血栓薬
㋐ 抗血小板薬
㋑ 抗凝固薬
● 降圧剤(血圧を下げる薬)
㋒ カルシウム拮抗薬
㋓ 利尿薬
㋔ β(ベータ)遮断薬
㋕ ACE阻害薬
㋖ ARB(アンジオテンシン2受容体拮抗薬)
㋗ 降圧剤全般(上記の降圧剤全部を含む)
● 糖尿の治療薬
㋘ SU(スルフォニル尿素系の血糖降下薬)
㋙ 食後過血糖の改善薬
それぞれ処方薬と同時に
摂取するのが好ましくない場合を、
・市販薬
・サプリメント類
・食べもの飲みもの
に分類して、
おそれのある症状と理由
を、記しました。
〔抗血栓薬〕
㋐ 抗血小板薬
㋑ 抗凝固薬
㋐ 抗血小板薬
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【市販薬は】
解熱鎮痛薬
《おそれのある症状と理由》
出血が起こるかも。
(解熱鎮痛薬の成分『アスピリン』が、
血小板凝集抑制作用を持つため)
医療用としては併用されることもあるため、要注意。
×:【サプリメント類は】
EPA、イチョウ葉
《おそれのある症状と理由》
作用の重複によって、出血しやすくなる。
×:【食べもの飲みものは】
グレープフルーツ、文旦、スウィーティー
《おそれのある症状と理由》
血中濃度が上昇するかも
(抗血小板薬の成分『シロスタゾール』の
代謝を邪魔するため)
㋑ 抗凝固薬
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【市販薬は】
解熱鎮痛薬
《おそれのある症状と理由》
出血しやすい、出血が止まりにくい。
(薬の成分『イブプロフェン』などが、
血漿タンパクと結合することによって、
作用が強くなりすぎるため)
×:【サプリメント類は】
EPA、イチョウ葉、ビタミンE
《おそれのある症状と理由》
作用の重複によって、出血しやすくなる。
×:【食べもの飲みものは】
まいたけ、ぶなじめじ
《おそれのある症状と理由》
出血が止まらなくなるかも
(きのこ類に含まれる成分『β(ベータ)グルカン』
が持つ、血液をサラサラにする作用によって、
薬の作用が重複するため)
《別の症状》
×:【食べもの飲みものは】
納豆、ブロッコリー、クロレラ
《おそれのある症状と理由》
薬の効き目が弱くなる
または、
〔血液に血栓ができて〕心筋梗塞、脳卒中
(ビタミンKの豊富な食材は、
抗凝固薬が持つ『ワルファリン』という成分の
作用を弱めるため)
〔降圧剤(血圧を下げる薬)〕
㋒ カルシウム拮抗薬
㋓ 利尿薬
㋔ β(ベータ)遮断薬
㋕ ACE阻害薬
㋖ ARB(アンジオテンシン2受容体拮抗薬)
㋗ 降圧剤全般(上記の降圧剤全部を含む)
㋒ カルシウム拮抗薬
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【食べもの飲みものは】
グレープフルーツ、文旦、スウィーティ
《おそれのある症状と理由》
血圧の下がりすぎ、めまい、ふらつき など
(カルシウム拮抗薬の代謝を邪魔されて、
血中濃度が上昇するかも)
㋓ 利尿薬
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【サプリメント類は】
甘草
《おそれのある症状と理由》
低カリウム血症(:嘔吐、けいれん)
(甘草に含まれる成分『グリチルリチン』は、
カリウムを体外に出す作用を持つため)
×:【食べもの飲みものは】
赤ワイン、乾燥わかめ、ひじき、いも類
《おそれのある症状と理由》
高カリウム血症
(:不整脈、手足のしびれ、嘔吐、けいれん)
(カリウムを多く含む食品だと、
体内のカリウム量が増えすぎるため)
㋔ β(ベータ)遮断薬
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【市販薬は】
鎮痛鎮痙剤、酔い止め薬、下痢止め薬
《おそれのある症状と理由》
抗コリン作用によって、
血圧と心機能の変動が起こるかも。
㋕ ACE阻害薬
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【サプリメント類は】
血圧が高めの人向けトクホ
EPA、DHA
《おそれのある症状と理由》
血圧を下げる食品と同時に摂取したら、
低血圧になるかも。
×:【食べもの飲みものは】
ごま
《おそれのある症状と理由》
血圧を下げる食品と同時に摂取したら、
低血圧になるかも。
《別の症状》
×:【サプリメント類は】
青汁、アガリクス
《おそれのある症状と理由》
高カリウム血症
(:不整脈、手足のしびれ、嘔吐、けいれん)
(カリウムを多く含む食品だと、
体内のカリウム量が増えすぎるため)
×:【食べもの飲みものは】
赤ワイン
《おそれのある症状と理由》
高カリウム血症
(:不整脈、手足のしびれ、嘔吐、けいれん)
(カリウムを多く含む食品だと、
体内のカリウム量が増えすぎるため)
㋖ ARB(アンジオテンシン2受容体拮抗薬)
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【サプリメント類は】
甘草
《おそれのある症状と理由》
血圧を上昇させて、薬の効果を打ち消す。
《別の症状》
×:【サプリメント類は】
EPA、DHA
《おそれのある症状と理由》
血圧が下がりすぎる。
㋗ 降圧剤全般
(上記の降圧剤全部を含む)
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【市販薬は】
解熱鎮痛薬
《おそれのある症状と理由》
降圧薬の作用が弱まるかも。
非ステロイド性消炎鎮痛薬が、
降圧薬の『プロスタグランジン』という成分の合成を
邪魔して、逆に血圧を上昇させてしまうかも。
〔糖尿の治療薬〕
㋘ SU(スルフォニル尿素系の血糖降下薬)
㋙ 食後過血糖の改善薬
㋘ SU(スルフォニル尿素系の血糖降下薬)
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【市販薬は】
解熱鎮痛薬
《おそれのある症状と理由》
相乗効果によって、血糖値が下がりすぎる。
×:【サプリメント類は】
血糖値が気になる人向けのトクホ
《おそれのある症状と理由》
低血糖を起こしやすくなる
㋙ 食後過血糖の改善薬
と
同時に摂取するのを
避けたい組み合わせは、
×:【サプリメント類は】
桑の葉
《おそれのある症状と理由》
低血糖、おなかが膨れる、などの症状が起きる。