魂断奈何天 | 千紫万紅

千紫万紅

中国の文学、映画、ドラマなどの感想・考察を自由気ままにつづっているブログです。古代から現代まで、どの時代も大好きです。

 

1966年の香港古装映画。
書生の蓋良才は、ある時逗留した屋敷で美しい令嬢・秋容に出会い、卑怯な計略で無理やりものにしてしまう。その後、故郷に帰った彼は新たに名門の令嬢・文淑貞を娶る。秋容は密通が父にバレ、実家を追い出されてしまい侍女と共に良才を訪ねてきたが、彼は知らん顔。やがて秋容の存在を厄介に感じ、殺害してしまう。夫の非道な行いを目の当たりにした淑貞は、死んだ秋容のため夫を訴えに出るのだが…。
 
悲劇系の才子佳人もの。蓋良才のクズっぷりが突き抜けているのはキャラ造形としてありだと思うが、彼のせいで鬱展開が続くので、見ている方はイライラがたまる。セットも雪や雨のどんよりしたものが多くて、とにかく全体的に暗い。ラストもあんまりすっきりしないなぁ。見所はあのアクションスターの李丽丽が侍女役で出ていることだろうか。初々しくて可愛らしい。

以下キャスト
蓋良才
旅の書生として登場する。のっけから睡眠薬で秋容を手籠めにしてしまうなど、フツーの才子佳人ものではありえない非道を平然と行う。悪事はどんどんエスカレートし、最終的には殺人すら厭わなくなる。ちょっとやり過ぎなキャラ造形だと思った。
 
顔秋容
ヒロイン。最初から最後まで可哀想すぎる。女優さんが李香君という名前でちょっと驚き。
 
文淑貞
ヒロインその2。名門のお嬢様。良才に嫁いで真面目に仕えていたが、夫の行いを知って秋容を助ける。演じるは古装ものの常連・凌波さん。きりっとした顔立ちが秋容と対照的になっていて良い。
 
若云
秋容の侍女。才子佳人ものの侍女は主人と男をやたらくっつけたがるキャラばかりだが、若云は全然そんな雰囲気無し。良才の人柄についても、最初から疑ってかかっていた。
 
巧児
淑貞の侍女。あの李丽丽が演じているが、出番少なし。
 
盖父
良才の父。息子と違ってまとも。最終的に息子の裁判をすることになる。