コロナでこんなはずではなかった方の消費税節税【その1】 | 中小企業の経営参謀「税理士星川」の戦略、税制、法務、海外展開のお役立ちブログ

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2020年は事業の見通しが立たない…
そんなお話を多く耳にする厳しい年となっています。
毎年の経営計画発表会を延期したり、予算の大幅な修正を
余儀なくされたりとコロナウイルスの猛威は、
個人の健康から企業の健康に甚大な被害をもたらしています。
すでに資金繰り支援のための給付金、補助金、特別融資、
納税・社保料の納入猶予とさまざまな制度を
利用されているかと思います。
コロナウイルスの影響で、経営成績が大きく異なる、
予定していた設備投資を延期するとになった…
このような場合、
消費税の計算が想定と大きく異なることがあります。
今回は、このような状況での消費税の課税選択の救済措置を紹介します。

課税事業者、免税事業者の選択の変更に関する特例

新型コロナウィルス感染症の影響により、

事業者の1か月以上の期間における売上高が前年同期比で概ね50%以上減少した場合、
その事業年度開始後においても消費税の課税方法の選択について、
その適用の変更を可能にする特例が認められました。
 

①個人事業主が新規に開業をする場合
②新設法人で資本金が1,000万円未満の場合
③基準期間の売上高が1,000万円以下の場合など
事業者の消費税が免除される事業年度となります。
この消費税が免除される期間について、
仕入れや設備投資が大きくなることから、
敢えて消費税の課税事業者となることを選択して、
消費税額相当額の還付を受けようとします。

反対に、かつて課税事業者となることを選択していた者が、
選択不適用とすることにより免税事業者に戻ることもあります。
これらの選択と選択不適用の届出は、
本来であればその課税期間の開始前に提出することが必要です。

 

【事例】

例えば、12月決算のA社は、例年の売上高が1,000万円以下で消費税の免税事業者ですが、

令和2年度は設備投資をすることから、
消費税の還付を目的として課税事業者となることを検討しました。

この場合、令和1年12月31日までに所轄の税務署に「課税事業者選択届出書」という書面を提出し、A社は令和2年度は消費税の課税事業者として事業をスタートします。

 

ところが、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて事業計画の変更を余儀なくされ、

予定していた設備投資も見送らなければならないという状況になったとします。そうすると、
令和1年末に検討していた消費税額の還付は見込めなくなり、

また消費税の課税事業者となったことで、免税事業者であったならば免除されていた消費税を支払う負担も生じてきます。

 

【救済措置】

このような想定外の事情に配慮し、
事業年度開始後においても消費税の課税選択について

その適用を変更することを認めるという特例です。

この特例により、A社は令和2年度に課税事業者となる選択を変更し、免税事業者に戻ることができます。

なお、この特例は、令和2年2月1日以降令和3年1月31日までの期間が属する事業年度に適用されます。

 

【手続き】

前年比で概ね50%以上の売上減少が生じた期間が属する事業年度の申告期限までに、所定の申請書を税務署に提出し、承認を得ます。

 

想定外の消費税負担にお困りの方は
この特例のご利用を検討ください。

 

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税理士、行政書士、中小企業の経営参謀 星川 望