ヒトを動かす-魔の2歳児のマネジから大人のマネジを考える | 中小企業の経営参謀「税理士星川」の戦略、税制、法務、海外展開のお役立ちブログ

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ヒトを動かす

これは経営の本質ですね。
どのようなビジネスを、
何の目的で、
どのような仕組みとプロセスで
実行していくか…

経営陣が作る経営の理念と
システムの中で、従業員さんに
どう動いてもらうかということです。

経営=他人を通して事をなすこと
(伊丹敬之『経営を見る眼』2007)

"あれやれ、これやれ"
"工夫してやってみろ"
動けない人に対し、直接的に改善を促そうと無策に行動を強いたところでいい結果につながらない。このような経験はよくあることです。

注文をつける側からすると、
「言っているのに動かない…」
とイライラが増すばかり。

その一方で、受け手はどうでしょう?
考えと行動に関して、様々な要素が絡み合い、気付けずにいる、理解できずにいる、どうしていいか分からないでいる。
リーダーは、このように指示、命令の受け手の視点にたって考えるという視点をついつい忘れがちなのではないでしょうか。

プライベートでは、
「魔の二歳児」と称される
年頃の子供を持つ私としても、
子供との触れ合いから学ぶことがあります。

家庭の毎朝の光景
子どもは朝ごはんを食べるのも「嫌イヤ」
着替えをするのも「嫌イヤ」
当然のように保育園に行くのも「嫌イヤ」

お気に入りのタオルケットを離さず、
いつまでも寝床にゴロゴロ…

さて、この子どもに
朝ごはんを食べさせ、
着替えをさせ、
保育園に連れて登園させてみて下さい。

「早く食べなさい。遅刻しちゃうよ」
「服はどれがいいの?靴下はこれでいい?」
「お父さん先行っちゃうよ。早く靴を履きなさい」
「早く寝ないから、朝起きられないんだろ」

と言ったところで、効き目はないというのが経験則から分かります。

繰り返し、親が正しいこと(と思われる)
を伝えたところで、子どもには分からない。

分かっていても、反抗したくて従えない。
このような状況は、ガミガミ同じことを言っても事態は好転することはないことは、多くの方が実感していることではないでしょうか。
(もちろん、我が子は父に似たのか、頑固で自分のペースを乱されるのが大嫌いという難しい性格なのかもしれませんが)

そこで、
「ジュース回す*ところ見ようか?」
*毎朝、手軽に野菜を摂るため野菜ジュースをつくっていて、ミキサーが回るところが子どもは大好き

「今日はトーマス*のシャツだよ」
*目まぐるしく、興味は移りゆくのですが、今は乗り物ブーム。
親はどれがトーマスで、どれがゴードンか分からないですが、とりあえず子どもはトーマスが好きな様子

「みどりバス*が行っちゃうよ」
*練馬区のコミュニティバス。
保育園の登園時間にちょうどすれ違うことができ、子どもは「みどりバス」にバイバイをするのに使命感と生き甲斐を感じている。一定の時刻を過ぎると、出会えない。

これらの声掛けで何とか毎朝父は、遅刻せずに出社することができています。
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いずれの声掛けも、子どもが喜ぶことを提示し、思い出させ、その心の初動を次の行動、つまり親が望む行動へと繋げていこうという試みです。

ここでは、行動を促したい対象(2歳児)の求める価値に目を向け、それを動機にしています。

職場の毎日の光景
職場には、カネの流れ、情報の流れ、感情の流れが複雑に存在する、といいます。(伊丹2007)

報酬に対する労働の提供という分かりやすい、「カネの関係」だけではなく、ビジネス、プライベートに関わる様々な情報も流れ、それらを受けた従業員の感情も流れる。

単純に、カネを提示して、命令を下し、見返りを期待できる、というロボット的な関係ならばマネジメントは簡単なものになるでしょう。

命令や指示を出しているのに、なぜ動けないのか?
なぜ効率が悪いのか?
あの人の言動にがっかりしてやる気が出ない。
トップを信じられない。
どうせ自分がやっても無駄だ。
などなど、
そこには、情報と感情の流れの氾濫が影響していることはないでしょうか?

従業員に寄り添い、掲げる目的のために何をして欲しいのかを語り、感情を動かす。
どうして上手く動けないのかを聞き出し、情報を整理し、時には動きがし易いように根回しをする。
そのアプローチがダメなら、別の方法を考える。

ガミガミ同じことを伝えたところで
動けない状況に変わりがないのなら、やはり動けないのです。

いくつも仮定と実施を試みて、やはりダメだという時に初めて諦めるというタイミングが来るのでしょう。
(論語の世界でも、2割は手の施しようがない人たちがいると言われます。
その2割の活躍の場は、ここではないということです。)

子どもに対しては、おもちゃをちらつかせ、アンパンマンを見せ、トーマスを渡し、時にはバスを見に行こう、とあらゆる手段を試みるはずです。

ヒトを動かすマネジメントを
育児の一面から学びます。

ガミガミ奥様の脇から、すっと入ったお父さんが、子どもの感情を掌握する。
こんな場面もあるあるではないでしょうか。

企業のタテの関係にない、第三者たる我々が、リーダーに変わってチームの声を傾聴することで、チームを動かすためのフィードバックを得るということもしばしばあることです。

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ことです。