コーチも選手もマネジメント力抜群だった、女子オーストラリアチーム | フープドリームズ【子どもの心技体を育てる地域コミュニティを民の力で運営しています】

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2年前にボス北口氏がドバイにu-17世界選手権を
見に行ったときは男子だけでしたが、
今大会では男子、女子共に、同じサラゴサという街で
行われていたので、
男女共の試合を沢山見ることができました。

我々が見た試合は以下です。

日本-ポルトガル

女子準々決勝
中国-スペイン
オーストラリア-チェコ
アメリカ-フランス


女子準決勝
中国-イタリア
オーストラリア-アメリカ


女子決勝
イタリア-オーストラリア

男子準々決勝
カナダ-トルコ
リトアニア-フランス
オーストラリア-スペイン
アメリカ-韓国


男子準決勝
スペイン-トルコ
リトアニア-アメリカ


男子決勝
トルコ-アメリカ





今日は一番沢山学ばせてもらった
女子オーストラリアチームについて取り上げます。

この写真だけでも良いチームな感じが
出ていますね。
(我々は結構ベンチの真裏で見ていました。
かなり映像にも映っているそうです)




このチームは優勝候補筆頭のアメリカチームを
準決勝で破り、そのまま優勝しました。


個人能力で言えばやはりアメリカがダントツでしたが、
オーストラリア女子チームは総合力で勝りました。
しかも、完勝の内容でした。


オーストラリアチームの総合力、それは、
・個人技術(体も含め)
・チーム戦術
・チームワーク・ベンチワーク


(この分け方がベストかどうかは置いておいて)
これらが全てにおいて高いレベルだったと感じました。
最後に特筆部分をピックアップしようと思いますが、
とりあえず箇条書きで気づいたことを羅列します。


個人技術については、
基本的な事が多いですが、
他のチームにはなくてオーストラリアの選手が出来ている
と私が感じたことです。
つまり、他のチームは出来ていませんでした。
基本が出来ているって大事ですね。
(手前味噌ではありますが、
年初に出版させていただいた、
基本スキルDVDの内容を
きっちり出来ていたなーという印象です。
オーストラリアチームも見たのかな?笑)


バスケDVD基本



・右も左もドライブできる
・攻撃の選択、判断が正しい
(選択肢をいくつか常に持っている)
・体のつながりが良い選手が多い
・左のワンハンドパスもできる
・Defの手の使い方がうまい
・フローター、フックレイアップが使える
・Defリバウンドからプッシュできる選手が多い


一つだけ残念だったので、
ドライブからのフィニッシュが
ステップインしかなかったことでした。

ユーロ、ギャロップ、アーヴィングステップが
使えていれば、もっと得点できるシーンがありました。





次にチーム戦術です。
これについてはまた動画で振り返ってみてみたいと思っていますが、
オフェンスもディフェンスもかなり緻密に練習してきています。
バリエーション、完成度ともにかなり高かったです。


オフェンス面でいくと、
オーストラリアチームは実によどみなく攻めてきます。


そして多くの場合、
PGが指示を出していなくてもプレーが始まり
その局面局面で、
(多分それぞれのタイミングで2択か3択で進めていくのですが)
選手が正しい選択肢を判断してスムーズに攻めていきます。



選択肢を間違えないのでタフショットが少なく、
攻められなければ、無理なパスやドライブではなく、
次のパターン、次のパターンと、
スムーズに淀みなく人とボールが動くので、
オフェンスでストレスを抱えることが全くありません。


逆にディフェンスでは
ポイントガードには常にプレッシャーをかけていたことで、
相手のオフェンスのスタートを遅くしたり、
第一歩目のところでスムーズにさせないので、
相手を後手後手にさせていたことも印象的でした。


ディフェンスパターンも、
選手が主導して適宜変えていきます。


ポイントは、フリースローです。
これが面白いんです。
どういう事かというと、…
ここがキモです。


オフェンスのフリースローの際は、
次のディフェンスの作戦を選手が打ち合わせる。



ディフェンスのフリースローの際は
次からのオフェンス作戦を選手が打ち合わせる。






さすがに準決勝アメリカ戦、決勝のイタリア戦では
ベンチから作戦の指示の声も時々飛びましたが、
大方選手が決めてゲームをコーディネートしていきます。
(3人いるリーダー的ガードがだいたいコートに2人いるので
それがとてもスムーズに行われます。
プレイ中ヘッドコーチと目を合わせるのはこの3人でした。
ちなみに、4番、5番、15番です。
「なんか今言いたいことある?コーチ」
とコートリーダーが目を合わせ、
「いや、ないよ。良い感じだ。頼むよ」
とヘッドコーチが目で返します。

時には、その目を合わせてきたときに
ヘッドコーチがハンドサインで何かを伝え、
「オッケーわかった。次に笛が鳴った時に
皆に伝えるわね」
と目で返している感じでした。

ヘッドコーチが大きな声で何かをいう事は皆無でした
ヘッドコーチの大きな声を聞いたのは一度だけ、
優勝セレモニーでコーチ3人で輪になった時だけでした。
ずっと冷静沈着に戦況を見つめていました。
実にカッコ良かったです)






選手が主体で動くので、
突然ディフェンスが
オールコートになったり、
ゾーンになったり、
マンツーになったりします。
(オフェンスもしかりです)


ころころ変わることで、
相手側はそれに対応しようと
脳の酸素負債が多くなって
パフォーマンスが落ちるんですよね。


ここからフードリの裏話なんで、小さい字で書きます。

このディフェンスが色々ある作戦なんですが、
実は北口氏も昨年の高校チームで
実施していたのです。
(名付けて、パニックディフェンス笑)


でもね、
練習時間と作戦のボリュームがマッチしていなくて、
時々こっちの選手たちがパニックを起こしてしまうという、
もろ刃の剣だったのです。


かなりきっちり練習して、選手が慣れていないと、
こういう作戦は難しいので気を付けましょう



次に、ベンチワーク・チームワークです。

これも特筆でした。
・笛が鳴ったら5人が集まる(特にフリースロー)
・タイムアウトの時間の使い方、座らせ方
・ミーティングの時間の使い方
・コートリーダーが3人
・主要選手のプレイタイムマネジメント
・選手とコーチの信頼関係
・プレイヤー主体のプレイマネジメント
・コーチ陣のベンチの役割分担
・ハーフタイムすぐにコーチミーティング



一つのポイントは、
PGが指示を出していなくても、
というところで、これって結構時間を食うんですよね。


コーチもプレイヤーも実に時間の使い方が上手
なんです。


「PGが指示を出し、全員に伝わり、そのプレーが始まる」
この一連で2,3秒かかり、その時にポイントガードに
プレッシャーがあれば、スムーズにプレイが始まらない。
こういうことって当たり前のようにありますよね。


この2,3秒を取り除いているんです。

(ディフェンスもしかりです)


コーチ陣のチームワークも抜群です。
試合中、二人のアシスタントコーチが
ヘッドコーチにささやき、
こまめにコミュニケーションをとっています。


そして、タイムアウト、2年前のドバイ開催の時にも
「スペインチームのタイムアウトに感動した」
という北口コーチのコラム
がありました。


それに輪をかけて凄かったのが、
今回の女子オーストラリアチームだと思います。




写真でお気づきかもしませんが、
ヘッドコーチが若くてイケメンです。



2年前のスペイン同様、
タイムアウトを取ったら、
10~15秒間ぐらいでコーチ3人が集まってミーティング、
その間に選手は水分を取ったり休みます。


そして、次にプレイする5人を座らせます。
なので、さっきまでプレイしていた5人が座るのですが、
交代がある際は、この話の最初に伝えてそこで交代させます。


ヘッドコーチは椅子を置いてすわり、
選手と目線を合わせて話します。


話す内容は、
まずはホワイトボードを使わず、
伝えたい内容を目を見て伝えます。
何を言っているのかまでは
私の英語力ではわかりませんでした。。。


次にボードを使って、
細かい指示をしていました。
「いつものパターンなら、こう動くことにしているけど、
相手のディフェンスの対応がこうだから、
今日はこっちに動こうか。」
というような、修正の内容だと思います。


そして、審判に怒られないギリギリの時間まで笑
たっぷり時間を使って、選手を休ませます。
(毎回ではありませんよ。必要な時だけです)


その時は審判が遅いので呼びに来たころに、
アシスタントコーチがヘッドコーチの背中をポンポンと叩いて、
5秒間ぐらい話した後、輪になって、
合言葉を全員で叫んで行っていました。
(ちなみに、合言葉、サーフライヤー!!みたいな言葉でした。
わからなかった、という意味です。)



このあたりのタイムマネジメント、
タイムアウトの構成も抜群です。


そしてハーフタイムになったら、
選手は裏の控室の方に消えていくのですが、
笛が鳴ったその瞬間から、コーチ3人はミーティング、
後半をどうするか、戦術や選手起用を打ち合わせます。
5分ぐらいでミーティングを終わらせ、
控室の方に消えていきました。
一息ついてリラックスしたタイミングで
選手たちに話すのでしょう。


そこの時間の使い方も抜群です。


多分オーストラリアチームは練習でも、
非常に効率の良い練習をしているだろうなー、
と推測されます。



・・・


ちょっとボリュームが多すぎましたかね。
まとめきれなくて、徒然に書いてしまいました。
読みにくさを感じられたかもしれません。
ごめんなさい。



是非とも女子オーストラリアチームの試合は
アップから含めて見て頂けたらと思います。



個人スキル、戦術、ベンチワーク、etc…
あらゆるところがきめ細かく高いレベルでなされていました。
沢山マネできるところがあると思います。


最後に決勝戦の動画だけ、
下に貼りつけておきます。