
2014年度の音楽業界は、何が一番の話題となるだろう?
一つ確実なのは、チャラン・ポ・ランタンが大ブレークする年になるということだろう。
これは断言できる。昨年後半から一気に一般の人々に火がついたのが、間近で見ていてはっきりわかった

インディーズ時代を見ていたRihwaや家入レオが、メジャーになって一気に勢いづいたのも体験してきたが、それよりも地鳴りのようなブームが起きつつある気がしてならない。ただ、彼女たちのアングラ感こそがその魅力なので、いかにもメジャーになっては欲しくないのだが。
まあ、姉の小春ちゃんがその辺はしっかりセルフプロデュースするから、チャランポの世界観は揺るぎないはず。avexとも、今まで通りのチャランポスタイルを通すということで契約する一部始終をYouTubeに映像として上げているしね。←この映像(実際はPRなんだけど)面白いよ。チェキ!
http://youtu.be/KtCOGNwdhSQ
それに昨今のavexは、大森靖子、おおたえみり、杉恵ゆりか、東京カランコロン、東京プリン、森恵などなど、コマーシャリズムと一線を画す個性もそれぞれの路線で売り出しており、少ーしばかり期待している。チャラン・ポ・ランタンを俗っぽい大衆路線にまみれさせず、逆に彼女たちにしか作れない世界を布教する手伝いに全力を注いで欲しいものだ。
では、2014年4月に僕が見たライブ、パフォーマンス、演劇、その他諸々の芸術?をチェキ!



2日(水)MIDWEEK BURLESQUE vol.9 –The Usual Cherry Blossom Front-@渋谷 7th floor
Cherry Typhoon (from Montreal, Canada)、Dolly Tartan (from Glasgow, Scotland)、Bonita BonBon (from Aichi Prefecture)、Rune Glitter、Circus de Moccos(Coppelia Circus + Gilbert de Moccos, from 紫ベビードール)、Violet Eva (from 紫ベビードール)
3日(木)LiLi Presents Real Beat@渋谷 eggman
Big Mouth Choir、ToySpeaker、HaNa、LiLi
4日(金)Qaijff 1st FullAlbum『クアイフ』release東名阪ツアー@渋谷 O-crest
TarO&JirO、CICADA、Qajiff
6日(日)桜散るらん-Avaivartikaレコ発-@青山 Red Shoes
Avaivartika、花と散るらん、JOSY
8日(火)drop around vol.1@渋谷 eggman
Avaivartika、モクメノキ、room free fall、ヒーローバンド、theFIXER、菊池遼(the quiet room)
11日(金) 蘭華 シングル『花時』レコ発インストアツアー第一弾@千葉イオンモール幕張新都心「GRAND GENERATION’S COLLECTION2014」



アキヤマ祭り イイんじゃナイト@四谷 live in magic
愛実、長江健次、中村繁之、諸岡ケンジ、奈木野美幸、天祐、フミヤ、M's
12日(土)ILU GRACE アルバム『SUN'S EGG』レコ発ワンマン@川口 SHOCK-ON
15日(火)松岡里果 BIRTHDAY LIVE♪ 「Spining Spring~拝啓、レオナルド・ダ・ヴィンチ様~」 @渋谷 gee-ge
16日(水)劇団Cooch旗揚げ公演「推定容疑者~陽気な殺人鬼とローシュタインの回廊~」@中野シアトルBONBON
18日(金)Sherry...ONE MAN SHOWアフターパーティー&ハニーシュガーはファイナル・ライヴ!!~@仙川 Kick Back Cafe
19日(土)玉城ちはる Birthday Oneman~はじまりと詩~ with 永田ジョージ @渋谷 JZbrat



野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ『星降る丘c/w悪い女』発売インストアライブ@新宿ディスクユニオンdues



キャバレー!キャバレー!キャバレー!@渋谷 サラヴァ東京
紫ベビードール、チャタ、copperia circus、フェムフェム
21日(月) ♪Perfect Monday♪@高田馬場・四谷天窓
きたはらいく、愛実、ももちひろこ、TAMARU
23日(火)愛実ワンマン東京編~上京1年生、宣誓!~@青山・ひまわり広場で手をつなごう
24日(水)シャンソンとミサの夜@渋谷 サラヴァ東京
Annabelle、高橋絵実、ピンクに死ね!!
25日(木)アカシア & たをやめオルケスタ@代官山 LOOP
たをやめオルケスタ、アカシアオルケスタ、Gillet
26日(金)69★TRIBE@青山 Red Shoes
野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ、MAXIMUM R&B,やすしーず,THE TIST,浜田ケンジ(RAT) <69★SELECTERS> KAWATO(ROLLER☆KING),林拓一郎,SHINJI(PIA),Ace of spade(Love Rock Night)
28日(月)春のガヤ祭り ブラックバージョン@新宿 Wile Side TOKYO
GAYA、AHO☆スター・ブラック、あさがやばるん(あさみ&GAYA)、いるみるく、インガ・ペルセフォネー、タカダアキコ、蜂鳥姉妹
30日(水)劇団Hide and Seek「空と私のあいだ」@中野 劇場MOMO



音楽ライブ16本、パフォーマンス3本、演劇2本で計21本

たくさん見たね~

さすが年度初めの4月とあって、レコ発イベントが多かったねー。
Avaivartika『Phantom』、蘭華『花時』、ILU GRACE『SUN'S EGG』、野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ『星降る丘c/w悪い女』などなどが次々と発売されて、その都度、嬉々としてレコ発ライブに行き、購入した音源をiPhoneにぶち込んで聞きまくってた。どれもこれも素晴らしく、聞くたびに感動していたよ。
でもこの4組のアーティストの名前、どれだけの人が知っているかな。多分、知らない人がほとんどだろうか。しかし知っといて絶対に損はないよー。いい音楽を聞かせてくれるご機嫌なアーティストたちばかりだから。是非、多くの人にも知ってもらいたい名前ばかりだよ。
例えば「Avaivartika」だ。
このブログでは、何度も何度も書いているけど、アヴァイヴァルティカは未来を体感させ、大きな感動に身を包んでくれるロックバンドだ。一言でその音楽ジャンルは言い表せないが、シンセやエレキが縦横無尽に飛び交いコスミックな宇宙観を現出するスーパーライブ向きのエレクトロロックとでも喩えるべきか。2012年に国際的バンドコンテストの日本大会で優勝し、世界大会で4位になった実力派だ。
それは稚拙なミュージシャンではけっして構築できない世界だ。ライブなのに1曲1曲の完成度がむちゃくちゃに高い。素晴らしい実力の持ち主であるギター生本直毅、シンセ/キーボードのUj、ベース榎本敦、ドラムRuy君という4人の男達が、音を緻密に積み重ね、夢幻の世界を織りなしていく。
しかし、決してインストバンドではない。彼らのステージの最大の衝撃、それはボーカルだ。宇治田愛という魅力的な女性ボーカルが、空間を突き抜けるエネルギーと攻撃的な姿勢で踊るように歌い上げる。されどその声質は耳心地よく、その声にのって異空間を旅するのだ。いつの間にかその宝塚男役スターのような彼女に惹きつけらずにいられない!
何より彼らが凄いのは、ライブごとに進化し続けていることだ。毎回、楽曲のアレンジを変えスケール感を増している。同じ場所に留まらず、音楽の無限の可能性を追い求める求道者たちなのだ。その限界点は、凡人のぼくらには全く伺い知れない。
ライブを見るたびに手を変え品を替えて繰り出す新アレンジに驚嘆し、ゾワゾワと鳥肌がたつ。その先進性に、産み出すグルーヴに、彼らの強い意気込みに。思わず腕を突き上げ、共に踊ってしまう。
普通のロックバンドもいいけど、その中で飛びぬけるのは並大抵ではないだろう。聞く側にとっても、盆百とある普通のロックバンドに新鮮さを感じられず、かなり実力があっても、音楽が陳腐に聞こえてしまう事がよくある。これは僕の嗜好なのだが、同じ音楽を聞くなら、並外れた新規性、オリジナリティ、独創的世界観があるアーティストを選ばずにいられない。だからこそ、他とは決して同じ道を行かないAvaivartikaの、覚悟の凄みに一層感動してしまうのだ。
。。。ちょっと褒めすぎたかな?笑
でも、彼らのライブは今のうちから見ておかないと損だよー。
今月、新譜を出したアーティストということで言えば、野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ。まあ、怜奈のことは先月語ったからいいか。でもアナログレコード(CD付)で発売した『星降る丘c/w悪い女』はいいよー。ちょっとノスタルジックで、歌謡曲テイストながら、素敵な歌声でポップにカラフルに歌う彼女の歌声にマッチした楽曲が、つぼにはまるのですよ。是非、こじんまりとしてアットホームな行き付けの店とかで、酒を飲みながら聞いて欲しいな。ポップスだけど、そういう空気に見事にマッチしてるんだよね。ヒップホップしか聞かないような若者には理解できないかもしれないが。



そんな新譜の中で、僕がもっとも心待ちにしていた1枚が、蘭華の『花時』だ



言葉を大切にし、花鳥風月の世界感を美しい声で奏でる蘭華が、ちゃんとした音源としては2年半ぶりのリリース。待ち焦がれてたよ~、まったく~

帯のコピーは、「あなたの娘でよかった 亡き父に贈る愛の詩 母に捧げる愛の歌」。
日本で耳にし培ったポップスのメロディと、大陸の余韻を奏でる中国楽器が調和するニュー・エイジミュージック―――と紹介されている通り、二胡などの音色が幽玄な音楽空間を作り出し、耳に馴染む曲調を、慈愛と強さを兼ね備えた蘭華の歌声が切々と歌い上げていく。
歌手名や曲紹介から察っせる通り、彼女は中国人の両親を持つ。ただ大分で生まれた日本生まれ日本育ちで、俳句や神社仏閣を心から愛する和のひとだ。
2年前までは頻繁にライブするなど活発に音楽活動をしていた。彼女の声に惚れて、僕は何度も何度もライブに通っていた。すらっとした彼女がチャイナ服で日本の名曲や中国童謡を、日本語と中国語を駆使して歌っていく姿は、オリエンタルな魅力たっぷり。中でもファルセットの高音の響きは、僕のしっているアーティストの中では最も美しい

それが、それが、、、、
まあ色々あって、ほとんどライブ活動を停止。長い雌伏の日々を彼女は過ごしてきた。
それがこの春、一つの区切りをつけて、彼女は帰ってきたのだ(嬉)
今回の『花時』はあくまでインディーズ盤だが、これまでになく大掛かりなレコ発キャンペーンを展開。全国のイオンモールなどのショッピングセンターやレコード店でインストアツアーを実施し、多くのラジオ局の番組に出演、あちこちでパワープレイされた。
それら全てのキャンペーンの第1弾だったのが、11日に千葉イオンモール幕張新都心であったインストアライブだ。この日が本当のレコ発日で、ライブ後の物販で『花時』が初めて発売された。はい、わざわざ幕張に駆けつけ、しっかりいの一番にゲットしたよ

そもそも楽曲をあまりレコーディングしてなくて、昔から音源を早く作ってと頼んでいたのに、果たされることなく天の岩戸にお隠れになってた彼女。漸く発売したCDをとにかく聞いてみた。沁みた~、心に沁みた~。涙が出てきた。
そもそも活動休止に至るタイミングは、彼女のお父さんが亡くなった時期でもある。2年前、桜の咲くころ、彼の命は尽きた。その父への想いが今回、この桜の咲く季節に、その季節を表す「花時」というタイトルでCDを出す全ての源になっている。
彼女には、以前から歌っていた母への想いをこめた名曲「maama」があり、父から自分の歌はないのか、と言われていたそうだ。病床についた彼のために彼女は曲作りを急いだが、Aメロができた時にはもう意識は混濁していたそうだ。眠る父の耳元で、彼女はできたところまで歌った。まもなく彼は天にめされたらしい。
ほとぼりが冷めて、彼女は曲を完成させた。それが新譜のタイトルにもなり、1曲目に収録された「花時」という曲だ。

あなたと交わした約束 何一つかなえられていない
こっち向いて もう一度だけ笑ってみせてよ
桜の花あなたに見せたくて 春の足音聞こえる
どうか どうか かなえておくれ あなたの笑顔が見たい
そしてこの「花時」と対になる「maama」も2曲目に入っている。2曲続けて聴くと、胸がしめつけられそうになるのだ。
3曲目の「揺れる月」は、まさに大陸の果てしない荒野に浮かぶ月を思い浮かばせる。有線放送でこの時期、この曲が何度もかかっていて嬉しかった。また4曲目の「三日月の影」は、NHK-BSプレミアムドラマの主題歌にもなった。
蘭華の音楽活動が、これからどう展開していくのか僕には分からない。だが、これらの名曲たちをもっと、もっと多くの人びとに聞いてもらいたくてしょうがない。
僕は、彼女に多くを期待する。
その歌は、必ず多くの人に感動を与えると思う。