音楽偏遊 -19ページ目

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

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「PEACE AROUND THE STREET」@表参道GROUND
出演:ariel、Yurina、加賀其龍太、吉田拓矢、cotomo、渋谷めぐみ
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今夜は久し振りのフルバンド、しかも彼女にとり節目となるライブを過去に何度か開いたこの箱。始まる前から期待値は高かった。

この箱とは表参道GROUNDのこと。かつてはライブハウス「表参道FAB」として、連夜、楽しい音楽ライブが開かれていた。それが2010年7月、運営母体のワタナベエンターテイメントの方針転換で、同社所属のお笑い芸人のための常設小屋になり、GROUNDに改名したのだった。

FAB時代、ここでは数々の思い出深いイベントが開かれていた。その中でも特に個人的に思い入れがあったのは「flower voices」という企画。女性シンガーのための企画で、一定期間ホストを務めるシンガーが、実力を認めた親しいアーティストを招いて、ほぼ隔月でライブをやるというもの。

ホストの人選が秀逸で、結果としてメジャーか準メジャークラスの女性アーティストが集うクオリティの高いイベントだった。着席で約150席の会場は毎回ほぼ満員。はせがわみやこ、拝郷メイコ、辻香織、池田綾子、SHUUBI、玉城ちはる、清家千晶、松本英子らがホストのバトンを受け渡しながら、このイベントを盛り上げてきた。

FAB閉鎖からほぼ9カ月後、この企画を復活させようと渋谷gee-geでSHUUBIと辻香織が2011年4月にスタートさせたのが「flowers」というイベント。が、隔月開催で第6回目となった先日の土曜日が最終回となってしまった。残念。FAB時代はハイネッケンがスポンサーにつき、ライブハウス側が事務局となって動くプロジェクトだったが、gee-geではあくまで個人レベルの企画ライブであり、負担は重く、継続は難しかったのだろう。SHUUBIちゃん、辻ちゃん、ご苦労さまでした。

おっと脱線。話を戻すと、渋谷めぐみにとってもFABは思い出深い箱なのだ。例えば彼女が代表曲として歌っている「ユメオチ」という曲は、2008年3月11日に、ここFABで開いた彼女主催の企画ライブがレコ発だった。また、実は渋谷めぐみも、今夜のライブに出演した学生と同様、かつてワタナベエンターテインメントの音楽学校の生徒であり、卒業ライブやオーディションなどをこのFABで体験している。そういう意味では、凱旋ライブともいえるのだ。


(終演後の1枚)

と、いう訳で今夜のライブの主旨はよく判らないが、出演した6組のうち、前半の3組はワタナベの生徒たちとのこと。まだまだ未熟で、今後、どこまで音楽で立身できるかは完全に未知数。大いに精進せよ。

後半3組はそれぞれキャリアのあるミュージシャン。

だがそのトップで出てきた吉田拓矢は、風邪を引いて「きれいな声が出ない」(本人談)ためか、わずか2曲のみ。それでも、男らしい声と風貌、ギター弾き語りで魅せた。特筆すべきはサポートのカホンで、体を弾ませるタイトでジャンピングなリズムを刻み、大いに盛り上がりを作り出していた。カホンもプレーヤー次第であんなに素晴らしい楽器になるのだなあと再認識。

続いて登場したのは「cotomo」。空、大地、海のエネルギーを味方に、生ギターで弾き語る「アースカラーポップ」という触れ書き。基本は女性のギター弾き語りで、それをアコギとパーカッション(ボンゴやジャンベ)がサポートする3人編成。

まあ、狙いは分からなくもないが、アースカラーなポップとしてはもっとボーカルに個性が欲しかった。声に誰にも負けない透明感があるとか、どんな苦しい時でも母に抱かれるような優しさに包まれるとか、その歌を聞いていると胸が苦しくなるようなノスタルジーが溢れてくるとか。そういうアーティストを知っているだけに、そのどれでもない彼女が「空、大地、海のエネルギー」を味方にしている感じは無かったな。

しかも、MCは一切しない方針だとかで、最後の1曲を終えてそでに引っ込むまで、彼女は一言も話さず。「昨年の忘年会のゲームで負けてそういう罰を受けた」とか、彼女のギターの師匠で今夜も彼女をサポートしていたおっさんが話していたが、意味不明。一番重要なのはお客さんと彼女の間に、コミュニケーションを作ること。何かをステージの上から客席に伝えようと少しでも思っているなら、例えたどたどしくても、本人が自分をさらし、自分の言葉で語りかけるべき。せっかく期待してたのに、反感しか残らず。


ついに本日のオオトリ、渋谷めぐみだ。

吉田拓矢が2曲で引き上げてしまったせいか約10分まきだったが、転換の時間をゆっくり取り、5分まきでスタート。それでも当初告知していた彼女の出演時間より早くなり、ファンの何人かは1曲目を聞きそびれてた。

大箱に合わせ、今夜はフルバンドを率いて登場だ。バンドのリーダーはギターの三井真一。そしてキーボードの古賀さん、ドラムの西川君、ベースの柴田君という顔ぶれ。実力のあるミュージシャンばかりなだけに、今夜の演奏はいつもと比べ、ひと味もふた味も違っていた。

特にアレンジを古賀さんが色々と手を入れてくれたおかげで、いつも歌っている曲と趣ががらっと変わり、彼女をよく聞いているファンにとっても新鮮な音に。バンドらしく、激しく、強弱のメリハリがあり、スケール感大きい演奏になった。

その演奏にのり、渋谷めぐみも、初のアレンジに数カ所で戸惑いを見せつつも、パワフルにメロディアスに、格好良いシンガーっぷりを見せつけた。良かった。

特に大きく変わったのがバラードの「会いたい」。キーボードだけの静かな伴奏のAメロを抑えたボーカルで入り、Bメロ~サビへと徐々にギターやドラムの音が加わりスケールアップ、ラストには壮大なスペクタルで「会いたい」という切ない気持ちを歌い上げた。このアレンジで是非レコーディングして欲しいくらい。

また、いつもはアコギの三井さんのエレキが、1曲目の「dejavu」の前奏から突っ込む、突っ込む。ギンギンに疾走するギターリフに、華やかな音色をたっぷり散りばめる古賀さんのキーボードが絡み合い、冒頭は渋谷めぐみが取り残されている感さえ(笑)こういう演奏で攻めるなら、ボーカルも冒頭からトップテンションでがつん、といかなきゃね。それでも、Aメロの途中からは完全にリーダーシップを奪い返し(三井さんらがサポートに徹した?)、アルコールで頭も体も溶けてしまう女の情念を爆発させていた。

さらに今日は新曲も。題名は「Tiffany」。昨年12月29日にリリースした「dejavu」のテーマが酒なら、「Tiffany」は宝石だ。男性目線で、音譜恋しいほど輝く君の光音譜と、ジュエリーと女性を重ねあわせ焦がれる想いを、ジャジーなミドルバラードで歌う。

サビの入り「ずっと~」から始まる数小節のメロディラインがおしゃれで、これを彼女が歌いこなしたら、かなり格好良い曲になりそう。とても楽しみ。

そして、ラストにここでレコ発を演った「ユメオチ」。これもジャジーで夜の社交場に似合う彩りを放つ曲だが、最近ではサビにフリをつけ、ノリノリでお客さんにも参加してもらう楽曲に。客席後方にいた他の出演者さん達も巻き込み、おおいに盛り上げて、旧FABにその成長ぶりを見せることができたのではないか。

中でもバンドに一番合っていたのが、アンコールで歌った「magic」か。ものすごいドライブ感でぐいぐいと持って行く。渋谷めぐみは、こういう大箱でがんがんとロックしているのが一番似合うな。渋谷O-WESTとかRUIDOやLOFTとか、そういうライブハウスでの活動をもっと増やして欲しいと思う。勿論、バンドで。それは、ソロシンガーにとっては大変なんだろうけどね。

【セットリスト】
1)dejavu
2)愛ことば
3)Tiffany
4)会いたい
5)ユメオチ
en. magic





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「フリージアとショコラ feat.テッパン!Singirl公開収録ライブ#2」@渋谷gee-ge
出演:斉藤麻里、ヒグチアイ、関取花
司会・進行:川合鉄平
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この日は、渋谷Oグループ企画、全国100近いライブハウス連動の女性シンガーイベント「フリージアとショコラ」の開催日。見たいアーティストが沢山の箱に分散してしまい、どこに行ったものやら非常に悩ましい夜に。僕も10ヵ所ぐらい行きたい所があり、最後まで悩む。

例えば、半崎美子、熊谷真実、竹仲絵里、日食なつこらを揃えた渋谷duo、Rihwaや倉沢桃子、はるのまい、千佐真里奈らが出た四谷天窓、幸美美佳と斉藤利菜のツーマン@上野BRASH、マリエらが出演する新宿FREAK、bomiのリリパとなった渋谷Chelsea Hotel、大石由利香や小林未郁らアダルト路線の渋谷Songlines、島崎智子と矢野絢子の個性派激突ツーマンとなった7thFloor、Jiminy Cricketらの若さが弾ける渋谷O-WEST、そして、小柳ゆかりのラストライブとなった渋谷Guiltyなどなどだ。

特に小柳ゆかりは、この日をもって活動休止。最後に「ウソツキと三日月」や「scilla」「呼んで」を生で聞いておきたかった。しかも、この日は「scilla」のレコ発。購入しておきたかったなあ。あれは、桑井麻友の爆発的なピアノと小柳の浮遊感が相まって、一生聞きたい名曲だったのだ。ああ、惜しiい。まだ購入できる術は残っているのだろうか?

そんな中、この3人が揃い踏みするなら「ここか」と自分を納得させたのが渋谷gee-ge。斉藤麻里、ヒグチアイ、関取花だからなあ。しかも、鉄平さんが始めた深夜ラジオ「テッパン!Singirl」の公開収録で、普段見られないようなガールズトークもあるというし。

gee-geに来てみれば、閑散とした空気。やはり、お客さんが分散してしまったのだね(笑)

それだけに冒頭の企画説明と本日の出演者紹介で、鉄平さんも力が入っている。お客さんも、いつもよりも大きな手拍子や合いの手で盛り上げた。

ライブの1番手は関取花。

その声、歌の力は、あいかわらず圧倒的だ。ギター弾き語りで、弦の音は素朴ながら、どこまでも突き進むような強く澄んだ声が、ぐいぐいと彼女の世界観を押し広げていく。何者も逆らえず飲み込まれていく。トークはぐだぐだなんだけどね(笑)

1)汽車のうた
2)ラッタレ
3)塀と宇宙
4)石段のワルツ
5)めんどくさいのうた


2番手はヒグチアイ。

歌い始めた1曲目の途中で「アレ?」っとなる。歌詞が違うのだ。音譜あのころの私 若かった音譜というくだりが、確か音譜それでも私を好きだった音譜という内容に。どれだけ自分を好きやねん?笑

MCで「あの頃の自分は、無茶なことも色々してたけど、そんな自分がいま、とても好きなんです」と解説。大人になるって苦いことが多いと、改めて感じてるのだろう。そりゃあ、青い日々は記憶のなかで輝き続けるさ。

この日はなんとフジテレビの深夜番組の取材も入っており、彼女のステージをカメラがずっと撮っていた。3月中旬の放送らしいが、ヒグチアイが深夜とはいえ全国区のテレビで流れるという。感動だな。

そんなテレビを意識したのか、前半は丁寧に歌っており、感情表現の細やかさも伝わってきた。ただ、ちょっと物足りないかな、などと考えていると、「黒い影」の後半ぐらいから突っ走り始めた。やはり、そうでなきゃヒグチアイじゃない。

力強く、それでいて情感たっぷりに、心を激しく揺さぶる。それがヒグチアイだ。

ただ今の彼女は、ダイナミックに歌ったからといって、細部が疎かになったりしない。「東京」「ココロジェリーフィッシュ」と最後はたたみかけたが、それでいて歌に芸術性が滲むように。作品を表現しているのだ、という意識が以前よりもぐっと強くなっている気がする。

しっかり成長ぶりを見せてもらいました。

1)青い春
2)さっちゃん
3)黒い影
4)東京
5)ココロジェリーフィッシュ


そんなパワフルな二人を差し置いて、この日一番のステージで魅せてくれたのが斉藤麻里だった。

1・26リベンジワンマンから2週間の休養を経て、再び始動した彼女の最初のライブ。フレッシュであり、かつ以前よりも力強さを感じる素晴らしいステージ。鉄平さんもヒグチアイも大絶賛で、本当にその充実ぶりに感動した。

1曲目から彼女は全てをさらし、心のたけを込め、音楽を紡いでいく。その歌は心にまっすぐに飛び込んでくる。少しも目を離せない。それでいて目が合うとおのれが恥ずかしくなる。ここまで潔く裸になってぶつけてこられるとは。あのワンマンを経て、本当にアーティストとして一回り大きくなったのかもしれない。

1)夕焼けセンチメンタル
2)タイムカプセル
3)Baby Love Song
4)また会いましょう
5)ダイブ

その歌を聞いていると、様々な情景がまざまざと目に浮かぶ。感情移入してしまう自分を止められない。やられた!

この日のライブが、1年後の1月26日に開く500人ワンマン@渋谷O-WESTへの第一歩。幸先よいスタートを切ったと思う。


3人のライブ後は、ラジオの公開収録トークコーナー。

即興で「テッパン!Singirl」のジングルを3つ作るコーナーでは、さすがミュージシャン。ちゃっちゃっと、フレーズを決める。関取花も「できない、できない」と言いながら、ピアノの前に座ってパラパラ弾いているうちに「こんなのどう?」とひねり出した。やるね。

男性の好みでは、斉藤麻里「一重で食べ物の好き嫌いがない人」とヒグチアイの「骨がしっかりした人」が印象的。なんで、ひとえ?なぜ、骨?笑

鉄子による女らしさ調査では、半身浴やネイルに時間をかける斉藤麻里が断トツで女っぷり評価。一夫で関取は………藁

最後は、バレンタインに本命チョコを渡し、自分を振り向かせるコント(じゃないけど、笑えた)。麻里ちゃんの部のみんなにチョコを渡しながら、本命の先輩だけ耳元で「先輩だけ、特別なんですよ」と囁く戦略が他の二人もお客さんも唸らせた。やるねー、さすが年の●●w

そんなこんなで、楽しいイベントでした。

この模様は2月18日(土)27時~放送です。
最近、不調が続いている。飲みすぎなのか、睡眠不足なのか、仕事が忙しくなってるからか、まあ複合要因なのだろう。そのせいで、ブログ更新も途切れがち。ライブも何日か行けず、すっきりしない日々が続いた。

その中で昨夜、5日ぶりぐらいにライブへ。まあ、その位のペースの方が健全かもしれない、笑。

例のごとく行きたいライブは数多かったが、西新宿navicafeでまったりすることに。で、今夜も渋谷めぐみを聞く。最近は、彼女&サポートの高田さん、三井さんと会うと、くつろぐ。マイホーム、マイリビングみたいな感覚(笑)

この日のnavicafeはツーマン。最初に登場したのは、JamstownMagicだ。




女性ボーカル「erico」に、パーカッション横溝あつし、ギター&コーラス伊藤ゆういちの三人組。アコースティックでポップな音楽が魅力的。特に楽器の2人の演奏が楽しい。

1)風の強い日
2)音楽の魔法
3)空と君のラヴソング
4)銀の月跡?
5)puertnatalesにて
6)夕星

?なんか他にも歌っていたかも。個人的には、CDに入っていないが、PVがyoutubeにアップされている「音楽の魔法」は結構好きかも。いきものがかりのような素直なポップスで好感できる。疾走感もあり、アップテンポな曲が似合っていると思うが。

また、ボーカルのericoが南米チリの最南端の近くまで旅したときに作ったというpuertnatalesにて、という曲から多少なりともラテンの風を感じた。

彼らの歌はとても素直。そのことで逆に特徴に欠けるきらいがあり、物足りない感想を抱いた。ericoのボーカルには強さや際立つ個性があまりないので、彼らにしかできないオリジナルな音楽や楽曲の空気感をしっかり打ち出さないと、多くの人の心を捉えられないかもしれない。

そのヒントはpuertanatalesにあるのかなと思う。ラテンなり、もう少し広くワールドミュージック的な、ノンジャパニーズな無国籍音楽を志向したら面白いと思うのだけど。パーカッションの彼がいれば、できるような気がするが。

僕の頭にあるのは、「iora」というグループ。JamstownMagicにこそ、iora的な要素を欲しいなあ。
ioraのライブはものすごく燃えるし、楽しいよ。もちろん、まだまだ出し切っていないericoちゃんが、一皮む二皮も剥ける必要があると思うのだが。その才能はある気がする。


さて、休憩時間を挟んで後半戦。

渋谷めぐみ on stage だ。

今宵のサポートは先にも書いたが、ギターの三井さんと高田さん。この二人によるツインギター伴奏、回数を重ねてきたことで、お互いの手の内を把握し、息が合うようになってきた。その熟成が今夜は素晴らしい好演につながった。

今夜は、高田さんが初めてクラシックギターを持ち込んだことで、アコギの三井さんとの住み分けが一層明白に。柔らかいナイロン弦から紡がれるアルペジオが、今夜の見せ場をいくつも演出した。アルペジオといっても、そこは熟練の高田さんのこと、超絶なスピードで基本的にロック調にアレンジした楽曲にグルーヴを作り上げていく。アンコールのDEEPでは、それが最高潮に達し、拍手を呼び起こしたほどだった。

奔放になりかねないその高田さんの演奏を、がっちりと受け止め音楽に芯を通したのが三井さんだ。スチール弦で刻むコードは切れ味鋭く、聞く者の心を駆り立てる。そして高田さんのリフが終わろうとする瞬間に、すっと入れ替わり、自らも新たな見せ場を作り出す。入れ替わり立ち代り、達者な二人の演奏が交差する見事な伴奏だけでも、かなり聞き応えがある。



そこに、伴奏が良ければ、それを上回る声を聞かせてくれる渋谷めぐみのボーカルが、走り出す。navicafeは小さなカフェなのでPAに限界があるのが残念だが、今夜の彼女は調子が良い。

前半戦は抑えたバラードやカバー中心の構成にしていたが、初めて彼女を聞くJamstownMagicのファンの中からも「うまい」という呟きが漏れ聞こえてくる。

そして終盤、「ユメオチ」でお客さんみんなにサビの振りをリクエストし、一緒に踊りながら歌うころには大きな手拍子が広がり、会場にも一体感が。


ラストの「dejavu」でも、かなりテンポの速い曲ながら細かい手拍子がパーカッションのように広がる。それが演奏を下支えし、ハスキーながら憂いと力強さが共存する彼女の素晴らしい歌声が、ぐいぐいと音楽を引っ張っていく。ドラマチックな展開だ。

お客さんの数が少ないから盛大というわけにはいかないが、当然のように広がるアンコールにのせて歌った「DEEP」は今夜の最大の見せ場に。ものすごく盛り上がった。いいライブだった。

1)magic
2)trap
3)秘密
4)ビールの神様(トイレの神様かえうた)
5)三日月(絢香カバー)
6)真実の花
7)ユメオチ
8)dejavu
en. DEEP

今夜の2組には共通点があって、どちらも溝の口で路上をよくやっていること。そして、どちらも「音楽の魔法」がキーワードの楽曲があるという点だ。先に書いた通り、Jamstownはそのまま日本語、渋谷めぐみは「magic」というタイトル。かたや、いきものがかりのようなポップス、かたやジャジーなアルコールの匂いがプンプンする大人のミドルロック?面白い対比だった。

そして、やはり、渋谷めぐみはいいなあ、と再認識。プレゼンテーションというかコミュニケーション面がネックなのだが、彼女の音楽は間違いなくいいですよ。