2012年12月中旬以降に見たライブ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

2012年終わったね~。長かったような、短かったような。

この1年も色々なドラマがありました。別れもあり、新たな出会いもあり、新たな分野への挑戦もあり。もちろん、素晴らしいアーティストとの出会いや、興奮度MAXなライブなど珠玉の体験も数多く、No Music, No Lifeな充実した一年でした。

それでは、2012年、最後の備忘録として、見たライブをチェック!!

前回、矢沢洋子~大和田慧を梯子した12月11日までの7本のライブについて書いたので、その後からカウントダウン。数えてみれば計15本、つまり12月は計22本のライブに行ってた模様。そんなに行ってたかな?某W氏ほどではないが、うーん、ちょっと多すぎ(笑)

音譜 音譜 音譜

13日(木)見田村千晴レコ発ツアー『I handle my handle』-横浜編-@BBStreet
見田村千晴/The Soul Klaxon/wacci DJ:植松哲平

14日(金)『December Song Book'12』@赤坂グラフィティ
木下直子/飯田舞/渋谷めぐみ/郁彩

15日(土)『歌もん、ネタもん』@中目黒Bar OOPS!
池田夢見、渚around the round、三浦マサヒロ、三拍子、あきげん、モグライダー、マスダ社長、こもれび

18日(火)「あらためまして、こんにちは。~今年もお世話になりました~」@吉祥寺Star Pine's Cafe
チャラン・ポ・ランタン、蒸気青月楽団、なゆた

19日(水)池田夢見 初ワンマンライブ「夢見処開店!!in Tokyo」@渋谷 7th floor

20日(木)「東雲音楽工業忘年会」@下北沢 CLUB Que
キノコホテル、野佐怜奈、ザ・シャロウズ
  ダウン
同     「Xmas は◯◯◯で!! 」@下北沢CAVE-BE
ヒグチアイ、木村脩陸、Arisa Safu

21日(金)「この日は1組の持ち時間が40分になります day162」@代官山ノマド
郁彩/千佐都/金沢商店街。/平井ミエ/ヤスモトアキコwith Gt.sweet note

23日(日)X’mas Campaign in Tokyo Tower 2012 THANKS 54th Tokyo Tower Birthday & X’mas LIVE」@東京タワーフットタウン
蘭華

25日(火)「三大番長~東の陣~ 買って来いよ!番長にクリスマスプレゼント!」@渋谷gee-ge
ヒグチアイ(子番長大先生)、吉村かおり(裏番長)、マリエ(表音楽番長)

26日(水)DS Night's プレゼンツ 『女子な夜』 @渋谷7th floor
MEG-mi-TSUI、谷口深雪、久野友莉

27日(木)THE PERSUASIONS -KINGS OF A CAPPELLA-@丸の内COTTON CLUB

28日(金)「Loollipop Music」@渋谷 LOOP annex
hinaco、榎本くるみ、野上智子、響庭純、aoki laska

29日(土)坂本麗衣ワンマンライブ「ロードムービー第11章」@六本木1633
オープニングアクト:斉藤麻里

30日(日)「うたびとvol.2 ~晦日フェス~」@渋谷 O-nest
玉城ちはる / いいくぼさおり / 伊藤サチコ / KATA-KANA / 黒澤まどか / 多田葵 / 幸美美佳 / 吉村かおり

  音譜   音譜   音譜

では総括……

「やっぱ、野佐怜奈が一番ビックリマーク

以上



ってだけで1年を終わる訳にはいかないか~(笑)

この1年色々なアーティストのライブを見てきたけど、12月20日にライブを聞きにいって改めて、個人的な好みですが、野佐怜奈が一番お気に入りと再確認しました。ピチカートファイブの系譜を正統に受け継ぐ、渋谷系ポップスの極上品。そして、あのセンスと朗らかさを併せ持つ恥じらいある笑顔、スリムでおしゃれなスタイル、麗しさ!!そして、その歌声!響レイ奈の時代から彼女は、本当に音譜アバンチュール音譜な恋をしたくさせる存在。音譜アバンチュールに恋しよう音譜と歌う彼女の楽曲にはメロメロになってしまう。最新アルバムに収められた楽曲はどれも好きだな。ただ、響レイ奈時代のイーガルとの恋の3部作も良かっただけに、単独メジャーデビューであれが聞けなくなったのはちょっと残念だね~。


この日はキノコホテル支配人のマリアンヌ東雲のバースデーイベント。1番手の怜奈だけでなく、トリを努めるキノコホテルも目当てだったのだが、ふとtwitter見てたら同じ下北沢のすぐ近くのライブハウスCAVE-BEでこの後、ヒグチアイが歌うという。2番手のシャロウズを聞きながら迷ったが、キノコホテルの出番前にQUEを抜け出してCAVE-BEへ。支配人、誕生日を祝えず申し訳ない。

だけど、わざわざ見に行ったヒグチアイは、言うまでもなく凄味たっぷりの熱演。このところの彼女の進化のスピードには目を見張る。次々と生み出す独特の楽曲には、深く深く人間を掘り下げる衝撃作があると思えば、日常の出来事をすくいとり普遍的な感動を生み出す佳作も次々と生み出している。見るたびに新しい発見があるのがすごいな。



そのヒグチアイが、余興的なノリで時々ユニットを組む偉大なる先輩、見田村千晴のレコ発ツアーファイナルが13日、横浜BBStreetであったので、当然見にいく。彼女企画のこの日、ゲストがまた前からずっと見たいと思っていたThe Soul Klaxonというのだから期待値もかなり高かった。

The Soul Klaxonはご存知、横浜の姉御的なシンガーソングライターKAYOちゃんがボーカルを努めるアメリカンロックバンド。米中西部の田舎町の土の匂いさえ漂うようなアメリカ人のソウルミュージックテイスト溢れる楽曲には、ご機嫌にならずにいられない。ハスキーなKAYOのシャウトにはゾクゾクきてしまう。♪アメリカーナ♪ハイウェイ…などなど、心に響くフレーズがたっぷりで、懐かしくて堪らない。まだまだ荒削りなんだけど、そこも魅力なんだよな~。

そして、真打ちの見田村千晴の歌のすばらしさは、今さら言うまでもないところ。アルバム毎にテーマを変えることは不思議ではないが、新アルバム『I handle my handle』は、これまでの彼女にない表情がちりばめられている。聞いて特に感じるのは、彼女の歌の世界が大きく広がり、その表現手法がぐっと深くなったということ。一方で中島みゆきのカバーなど、彼女の学生時代の音楽の原点のような作品も含まれており、今まで頑なに隠していた内面を大胆にさらしているよう。「東京シネマ」「イス取りゲーム」etc.といった作品を、凛とした緊張感を濃厚に漂わせながら歌う姿は神々しくもある。益々、いい歌手になってきたもんだ。


12月は沢山のクリスマスから年越しまでの音楽イベントがあり、日程が許せば全部見たいところだったが、今年は日程的にも無理で数をかなり絞った形に。その中でやはり特筆ものは、30日に見たいいくぼさおり企画「うたいびとvol.2」だった。7th floorとO-nestで同時開催で総勢16組が出演していたので、両会場を行き来するのも乙だったが、今回はじっくりO-nestに腰を据えた。吉村かおりからKATA-KANA、伊藤サチコ、玉城ちはる、いいくぼさおりと聴きたいアーティストが目白押しだったからね。いずれ劣らぬ好演だったが、やはり特筆ものの大爆笑ステージとなった玉城ちはるが秀逸。2012年の締めくくりも姉御がやってくれました。お客さんをがばっと惹きつけ、そのスケール感たっぷりな歌で圧倒的な存在感を発揮。バックバンドと共にエンターテイメントなステージを見せてくれました。

そんな姉さんに決して引けを取らなかったのがトリのいいくぼさおり。ソロだったのにも関わらず、一声歌い始めただけで、彼女の音楽世界に引き込まれる。正当できれいな歌声と、圧倒的なピアノの技量、キャッチーな楽曲にたちまち虜になる。すでに十分実力派の彼女だが、今年1年でまた大きく伸びた事を痛感する。大きなステージや全国での数々のステージ、新しい試みに満ちた新曲たち。彼女を聞かずに、インディーズの女性鍵盤シンガーを語るなかれ、だね。


女性鍵盤シンガーといえば、もう一人、今月特にすばらしいライブで魅了してくれたのが坂本麗衣。29日に六本木The 1633で催したワンマン「Road Movie第11章」は、ロック魂を全開にして、熱く激しく、それでいて女性的な優しさに溢れた素敵なステージを堪能させてくれた。オープニングアクトの斉藤麻里の熱演&共演もあり、イッフィの興奮もののアコースティックギターもあり、何より飛び散る汗が象徴的な麗衣ちゃんの魂の発散に、ビリビリと痺れたね。


クリスマスシーズンは、久し振りに蘭華のライブを聞けて幸せな気分に。2013年に羽ばたくため蓄積中の彼女は、2012年はほとんどライブをしなかっただけに、東京タワーの足元で連日催されたクリスマスライブのひとコマに彼女が登場したのは、貴重なひととき。赤と黒をベースにした暖かそうなドレスがまたシックで、チャイナドレスや着物とはまた一味違った魅力たっぷり。寒かったけどホットワインをがぶ飲みしながら、その歌声に惚れ惚れしてしまった。彼女の2013年の活躍が楽しみだ。


他にも書きとめときたいライブが目白押しだったんだよな~。特に27日にみたアカペラの王様と呼ばれるThe Persuasionの来日コンサート@Cotton Club TOKYOは感動もの。さすがに主要メンバーはもう年寄りで往年の輝きはないかもしれないが、そのステージングの妙やツボにはまるコーラス、一人一人の歌唱力の高さには目を見張る。


そんな彼らに日本代表として対抗させるなら誰がよいか。個人的に面白いと思うのが、ちょっと搦め手だが、チャラン・ポ・ランタンではなかろうか。彼女たちのエンターテイメント性の高さ、楽曲のボーダーレスさ、醸し出す世界観は日本国内より海外の方が絶対受けると思う。すでにいくつもの海外公演で絶賛されている彼女たちが海の向こうで大ブレークして、日本に逆輸入されるのが楽しみなのだ。そんな存在ながら、彼女たちは他のどんなアーティストよりもライブ本数が多いかもしれない。年300本近いのでは。だから、いつでも日本で楽しめるのが何とも贅沢。18日の吉祥寺StarPine's Cafeのライブも、素晴らしくクオリティの高いステージに釘付け。彼女たちのライブには通ってないけど、毎月1回は見ておこうと決めている。いや、見ておかないと損するぞ。


今月後半はほかにも、池田夢見の初ワンマンや、hinaco、渋谷めぐみ & MEG-mi-TSUI、郁彩などなどの楽しいステージも。2012年を締めくくるにふさわしい、大好きなアーティストたちが華々しく彩る充実した音楽時間となりました。ああ、楽しかった。2013年へ向けて、パワーを貰えた12月でした。


それでは皆様も、素敵な2013年をお迎えください。