2011/12/11 佐藤ひろこバースデーワンマン@渋谷gee-ge | 音楽偏遊

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「佐藤ひろこBirthday LIVE 2011 ”RUN”」@渋谷gee-ge
出演:佐藤ひろこ  サポート:吉田佳奈子(pf/cho)ナオちゃん(ba)ゆうゆう(dr)
ゲスト:坂本麗衣(vo/pf/cho)ただすけ(pf/cho/flute!)
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今週3本目のワンマンは、またまたバースデー企画。佐藤ひろこ30th Anniversaryのワンマン。誕生日は12月8日なんだけど、その日は郁彩がここgee-geでバースデーワンマンやっており(出席!w)、佐藤ひろこは皆が集まりやすい日曜日の開催を希望したようです。

佐藤ひろこといえば、なんといっても、その「親しみやすさ」が一番の魅力。彼女に触れた人間は、彼女の前向きなパワーや裏表のない一本気な性格、まわりの人を幸せに笑顔にしたいという強い想い、姉御肌な言動、意外な繊細さ(笑)に、「こいつは信用できる」と無条件に思ってしまう。だから、ついていく(笑)

そして今夜は、そんな彼女だからこそできる、幸せなワンマン&バースデーパーティーだった。かなちゃんを始めとするサポートや庄司さんほかスタッフの面々、ゲストとして今夜のステージを彼女と共に作り上げた坂本麗衣とただすけ、そして彼女の地元、栃木県から駆けつけた身内や町長さんをはじめ、沢山のお客さん。皆が温かく彼女を祝い、彼女と共に穏やかでハートフルな空気を作ったね。

始終、「今夜はみんなに笑ってもらいたい」と話ていた彼女。そこここに笑いの仕掛けが盛り込まれ、たっぷり楽しませてくれた。中でも前半戦、ひとつめのポイントは、「ランパチプロレスのテーマ」か。

ランパチお笑いプロレスという、プロのレスラーではなく、お笑いプロレスで爆笑してもらい、皆に生きる希望と力を与えたいという団体。そこのテーマソングを歌い、解説も努めてしまうという佐藤ひろこならではの選曲。「次はランパチプロレスの…」と話し出しただけで、知ってるお客さんから爆笑が。それはそれは勇ましい曲!この季節、多数のワンマンを見ているが、これを歌えるのは佐藤ひろこしかいないぜ(笑)

そして、前半を締めた「かんぴょうのうた」。これまた、かんぴょう産地として知られる郷土の栃木県壬生町のかんぴょう大使に任じられた彼女ならではの1曲だ。これがまた、楽しい。何週間も前から「●●●なかんぴょう」の●●●部分の歌詞を募集していたが、今夜はオリジナルのサビに続いて、「それでは応募頂いた中から◎◎さん、◎◎さん、◎◎さんの歌詞を…」と次々と寄せられた言葉を曲にのせて歌って行く。当然、お客さんの中にも応募した人はいて、盛り上がる!盛り上がる!客席とステージの境目は消えて、今夜のワンマンはまさに皆で一体となって作り出していく。

その壬生町からは、町長さんや家族らが車を連ねて今夜のワンマンを聞きにきており、おっきな花束を彼女に捧げていた。

今夜、盛り込まれた企画はこれで留まらない。後半戦にかけて、これでもかと楽しい企画があって、佐藤ひろこを存分に堪能できるものに。この日のために彼女が知恵をしぼって、時間をかけて、準備してきたんだなと感動する。

その後半、最初にピアノソロ弾き語りで、今秋に発売したばかりの新アルバム「RUN」に収められた「よこがお」でしっとりと聞かせてから、意表を突くビデオ映写。しかも、初ライブ~デビュー~初ワンマンの模様を収めた超貴重な映像。しかも、初ライブではドラムを叩くパッキン金髪のヤンキー姿(笑)ひろこちゃんにも、あんな時代があったんやねえ。ショージさん、Good Job!

映像に続いて、「そんじゃ、なんでもリクエスト聞くよ~。何か歌って欲しいのある?」といきなりの客席へのフリ。いろいろ出て、選んだのはデビュー曲「たんぽぽ」。おおっ、はじめて生で聞いた。やたー。

ここからは、ゲストを交えた暖かくもわくわくのコーナー。ただすけさんは、佐藤ひろこがまだ高校生の頃に池袋で路上を始めたときからの仲だと、MCで知る。すごい長い同志なのだ。それだけに、トークの息があっていて、彼の柔らかい反応がほのぼの感さえ醸し出す。いいねえ。

でも、そのアコーディオンやピアノの音色がまた素晴らしい!佐藤ひろことの音楽をいっそう楽しいものにしてくれて、ユニットでやったらいいのにとさえ思える。そのただすけさんから、ハッピーバースデーの演奏も。お客さんも一緒に歌い彼女を祝ったが、今夜は実は何度も何度も彼女を祝う夜だった。

ただすけさんに続いて登場した今夜のゲストが坂本麗衣だ。麗衣ちゃんファンとしては、やはり彼女がピアノを弾き、佐藤ひろことただすけさんで演奏した「J-45」と、ひろこちゃんにとって今年を象徴する大切な曲となった「RUN」を坂本麗衣がコーラスで歌った最後が最も盛り上がった。

麗衣ちゃんからもハッピーバースデーの演奏&みんなの合唱を挟み、いかに佐藤ひろこが坂本麗衣の家に転がり込んで、たびたび居つくようになったか、などの爆笑トーク。そして「RUN」を熱唱。この曲は彼女が20代最後の年を「とにかく走らなきゃ」と決意を込めて、新年から掲げたテーマを歌にしたもの。彼女のすごく強い思いが込められていたね。


---------前半戦 with バンド---------
1)花びらにkiss    
2)ヤスラ木
3)レイラ
4)ランパチプロレスのテーマ
5)コイビトモダチ
6)愛が私を救ってくれる
7)かんぴょうのうた
---------休憩----------
8)よこがお (solo on pf)
~~ビデオ映写(1998初ライブ、2000デビュー、2001初ワンマンの秘蔵映像「たんぽぽ」「鳥」etc.)~~
9)たんぽぽ (リクエストでそのデビュー曲、solo on gt)
10)元気のみなもと (ただすけ accordion)
11)ただそれだけの事で (ただすけ pf) 
12)1/18 (ただすけ pf)
13)J-45 (坂本麗衣 pf/vo, ただすけ flute)
14)Happy Birthday (ただすけ pf, 坂本麗衣 cho)
15)RUN (バンド +ただすけ accordion,坂本麗衣 cho)
-------アンコール-------
en.1 はじまりのうた (バンドみんなと)
en.2 キセキ(新曲) (solo on gt)
en.3 1等星 (solo on pf)

あれ、どこかで「ハレルヤ」や「つよがり」歌ってたような気がするが、気のせい?このセットリストが正しいかちょっと自信ありませんが。今度確認してみよう。

さあ、そして彼女が目指した「笑って、笑って、時々泣いて、ほぼ笑う」ワンマンライブも盛大なアンコールでクライマックスに。

ここまでとっておいた「はじまりのうた」(てっきり最初に歌うと思ってた)をここでついに歌った。ひろこちゃん自身が話してたように、20代は助走期間であり、いよいよ30歳になってスタート地点にたどり着いた、という思いを込めての「はじまり」なんだなあ、と感慨にふける。

そのまま、この日のために作ったという「キセキ」、そしてやはり最後は「一等星」で締めくくり。途中、ハッピーバースデーを何度も歌ってもらうたびに泣いていた(目薬使って、笑)彼女も、歌いながら感極まった様子だったが、それでも最後は破顔一笑。すごく嬉しそうに、いい笑顔を浮かべていました。

うん、彼女のライブには「愛」があるねー。本当に心の底から、お客さんと一緒に、ゲストと一緒に、バンドメンバーと一緒に、このライブを作り上げようとしていた。その心意気に、皆惚れるんだな。いいワンマンだったあ。