「この日は1組の持ち時間が40分になりますday91」@代官山ノマド
出演:前田絢子 →大黒美和子 →渋谷めぐみ →Soah i →吉崎硝子
-----------------------------------------------------------------------
今夜のノマドは、ちょっと異色の、そしてその実力で全く飽きさせない個性的な歌手ぞろい。特に最初の3人を一度に聞けるなんて、こんな美味しいことはない。strobe cafeとか、他にも面白そうなブッキングライブは確かにあったが、躊躇なくこっちに。
ちなみにstrobe cafeは、篠木晋也、斉藤麻里や郁彩、noraなど、本当にいいアーティストが揃っていたが、知らない人は分からないだろうが、ノマド出演者も全く引けを取らぬ顔ぶれ。特にノマド初登場のSoah iは究極の秘密兵器だった(笑)
トップバッターは前田絢子。この6月に19歳になったと話していて、たまげる。その歌、その雰囲気はすでにハイトウェンティーズの貫禄。ど迫力のシャウトや唸り、落ち着きと才気、そして色気に、何度見てもぶっとぶ。
歌唱力が素晴らしい。おまえ黒人だろう、と思わず突っ込みたくなるようなR&BやSoulのグルーヴたっぷりな歌いっぷり。聞けば日本とフィリピンのハーフ。日本発のCHARICEになれる逸材だ。形だけでなく、歌力も伴うも格好よさ。洋楽もしっかり咀嚼し、自分の歌にしてから歌っており、彼女のパッションがびんびん伝わる。
日本のメジャーでは、彼女自身が好んでカバーしている福原美穂タイプといえよう。福原美穂もゴスペルからソウルまで、迫力たっぷりに素晴らしい歌唱力で聞かせる歌手。その後を追うような前田絢子のタレント性も、十分に上がっていけるだけの魅力がある。
今夜も、サポートにいつものギタリストARKと、サックスRJ。RJは、音楽を通じて意気投合するようになったという実の兄貴。息のあった二人を従え、のびのびと大好きな音楽を楽しんでる。
曲名は不確かだが、こんな感じ。
1)Break the Broken Road?
2)Make Me Wonder
3)ignorance
4)スマイル
5)LOVE YOU
6)恋はリズム (福原美穂カバー)
7)陰り
彼女のブログ左下にYouTubeの映像が貼ってあるから、ぜひ聞いてみて欲しい。すごいよ。彼女一人を見に行くだけの価値あるし、こんな風に彼女を気軽に見られるのも今のうちかもしれないぜ。
2番手は大黒美和子。
こちらも言わずとしれた抜群の歌唱力の持ち主。といっても、前田絢子とは全く違う、どちらかというとフォークのようなポップ。そして本人も認めるところだが、やや暗い(笑)しかし、その歌唱力は、若い前田絢子と違い、プロの演歌歌手として10年間も第一線で歌ってきた実績に裏付けられた、いぶし銀のような盤石さ。その発声、ピッチ、リズム、何をとっても揺らぐことのない安定感を誇る。
それでいながら、いかにも脆そう。多分にそれは、彼女の精神的な部分に負うのかと思うが、その繊細な感じがまた男心をくすぐるのだ(笑)そのはかなげだが、芯の揺らがぬ美しい声で、切々と歌うバラードは「泣ける」。本当に。今夜でいうなら、最後に歌った「To Live Without You」。涙がとまらなくなりそうな珠玉のバラードだ。
1)?(初めて聞いた曲。タイトル、教えてもらったが忘れてまったゴメン)
2)月が沈むまでの間に
3)初恋
4)真夏のエクスタシー(風味堂カバー)
5)悲しい星のうた
6)月の暈
7)To Live Without You
個人的には、本当にライブでは久しぶりに「月の暈」を聴けたのが嬉しい限り。「大黒美和子」として歌いだしたころにはよく歌ってたのだが、最近はほとんど聞く機会がなかったからね。
1曲目もタイトルを忘れてしまったが、彼女らしいバラードで、しっとりと引き込まれた。
そして2曲目の「月が~」も切ない曲だ。


その歌詞、もろ演歌だよね。それがまた似合っているのだ。何より驚いたのが、今夜のMCの中で、今度のライブでは演歌も歌ってみましょうか、と話したことだ。
10年やって見切りをつけた演歌に対して、昔は拒否反応のようなものがあったと思う。でも、最近、演歌もいいなあ、とようやく落ち着いて受け止められるようになった様子。それは素晴らしい事。すべての音楽が、今の彼女を形作ったのだ。その全ては決して無駄ではない、彼女だけの財産、彼女だけの宝物なのだから。彼女の演歌をいずれ聞けるのかと思うと、楽しみでしょうがない。
さあ、3番手に渋谷めぐみが登場だ。
前田絢子~大黒美和子と続いた素晴らしい流れを、彼女が断ち切る訳がない。心を奮い立たせる力強いパフォーマンスで魅了してくれた。
今夜はサポートギターに三井さん、キーボードにたまちゃんという強力な二人を迎え、acousticな箱でありながら、ロックなテイスト十分なステージ。特にたまちゃんのキーボードが激しく、1曲目の「ユメオチ」の前奏が始まった瞬間から一気にテンションを上げた。
熱いテンションを保ち「隠し事」。そしてシブメグのダークサイドをありありと堪能できる「trap」と続いた後に、なんと西野カナのカバー。10代ガールには絶大な人気だそうだが、大人の渋谷めぐみが歌うと、ちょっと違和感。
歌唱力はあるだけに、何でも歌いこなすが、アーティストとして持つ雰囲気や声質は、西野カナ向きじゃないかな。goosehouseで神田莉緒香が歌うなら合ってそうだが。むしろ、彼女の特異とするEgoWrappin'
やMISIA、中島美嘉、あるいは彼女のロッカーの素質を引き出せそうなSHOW-YAとか歌って欲しいな。
終盤はDEEP、東京とまさにロックなナンバーで再びのりのりに走り抜けた。これでなくちゃ。これだけアッパーな曲を作れる彼女もさすが。三井さんも、たまちゃんもacousticな箱なんて事をかんじさせない熱い演奏で、たっぷり楽しませてくれた。
そして、最後は歌に人生をかけた女の子が希望を持って生きる姿を歌い上げるバラード「奇跡」。彼女自身の姿と重なり、抑えていながら振り絞るよう出す彼女の声に、切なさが募る。何度聞いても、やはり彼女はいいシンガーソングライターだ。
1)ユメオチ
2)隠し事
3)trap
4)会いたくて会いたくて(カバー)
5)Deep
6)東京
7)奇跡
ライブ中の写真は撮れなかったので、終演後にビール片手にご機嫌なところをパチリ。
本人が公言してるので、秘密ではないが、大の彼女はビール好き。かつてコンテストでインタビューに答え、ジョッキで15杯なら軽くいけます、と答えて周囲を仰け反らせたという伝説も。
そんな訳で、三井さんかたまちゃんのどちらかが言い出したのだと思うが、最近、渋谷めぐみには「ビールの神様」という称号がついたとか(笑)
そして、三井さんが「トイレの神様」の替え歌を作詩(!)シブメグ本人が歌った音源が存在するとか、しないとか。その幻の音源が、10月31日に六本木EDGEで開かれる渋谷めぐみ企画ライブ「ハロウィーン祭り」に、仮装して来場した人の特典で配られるという噂が。
10月31日は、他の出演者も興奮もの。スカパラのようなホーンセクションを響かせ、ビックバンドの楽しさと分厚さで踊らせてくれるエンターテイナー「二人目のジャイナ」
、妖艶でエロカッコいい熱いロックバンド「Lady the Bitch」という二組だ。彼ら彼女らが仮装して、繰り広げるステージは楽しみな限り。
みんな、ハロウィーンは仮装して
六本木EDGEを目指せ!
4番手はSoah iが登場だ。彼女の登場で、それまでのノマドの雰囲気がガラッと変わった。
渋谷めぐみの後半辺りから、客席に身長170cmを軽々超えるような超美形のモデルやいかにもファッション業界人、Latin系美人といった顔ぶれが、ぞろぞろ客席の後ろの方に入ってきたのだ。
いまだかつて見たことがないノマド
の客席。ライブが始まると、その傾向は一段と強まる。ガラッと雰囲気を変えたそのステージに出てきたのは、やはり長身で長い黒髪をシャンプーのCMタレントのようになびかせながら、英語でラテンな曲を歌うSoah iだ。きれいなお姉さん、というより遊びを知ってる大人の女だ。
そもそも、入口の物販から違った。他のアーティストがCDを置いてる中で、美容関係の書籍を積んである。何?
彼女のステージは時を追うにつれヒートアップ。椅子席の後ろと入口周辺の彼女目当ての客は踊り出す。座ってるお客さんも立ち上がって踊ろうよ、と促す。前方の着席組は他のアーティスト目当ての客が多く、面喰らってる(笑)
そのうち、ブラジル人のような女性ーー仮にマリアとしておくwーーがごそごそ座席を掻き分け、空いていた最前列の一部椅子を勝手にかたずけ、ダンススペースを作り出し、客にカモン!って(笑)いいねぇ、この自由さ(^^)v マリアはそのまま、踊り回る。そう、それでこそラテン!といいつつ、僕は後ろで踊ってましたが。
続きは後で