Tiny Sunのワンマンを見に、恵比寿アートカフェフレンズへ。
ライブ会場が一体どこにあるのかと思ったら、野菜レストランで一躍有名になった「農家の台所」の真下やないか。うーん、ここの野菜フルコースが本当に美味!なんだよなあ。また食べたいなあ。思い出しただけで、よだれが出てくる。
「農家の台所」は、全国のやる気のある野菜農家の方々と直接組み、食の中の野菜文化を共に盛り上げていこうという志がいい。契約農家の方々の巨大な写真が店の内外に掲げてあるが、その面構えが意欲と慈愛に溢れていて、魅力的なのだ。ああ、この人たちが汗水たらして愛情込めて作ったのだと思うと、そこにある野菜がなお愛おしくなる。
そして、ここで食べられる野菜がまた、都内のスーパーで売っている商品なんかより、はるかに美味しいのだ。野菜はやはり鮮度が命。朝採り野菜がお店に届けられ、産地での美味しさをそのまま味わえる。メニューには、自分が作った野菜を最も美味しく食べるそれぞれの野菜農家さんの食卓の工夫も生かされていて、嬉しい。
掲げられたパネルの中に、僕が直接野菜を買っている人もいる。鈴木光一さんだ。店の外側の高いところから見ると、まっ先に彼のパネルが目に入る。今、風評被害に苦しんでいる福島県の中通りで、真摯に野菜と向き合っている種のエキスパートでもある。新しい品種の野菜開発と、その生産販売を通じて、野菜による地域の特産品=食文化の創出にもかけている熱い兄ちゃんだ。彼の農園の野菜は、本当に美味しい。
福島は農業県だ。もちろん兼業農家も多いし、情熱をかけていない人もいるかもしれない。でも、多くの専業の野菜農家の方々は真剣に向き合って、美味しく安全な野菜を作る努力を日々続けている。その情熱がいま踏みにじられている。
エネルギーは国を左右する重大な要素であることは間違いないが、農家の方々への心配りが無さ過ぎるのではないか。「食」だって「エネルギー」と同じか、それ以上に重要なものなのに。一時的な所得補償は必要だが、中長期的に日本の農業を繁栄させる哲学は見えない。単なる票集めの手段になってないか。
と、言いたいこと多々あれど脱線し過ぎ(笑)本題へ戻ろう。Tiny Sunのワンマンだ。
先日のツーマンで感じた物足りなさを、今夜は見事に払拭。全21曲、たっぷり堪能できた。
会場は天井が高く反響が良すぎるくらい広いホール状のカフェ。そこに、いつもの美女?三人組とベースを加えた4ピース。いい音がよく響く。
ゆったり座れるテーブル席が30卓ほどで、お客さんで埋まった。客層は彼女らの友人女性が多いが、お父さん(著名カントリーギタリスト)つながりと思われるおじさん、おばさんも多数。ファン層が幅広いのが、Tinysun の特徴でもある。ただ、手拍子とか広がりづらい面も。客席の一体感かあると、こっちも着火しやすいのだけど。
演奏する彼女らは、客席がどうあろうと全力投入だ。1曲目から、さえちゃんもバンジョーで、アッブテンポにスタート。Drifterでまたアゲアゲだ。ただ、合間にはしっとりと「精いっぱい」「ただ好きだった」「海に眠る街」などのバラードが利いている。
今夜、通して聞いた印象も、二人がとても丁寧に、心を込めてうたっている、というもの。アッブテンポな曲も楽しいが、今夜の会場に彼女たちのバラードがよく合っていた。
第1部の3人の衣装は赤と黒でミニ。あゆちゃんは襟の開いた赤のワンピ、下に黒のタンクトップ?。さえちゃんは黒ワンピ。そしてタイニーの「おしゃれ番長」河村舞子は黒レースのアンダーに、赤いバラが咲き乱れるドレス、そしてショートブーツ。ちなみにベース竹村君は黒のデニムパンツに白ワイシャツ。舞ちゃんの色気はさすが!
最前列に座ってしまい、近すぎて3人一緒に写せないな。
「ただ好きだった」ではさらに、あゆちゃんがキーボードの前に出てくるから一段と近くに。navicafeなら全く気にならない距離なのだが、ここで切々と♪あなたが好きだった~♪と歌われると気恥ずかしくて目をあわせられない。別に自分のために歌ってくれてる訳ないのにね(笑)
なんてことない「なんてことない~」が何故か一部のお客さんにおおいに受けて、1部最後はMusic Life で再び賑やかに。相変わらず、さえちゃんのお酒の失敗談がやはり爆笑を誘った。
<1部セットリスト>
1)真夜中の思い
2)精一杯
3)Drifter
4)ただ好きだった
5)海に眠るまち
6)Country Road
7)忘れないで(新曲)
8)なんてことない二人
9)Music Life
<2部>
10)終わらない夏
11)C.C.Rider
12)バイバイバイ
13)誕生祝いのうた~タイトルなんだっけ?「出会えた奇跡」かな
14)ラプンタメンタ
15)さよなら、ありがとう
16)?
17)やじま
18)Hello
19)悲しい月
en.1 Tiny Train
en.2 This Little Light Of Mine
衣装直し後の2部は、3人ともマキシ丈のムームーのようなフワフワドレス。さえちゃんは、青の無地ワンピにビーサン(笑)あゆちゃんが生真面目な印象の無地の白。そして舞ちゃん、胸回りだけデニムで、ハイウエストから茶色と白のボーダー、きれいなハイヒールのサンダル。さすが!
後半戦は新曲をちりばめ、「やじま」や「さようなら、ありがとう」など硬軟織り混ぜ、より最近のTinysun の音楽をたっぷりと。締めは名曲「悲しい月」。ラストのコーラスが素晴らし過ぎる。そして、泣くように主線を守り立て、間奏を自分のステージにしてしまう舞ちゃんの艶やかなバイオリンの見事さ。
Tinysun による、きれいなステージだった。乙!