この日の出演者は、吉崎唯、Mami、sure2の3組と、番組パーソナリティーでライブの進行役も努めるシンガーソングライター、渋谷めぐみの4組が、それぞれの持ち味をステージで披露。異色のマッチングで、なかなか面白いライブになった。注目はやはりMamiちゃんと渋谷めぐみだ。
少し開演に遅れて到着すると、1番手の吉崎唯がカラオケで歌っている。素直でやや幼さを感じる声。秋葉系か。諌山実生の「恋花火」やnaoの「君があなたが」をカバーしていたが、やや力不足。
聞けば数年前まで路上で歌っていたが、しばらく音楽活動を休止していたとか。ようやく復帰へ動き出したところという。これから、歌いこんでいくよう。頑張って欲しい。
2番手はMami。おしゃれな帽子を目深にかぶり、フェミニンな衣装で登場。ステージに彼女が現れたらだけで、華やいだ雰囲気。と同時にそのファッションセンスに芸術性さえ感じて、ライブへの期待感がぐっと高まる。こういうの、アーティストには重要な要素だよね。
友人やお母さんを始め、沢山応援団がいて、初めてのライブハウスにも緊張してない様子。緊張してるように見せないのが、彼女の取り柄ともいえる(笑)ただ、ほげっとしているだけ、という説(by母)もあるが(笑)
中年ギタリストの星?しゃうじさんがギター、パーカッションはryota。しゅうじさんは元々、Mamiちゃんの歌の師匠だったが、今は音楽活動のパートナー。楽器弾けない彼女が鼻唄などで作った曲を譜面に起こし、アレンジまで担当している。
そう、渋谷めぐみと高田さんの関係と全く同じで笑える。楽器できないことで、出演の場が限られてしまうのも同じ。しゅうじさんと高田さん、共に50代に見えるが、出逢いと別離という点では高田さんの方が間違いなく経験豊富だろうがな(笑)しゅうじさん、ありえないくらいウブだしw今日、彼が歌った「君らしく」やよく歌う「2度目の初恋?」とか聞くと、今でも女性に幻想抱いているなあと思うよね。
さて、Mamiちゃんのライブ。今日は新曲2連発でスタート。まずは夏の始まりに思いっきり遊ぼう、という楽しいアップテンポな1曲。彼女の明るい性格が滲み出る。どんな曲調でも歌いこなす彼女のセンスにはいつも驚かされるが、こういうシンプルにノれる曲もいい。「全てはいま」は、こんなこと、よく思春期のころに考えたなあ、と思う歌詞に共感。友達が軒並み結婚し子供も生んでいる中で、のんびり屋のMamiちゃんもようやく思春期に入ったのかな(笑)そんな結婚した親友へ歌ったのが「ヴァージンロード」。彼女の愛情を感じる1曲だ。
<セットリスト>
1)夏へトライ
2)全てはいま
3)君らしく
4)ねぇ
5)ヴァージンロード
6)LIFE
その中で、今夜特によかったのが「ねぇ」と「LIFE」。ともに彼女が2年ほど前に作ったファーストアルバムの収録曲。これが、どちらもいいんだ。多分、彼女を初めて見たライブでも、この2曲を聴いて、ファンになってしまった気がする。
「ねぇ」は、ちょっとクラブっぽいノリから始まる雰囲気ある1曲。「もっともっともっと私を愛して」と囁く女性の心の揺れを、艶やかに表現力豊かに歌っていく。彼女と接していて感じることないような色気が発散している。不思議。歌っている時は、経験豊富な魅力的な女性で、惹かれてしまう。あ、いや、普段が色気ないと言っているわけではありませんよ(笑)
「LIFE」はタイタニックやディズニー映画のテーマソングのようなメロディーラインを持つ、スケールの大きさを感じる名曲。それを、彼女がふところ深く、おおらかに高々と歌い上げる。彼女の歌唱力をつくづく感じる。さびで




いい歌手だよなあ。もっともっと、この世界で活躍して、知名度も上げ、多くの人に聞いて欲しいと本当に思う。映画やドラマプロデューサーさん、彼女の歌はドラマのテーマソングにぴったり合うと思いますよ~。ぜひ、一度聞いてみて。
3番手はsure2(シュアシュアと読むらしい)。このグループが異色なのだ。
1曲目をkey.&vocalのけいさん♀が一人で弾き語り。あれ、さっき転換の際にギターのセッティングとかしていたよなあ、と思いきや2曲目からgt.ともう一人、ブラックスーツにレッドYシャツ&派手なネクタイという衣装が際立つ男性が楽器も持たずセンターに。何者?と疑問符が浮かぶ。
そして曲が始まると、驚愕!このセンターさん、手話担当なのだ。しかも、単なるNHKの手話ニュースに出てくるような生真面目な手話ではない(まあ、衣装見れば分かるがw)。アップテンポな音楽にも合わせて、手話しながら踊っている。斬新!
玉城ちはるも、過剰なくらい大きな手話のアクションつきで歌うが、彼は一切声を発さず手話しながら踊ることに専念しているから、その動きの大胆で大げさなこと。ものすごいインパクトだ。うん、これはありだなあ。かなり楽しめた。
1)光
2)キャラメル
3)光の中へ
4)JOY
5)ノックダウン?
6)Beautiful Night
さあ、そして番組パーソナリティの渋谷めぐみがオオトリだ。
この日は、アコースティックギターに高田さん、ベースに坂下さん、キーボードにたまちゃんというサポート陣で、幾分ゆったりしたリズムのアコースティックなステージを繰り広げた。
彼女の持ち味が一番発揮されるのは、フルバンドをバックにぎんぎんにロックな演奏の時だと思うが、こうしたアコースティックも、最近は割合アッパーな感じになってきて楽しい。アコースティックなら「奇跡」や「Day After Day」などしみじみと聞かせる名曲もあるのだが、この日は比較的ノリのよい曲中心のセットリスト。
1)秘密
2)eternally
3)trap
4)ユメオチ
5)会いたい
en. DEEP
力強く、深く、酒焼けのためか(笑)ハスキーな声が、夜の酒場やシリアスな愛憎劇を思わせる曲調に似合う。実際、1曲目の「秘密」とか歌詞をよく聞くと、かなりやばい関係の男と女のストーリーだし、「trap」は救いようのない暗さを秘めている。昼ドラにはまる主婦ではないが、そのたまらなく魅惑的な世界観に、吸い寄せられてしまうのだ。小林未郁のような毒はないけどね(笑)
その歌詞を聞いていると、いったいどんな恋愛を彼女がしてきたのか思いめぐらせてしまう。彼女によると、詞は基本的にすべて妄想で作っているという。それでいて、詞はすべて実体験に基づいていると話す詩~uta~の歌と似通っていたりするところが面白い。
しかし、未郁さんや詩ちゃんと比較される歌手って(笑)そんな歌詞を書きながら、曲はロックというところが彼女の二人との大きな違いか。今日のセットリストでいえば、eternallyやDEEPなどは、バンドで聞くと、その迫力あるボーカルと深い表現にはまってしまう。格好いいんだよね。
それでいて、ラストに歌った「会いたい」は、愛おしささえ感じるバラード。激しさとかわいさというアンビバレントな側面を併せ持つ彼女の複雑さが、これまで彼女のファンを続けている理由なんだろうな。
今夜の収録ライブの模様は、毎週火曜日22時から「かわさきFM79.1MHz」で聞けるので是非、聞いてみて。パソコンのSimul Radioでも聞けるそうだよ。