2011/8/24 Tinysun & BlueRose @NaviCafe | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

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「」@西新宿navi cafe
出演:Tinysun、BlueRose
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知り合いの多くがクアトロに行ったこの夜、自分は西新宿navi cafeへ。

今夜はツーマン。その2組ともが、オガワマユよりずっと縁があるのだから当然の選択。それに、そもそもこの2組でツーマンやってはどうか、とnavi cafeの店長と数か月前に話したことがきっかけになったブッキングでもある。来ない訳にはいきません。

先攻がBlue Rose。元々は4人組の自称クラシカルクロスオーバーという分野のグループ。先日、麗しき?フルート奏者が抜けて、ボーカルのサマンサ、keyboardのヨッシー、パーカッションのセクシィの3人で活動を継続中だ。

その音楽は、かなり異色(笑)以下のセットリストを見れば、何者なのか頭をひねるだろう。それを、バラエティーショーのように、笑いをとりながら演奏していく。今夜もサマンサとセクシィの、なんともいえないトークを挟みながら、声楽家のサマンサの強力な美声で、クラシックの古典やイタリア民謡、オールディーズから童謡まで演奏してしまう。

<セットリスト>
1)風になりたい
2)森の熊さん
3)愛の讃歌(タヒチ語版、Bメロをサルサ風に)
4)アベマリア by シューベルト
5)アベマリア by カッチーニ
6)アベマリア by グノー
7)Shadow of Pale
8)ふる里
9)夕焼けこやけ
10)赤とんぼ
11)O Sole Mio



特に「愛の賛歌」は、お客さんはみな知っている曲なのだが、何語で歌っているのか不明で、頭の中にクエッションマークが飛び交っていた様子。後から「タヒチ語です」と聞いて、ああなるほど、となるはずもなく、なんか絶句。こういう意表をつくことを、毎回ライブで何かしら考えている連中なのだ。

それでいて、ふるさと~赤とんぼにかけて郷愁を漂わし、オーソレミオではサマンサが声楽家として全力で歌いあげ、彼らのステージをどこか高貴な感じに仕立てあげる。補足するとサマンサは1m80cmを超す女性で、彼女が本気で歌うと迫力たっぷりなのだ。

彼らは一体、どこへ向かっているのか、謎だ(笑)とにかく、面白いグループ。フルートに代わるメンバー加入の噂も。


さあ、そして休憩後に「Tiny Sun」の登場だ。

あゆこ、さえこの谷姉妹に加え、バイオリンの舞子ちゃんがほぼレギュラーで演奏する3人組。こちらはカントリーポップスとでも言おうか。その3人が紡ぐ音楽が、とっても優しくて、好きなんだなあ。

今夜は、3人とも白い衣装で登場。毎回3人で色をそろえてきて、それが彼女たちらしい華やかさと仲の良さを印象づける。今夜は、白で清楚な感じ。晩夏に似合う雰囲気だね。



<セットリスト>
1)Music Life
2)終わらない夏
3)あなたがいなくても
4)さよなら、ありがとう
5)海に眠る街
6)C.C.Rider
7)やじま
8)Hello
9)悲しい月
10)Tiny Train
11)This Little Light Of Mine

いつもの通り、さえちゃんがバンジョーを掻き鳴らし、舞ちゃんのバイオリンがフィドルして、あゆちゃんのキーボードも弾け、彼女たちのテーマソング、Music Life でスタート。バンジョーとフィドラーが入るカントリー風のサウンドにウキウキしてくる。よくアメリカの映画で、田舎町のレストランに夜ごと地元住民が車で集まり、カントリーの生バンドの音にのって踊り、飲み、騒ぐシーンが出てくるが、そんな雰囲気を作り出す。やっぱ、この楽しさがTiny Sunの魅力だよね。

そして「終わらない夏」から「海に眠る街」までしっとりと聞かせる。特に「さよなら、ありがとう」のさえちゃんのボーカルが結構好き。いつも、酒飲んで潰れる話とか、いかにいいかげんなやつか、とかがMCであゆちゃんから語られるさえちゃんだが、この曲のボーカルだけ聞くと「ああ、こんな風に優しく歌える女性は、きっと素敵に違いない」と思えるだろう(笑)

ここから、またアゲアゲに「C.C. Rider」。チャック・ウイリスののんびりした雰囲気とは違い、カントリーテイストでノリノリ。エルビス・プレスリーの歌ったCCRiderに近いか。まあ、あれほどはエロくないけど。オリジナルって誰なんだろう?そして、ひさびさの「やじま」だ。いやー、この曲聞きたかったんだよねえ。これもまた、アッパーな激しく踊れる曲。タイトルは結局、「やじま」で固定してしまったのが笑える。

そして、ライブの頂点はやっぱり「悲しい月」。このバラードこそ、Tiny Sunのコーラスの魅力が一番表現されていると思う。サビの最後、狙って響かせる不協和音のようなハーモニーが耳にこびりつく。これがいいんだよね。

最後は再びさえちゃんのバンジョーにのせて看板曲でもあるTiny Trainを楽しく、賑やかに歌って大いに会場を盛り上げて、その流れで定番のThis Little Light Of Mineへ。この古いゴスペル曲がまた勢いがあって、ノリノリに。Tiny Sun版はかなりアッパーなアレンジにしてるよねえ。

昔、アメリカの教会でノリノリの聖歌隊が歌ってたのを思いだす。いくつかの聖歌隊が次々に登場するサンクスギビングのお祭りみたいなものがニューヨークの教会であり、僕がいた聖歌隊は気難しいラテン語の聖歌を歌ったのだった。あれは楽しかった。

さて、アンコールには、なんとBlueRoseが登場。Tinysunとの6人編成で「見上げてごらん夜の星を」と「森の熊さん」。サマンサとさえちゃんのツインタワーが並ぶと、さえちゃんでさえ小さく見えてしまう(笑)二人の間に挟まったあゆこちゃんが、とても小さく見えてしまう。さらにバイオリンの舞ちゃんやカホンのセクシィの美女と野獣に、後ろに隠れたヨッシー。あの狭いnavi cafeによく入ったものだ。



サマンサがリードして、その後をTiny Sunの二人が追っかける「森のくまさん」では、とにかくさえちゃんが楽しげ。こういうのが、精神年齢が若い?彼女によく似合っている。子供好きのあゆちゃんも嬉しそう。ほかの対バンだと、「えぇ、森のくまさん?」と嫌がりそうだが、とても自然に楽しそうに歌うこの2人を見ていると、家族や仲間を大切にする優しい性格が滲み出て、こっちも優しい気分になる。

ほとんどリハなく、ヨッシーのわがままで合わせた舞ちゃんのバイオリンもソロでも聞かせ、改めて魅せる。彼女のクールでビューティなバイオリン姿は、Tiny Sunにとっても魅力だよね。

9月2日には、彼女たちのワンマンが恵比寿アート・カフェ・フレンズで19:30から。あの有名な野菜レストランのある建物だと思う。あそこの野菜コースは美味しいよ。また行きたいなあ、ワンマンもだけど野菜レストランも(笑)