2011/8/21 坂本麗衣 ゆるりワンマン@gee-ge | 音楽偏遊

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

坂本麗衣の「ゆるりワンマン特別編!今夜はgee-geで会いましょう」だー!パチパチ

今夜は夜勤。その時間までに見られるベストライブといったら、これしかない。浴衣の皆さんには申し訳ないが、新横浜からでは間に合わないのでそちらは欠席です。

銀座から急ぎ渋谷に駆け付ければ案の定、オープニングアクトの斉藤麻里の声が。♪地球最後の日だとしたら、君に会いたい~♪と歌っているところ。そして、もう1曲最後に盛り上げて帰るよ~、と元気よく「ダイブ」。ダイブにさえ間に合えばと銀座を引き付けて出てきただけにラッキー。

ダイブのコール&レスポンスで、会場はぐっと熱くなる。坂本麗衣の前はこれぐらいのテンションでないとね。しかし、その斉藤麻里の勢いでさえ、今夜の坂本麗衣の前ではぬるま湯に感じるほど。今夜の坂本麗衣はアチチだった(笑)

特別編と銘打った今夜のスペシャルなワンマン。まず1曲目の「或る午後の日の衝動的なロック」で、一気にギアを上げる。今夜にかけた情熱は時を追うごとに一段と鮮烈に。汗も飛び散る全身全霊の熱いパフォーマンスで、見ているこっちも血もたぎる。叫びたくなる、いや途中からは叫んでいたか。

サポートは、いつものイッフィ(gt)とノナちゃん(dr)、さらにベースのまーくんを加えたゆるりバンド。坂本麗衣のピアノ&ギターを加え、その分厚い音の一体感が、素晴らしいグルーヴを醸し出す。音だけでもウッヒョーだ。

特にノナちゃんのドラムがビンビン響く。彼女のドラムは超レア。これが、無茶苦茶格好いい!そして怒った(笑)イフィのギターリフが、これでもかと炸裂。まるでどうやー、これだけ弾ける奴、他におるかーと訴えてるよう。実際、訴えてたのか(詳しくは後述、笑)

そんな熱い演奏に載って、坂本麗衣の入魂の歌が激しくロックする。僕がよく見る女性シンガーソングライターの中では、バンドを除くと、そのロック魂は随一。荒牧リョウや渋谷めぐみもいいけど、ステージング含めた総合力では、やはり彼女が一番かも。

ライブは2部構成。どこを切っても汗と入魂(笑)彼女のおっとりした美形という外見から想像もつかない熱さで、どの曲もグルーヴ満開だ。

1部では、Jackson5まで格好よく決めて、MOTOWN好きなんだなあ、と。その辺りに彼女の歌の原点があるのは、彼女の曲から感じてたが、したりしたり。その後にBilly Joel。こっちはちょっと彼女の声にあってなかったが、でもこういう洋楽がすきだっていう気持ちが溢れていて、気持ちよい。

そんな1部のハイライトと言えば、「J-45」だろう。

J-45は彼女のマイギター。そのJ-45を掻き鳴らしロックする、自身の魂の叫びをぶつける熱い1曲だ。僕が1番好きな曲でもある。それだけに、いくら斉藤麻里でも、気軽にコラボ感覚で歌ったら許せん、なんてちょい厳しい目で見てた。

しかし、斉藤麻里の愛機も実はJ-45。麗衣さんもピアノを離れJ-45に持ち替え、ステージ中央に二人が並ぶ。ツインJ-45&ツインボーカルで歌い始めると、おお!ジャカジャカと二人がギターの音を重ねると壮観。そして、斉藤麻里のボーカルが想像してたものよりはるかにいい!

交互に歌う自分のパートを、借り物ではなく、しっかり自分の歌のように租借し力を込めて熱唱する。♪ルールなら自己流です、文句言わせない♪って(笑)勿論、そうなれば彼女も魅力的なシンガー。輝いてくる。兼ねてから坂本麗衣のファンで、ライブも聞き、J-45を歌いたいと思ってた、と話すだけの事はある。

続いてTry Again。麗衣さんがピアノに戻る。J-45より麻里ちゃんの見せ場が多いが、ワンコーラスフルに歌って、難しい高音のフレーズもうまーくまとめて、訴えかけてくる。これはすごい。サポートのミュージシャンも、斉藤麻里が格好よくサビを決めると、こいつやるなあ、と彼女をみた表情が忘れられない。セットリストはこんな感じ。


<1部>
1.ある午後の日の衝動的なロック
2.HAPPY★LIFE
3.I love you,Because you are you
4.悲しみが揺れている
5.雨のうた~どしゃ降り編~
6.I want you back (Jackson5 カバー)
7.Pianoman(Billy Joel カバー)
8.J-45 (斉藤麻里を呼び込み、坂本麗衣もギターに変え、迫力のツインギター&イフィon pf.で)
9.Try again (麗衣on pf./斉藤麻里&イフィon gt.)

2部
1.夜明け前のステージ
2.キラキラ
3.ギフト
4.Soul Singer
5.ゆるりバンドのテーマ
6.Drive my car
7.JOY
8.Jumping to the freedom(波とラッコ)
9.遠くから

EC
1.Imagine
2.ナナイロミライ

2部は新曲もあり、古い曲もあり、多彩な彼女の顔がみえてくる。途中で斉藤麻里がバースデーケーキを持って登場、ベースの彼を祝う場面も。

また、ハンドマイクで歌った「ゆるりのテーマ」では、メロディーにのせて歌うメンバー紹介に、彼女のメンバーへの愛と、辛辣さ(笑)と、即興でも極めて上手く音にのっていける音楽的才能を感じた。やはりすごい。

そのとき、イフィの紹介で歌った言葉がマジ批判ぽくて(半分冗談なのだろうが)、彼もブスッとしてたのが可笑しかった。

最後はやはり「遠くから」。彼女の歌のスケールの大きさや、思いがぎゅっと詰まった名曲。これを聞いてるだけで、さえぎるもののない大地で一人、変わりゆく大空の色を見つめながら、風に身を任せているような錯覚さえ覚える。いい曲だあ。

アンコールは定番のImagineと、本当の最後にナナイロミライで、疾風のように盛り上がって終幕。最高の一夜だった。最近見たライブではベストの一つに。圧巻でしたー。楽しかったあ。

その後に出勤も、ライブの余韻は抜けず。仕事に集中できなかった(笑)