2011/8/16 やもとなおこ、木下直子@Nomad | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

代官山ノマド「ビューティフル&ワンダフルミュージックnight vol.19」
出演:後藤一哉(o.a.)、田中麻美、やもとなおこ、木下直子、高橋あすか、en

翌朝早いので、ちょっと遠い下北沢に行くのを躊躇ってたら、近場でやもなおと木下直子が出るライブ発見。しかも、一昨日来たノマド。前にノマドのスケジュール見たときは載ってなかったが、2人の出演は数日前に決まったらしい。ラッキー。

急遽決まったためか、実力ある二人が2番手と3番手に出るというのも珍しい。後がやりずらくないか?結果として、そんな心配は底抜けに明るい高橋あすかと、独特の世界を持つマイペースのenには杞憂だった。最後まで楽しめるライブだった。

で、やもとなおこ。相変わらず歌は最高、トークは爆笑の楽しいステージだ。

1 始めてのチュウ(ワンコーラスだけ)
2 お気に入りのアンブレラ
3 GO THE LONG WAY
4 千日紅
5 乾杯したい
6 僕らの3万ピース

始めてのチュウで掴みはOK。この曲を格好良く歌ったアーティストランキング(音楽偏遊調べw)で、やもなおは見事2位に。1位は勿論、キムタクなんかじゃなく、伊太知山伝兵衛さんだな。ブルーズ系強し。いいものはいい。龍之介版も聞いてみたいな。やもなおのフルコーラスも聞いてみたい。

そんな彼女のブルージーな魅力が溢れるのがGo!the Long Way。ギター掻き鳴らしながら響かせるハープの郷愁の音色が迫ってくる。少し掠れた、ちっちゃい体から出てくる声はハープに負けず劣らず哀愁を漂わす。

次の千日紅、波の音を入れた音源を四谷天窓に忘れてしまったので、頭で想像しながら聞いてとMC。するとPAボックスでこそこそ、即座に波の音。ナーイス、PA!しみじみとしたバラードが引き立つ。こういうスローな曲ほど、ブルージーなやもなおのいい。

最近作ったという「乾杯しよう」、初めて聞いたがノリが良い。一緒に歌えたらいいなあ。ライブ見ながらこの曲で乾杯するとか、できたら楽しそうだな。



続いて木下直子という豪華リレー。

おとといは1曲だけで、もっと聞きたいなあと思っていたところ。こんなすぐに聞けるとは。しかも今夜は、冒頭から聞きたいと思っていた僕の好きな曲を3連発。まるで僕がリクエストしたようで嬉しくなる。

特にこの時期になると、やっぱり木下直子の「ひまわり」を思い出す。前に女性SSWの楽曲から選りすぐり、花をテーマにした曲を集めたCDを作ってよく車で聞いていたが、その中にも当然この曲をセレクト。何度も何度も、人の背より高いひまわり畑で、母の手を握り締める幼い女の子の姿をイメージしたものだった。

この曲のイメージは、その後彼女が作った「私を守るもの」にすっとつながった。木下直子の歌作りの背骨みたいなものを、感じた原点だった気がする。

そして「硝子細工」だ。こちらもまさに木下直子の原点の1曲。僕が彼女を知ったのは、彼女がこの曲を歌い始めたずっと後だけど、この曲を聞くたびに木下直子のひたむきさ、誠実さ、優しさ、それらを集合した彼女ならではの世界観が、ダイレクトに心に響いてくるのだ。

毎年、8月15日にこの曲か、「生きとし生けるもの」を歌うことにしてきたとMC。「今年は16日になってしまいましたが」と話して歌いだした「硝子細工」は、やはり胸にジーンときた。追悼であり、追憶であり、そして人類への希望を込めた彼女の思いの大きさを感じる。

彼女の妹分を自任していた廻田彩夏が、歌で世界平和を実現したいとよく話していた。なぜマワリーが木下直子に惚れたのか、これらの歌を聞いているとよく分かる。木下直子の歌は、平和と人類愛への希求に満ちているのだ。ノマドという小さいライブハウスで歌っていながら、その歌の世界は限りなく大きい。聞く側がイメージできるなら、その歌の力はとても大きく羽ばたく。

1 ひまわり
2 硝子細工
3 赤いくつのワルツ
4 夢の島
5 HERO(新曲)
6 ツヨガリ、ヨワムシ

「赤いくつのワルツ」は、ちょっと木下直子っぽくないけど、格好よいワルツ!迫ってくる。そして、一昨日も聞いた、夏の明るさあふれる「海へ行こう」じゃなくて(笑)、「夢の島」だ。イルカも飛び跳ね、海へ行きたくなるような楽しい曲。

さすがの音楽センスとベテランの味、その楽曲は全てクオリティが高い。絶対に外れがないというのが凄いよね。新曲「HERO」もこれから磨きをかけていくと、すごい面白い曲になりそう。なんてたって高速手拍子を求められる、今までの彼女のレパートリーになかったお客さん参加型の1曲だから。きっとこれから、あちこちで歌っていくだろう。


さて、今夜のノマド。田中麻美と高橋あすかは聞いたことがあったが、初めてだったのが「en」。ブッキングマネのイノケイトの隠し玉、enはめったにライブをしないアーティスト。普段はスタジオ中心に活動していて、数ヶ月に1回、ノマドだけで歌っているらしい。この彼女がまた格好いいんだ。

金髪の男装の令嬢のような雰囲気。タカラヅカちっくだが、その歌も壇れいとかタカラジェンヌも歌いそうな、おしゃれで大人の雰囲気を漂わすジャジーさがある。その歌唱力にもびっくり。きっと彼女は面白い音楽的な蓄積をもっているのだと思う。うーん、もっと詳しくしりたいアーティストだった。

そんなこんなで夏休み明けのノマド2発目も、かなーり楽しめた夜になった。


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