まずは1番手のJiminy Cricketを見に二夜連続で代官山LOOPへ。この日は若いバンドが総勢5組出演ということで、当初は最後まで居るつもりだった。客層は当然若く、バンド関係者ばかりといった雰囲気。そんな会場がまだ熱くなる前の1番手で登場だ。
今夜のJiminy Cricketの出だしは、「朱に交われば~」ではないが、よくいる頑張ってる若手バンドの一つといった赴き。一人一人はそこそこ上手いのだが、ステージングがちょっと消極的。バンドなのだから、もっとギターとベースが前に出てボーカルと共に盛り上げても良い。パートごとの見せ場を、もっと派手に作って会場を沸かせて欲しいかな。
ボーカルの小玉しのぶも、上手いのだが、前半戦は他のバンドボーカルとはっきり違いが出るほどの輝きを発しない。1番手はエンジンかけずらいよね。
ところがラスト2曲、彼女がアコギを手にして弾き語りを始めると、俄然バンド全体が輝き始めた。善くも悪くも、リードボーカルの存在感は大きい。達者なアコギの音がバンドサウンドに厚みを増したことに加え、小玉しのぶがその非凡な才で見せ場を作り、バンドを目に見えて牽引することで、どこか散漫だった音が集束した感じ。その音にのって彼女の非凡な歌唱が、ぐいぐい客席にも訴えかけてきた。
彼女の熱く、切迫感のあるボーカルがさえる。バンドも彼女自身もまだ若く、十分にロックしてないが、だからこそ伸びシロは大きい。熱いハートで、もっともっと攻めていけば、このバンドはなお良くなるはず。彼女も簡単には枯れない強い声帯を鍛えれば、すでに華はあるだけに、格好いいロックボーカルになれると思う。期待度大だ。
Jiminyだけ聞き、そそくさと代官山Nomadへ転戦。徒歩10分とかからず、ひなたなほこの演奏が始まったところに滑り込む。
実は彼女も聞きたかったので、ちょっと嬉しい。彼女の場合は、歌を聞きたかったというか、彼女のステージを見たかったというのが正確ですが(笑)ひなたなほこの、心からの明るさが、本当にほんわかした気分にしてくれる。色々な癒し系アーティストいるけど、彼女の癒し度は間違いなくトップクラス。とっても馬鹿でピュアになる(笑)
今夜はいっくんの伴奏つきだ。
・目を覚まさなくちゃ
・そっか
・本気のシュークリーム
・ミディアムボーイ(月間ノマド、今月の新曲)
・おにぎり
・I(アイ)
草食系男子をうたったミディアムボーイも、明るく楽しい。個人的には、強がりな女の子が切なく呟く「そっか」でみせる彼女の表情が大好き。
ひなたなほこはボーカリストというより演技者だなと思う。ステージは、歌を借りて語る一人芝居の趣。コロコロ変わる豊かな表情と、そのチャーミングさに惹かれる。だから、「ない


続いて登場したのがヒグチアイだ。この日はちょっといつもと違うセットリスト。
1)家出ガール
2)本物と正直
3)ジャーニー
4)幸福人生 (月間ノマド、今月の新曲)
5)さよなら愛しき人
6)東京
7)巡る記憶
「今日は昔の歌をうたおうかな」と話して、音源になってない曲をずらりと並べたちょっとレアなステージ。時には、こういうのも面白い。最後の2曲は最近の定番で締めてくれたしね。
かつてより間違いなく向上した歌唱力で歌い直すことで昔の歌を再発掘する――最近のそんな試みは、彼女が前へ進むワンステップなのだろう。昔より上手く歌える、そんな自信もほの見える。ちょっと、いい感じになってきた。
この日初披露の月刊ノマドの新曲「幸福人生」もドラマチックで、歌い込めばなお良くなりそう。最近のヒグチアイには、満ち満ちた向上心があって、本当に次のライブが楽しみなのだ。
さて、次の安里麻紀も聞きたかったが、次があるのでNomadを退散。急いで芝浦Cube326へ。この続きは次のブログで。