2011/5/17 渋谷めぐみ @六本木club EDGE | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

高田馬場から六本木へ急行。六本木交差点から東京タワーを目指し、飯倉片町交差点の手前を右折。20メートルほど進んだ左手のビル地下2階がEDGEだ。渋谷めぐみが自身の誕生日である12月29日に、バースデーワンマンライブを毎年開いている会場だ。

この日は通常のブッキングライブでスリーマンになる予定だったが、なぜか他の二組が急に出られなくなり、急遽ミニワンマンに。本人も、サポートの演奏陣も急遽構成を見直し、曲数を増やしたとのこと。サポート2度目のドラマーは初演奏曲が増え、当日リハと本番までの間に頭に叩き込んだという。

ところが演奏は、そんなところ微塵も感じられぬ好演。それどころかいつにも増して攻撃的でパワフルなビートでグルーヴがあり、おおいに会場を沸かせた。

少し高田馬場を出た時間が想定より遅く、会場に着いた時にはすでに3曲歌い終わったところ。受付で聞こえてきたのが、六本木心中だ。彼女は以前、EDGEでこの六本木心中を一度カバーしたが、アコースティックバラードにアレンジしての演奏だったため、ちょっと物足りなかった。

ところが今夜の六本木心中は、ギンギンのロック。扉越しに聞こえてくる彼女の声は、すごく力強く通っており、虜にされそう。勢いが漲っている。これは、アン・ルイスよりいいのではないか?一気にアドレナリンが放出されたかのように興奮してくる。扉を開き、中に入るとそこには、ボリューム感たっぷりのバンドの音にのって、絶好調の渋谷めぐみが歌っている姿が。うひょー、今日は間違いなくいい調子だ。

セットリスト
1) sky
2) magic
3) 涙
4) 六本木心中(カバー)
5) 隠し事
6) 星
7) 咲来~サクラ~
8) ユメオチ
9) 東京
10) Deep
en. Day After Day

ワンマンにしては、曲数少ないが今夜は致し方なし。でも、これだけ気持ちよく声が出ているのだから、もっと聞きたい気持ちになる。うーん、惜しい。

サポートの構成は、エレキギターの高田さん、キーボードがヨっシー、ベースに坂下さん、ドラムが安井さんというフルバンド。いずれも達者な奏者でドラム以外は常連メンバー。渋谷めぐみの音楽をよーく分かっているだけに、勘所をおさえたリフやアレンジで聞かせる。

星や咲来を除くと、ほぼ全体的にロックな曲調。元々がジャジーな曲もこの日はシャッフルが効いて疾走感がたっぷり。そこにパワフルで少しハスキーで、それでいて艶があって色っぽい彼女のボーカルが縦横無尽に響き渡る。ステージアクションこそ抑えめだ(というか動かない、笑)が、体が揺れる。踊り出したいくらい。

最後のユメオチ~東京~DEEPという、ノリノリのナンバーをたたみかけたラストは、まさに興奮もの。女性ボーカルのロックバンドも色々聞くけど、ぐるぐるやさめざめより好きだなあ。彼女の歌力はどちらかというと、Superflyとか阿部真央らに通じるかなあ。改めてSHOW-YAの寺田恵子のようなボーカリストになれる才能だと感じる。

足りないのは自己表現力か。東北人のようにあまり我を表に出さないところがあり、トークも成長しているが相変わらずたどたどしい。せっかく曲で盛り上げたのに、MCで緩んでしまうのがもったいない。もっとも、そのぐだぐだ感がいいというファンも多いようですが、玉城ちはるとか見習って欲しい(笑)漫談も含めて、爆

最後は拍手の中で一旦ステージ脇の影に。アンコールを求める手拍子でステージに戻ってくるという、当たり前なのだが普段やらないことをやって笑いを取る。そのままアンコールに突入することが多いからね。で、しっとりとバラードの名曲、Day after Dayを歌い上げた。心に沁みました。

やはりシブメグはいい。一皮も二皮も剥けて、ステージングが達者になったら、相当ファンをつかめると思うのだがなあ。現在、FM世田谷で1時間番組のパーソナリティも努めているし、ぜひトークの技量を上げて欲しいと願う。

こういうライブを聞くと自分も歌いたくなる。夜が明けるまで歌ったのは言うまでもない(ということはないけど)