10/12/13 清家千晶 さめざめ 冷凍れもん@Milkyway | 音楽偏遊

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

渋谷ミルキーウェイに清家千晶がでるというじゃないですかビックリマークこれは逃せません。万難を排し、渋谷へ。今日彼女を久々に聞いて、やっぱり彼女の歌と才能は次元が違うこと(単に上手いとかではなく)、そしてそれが僕自身のツボなのだと再認識。心奪われたね。

この日は、ミルキーウェイお得意の女性アーティスト勢揃いナイト(最後の1組?は男でしたが)。 いずれの出演者もクオリティ高いステージで、スタートからラス前の清家千晶まで音楽を堪能でき、さらにライブ後には素敵な音楽バーを発見。音に酔いしれる楽しい一夜になりました。

その出演者は、順に冷凍れもん、大谷雅恵、さめざめ、清家千晶、DD5(もしかしたらもう一組いたが、ここまでで退出)。でも、なぜか2番手に清家千晶が登場すると思い込んでいたため、そのステージが始まった時、驚愕し、あまりの勘違いに密かに大爆笑してしまった。

というのは、1番手の冷凍れもんの後にスクリーンが上がると、暗いステージ上に女性アーティストが男性ダンサー2人と縦にZOO並びしており、カラオケの演奏と共に踊り出したのだ。じっくり歌で聞かせる清家千晶の華麗なる大変身か!?と驚いた。いや、顔の感じとか背格好も似てなくもなかったし、あの清家千晶だから(笑)何か突拍子のないこと唐突に始めることは十分ありうるので。金髪ウィッグに大きなだて眼鏡ってのも、清家千晶やりそうだし(笑)

もっとも、にわかに始めたにしてはダンス上手すぎ。よくよく見れば違うじゃないか。歌声も違う。当たり前か。でも、アップテンポでノリの良い「Killing My Caddy」というこの曲が楽しくて、踊り出したくなる。

ハサミをチョキチョキと空間を切り裂く振り付けが印象的で、ファンの人達も一緒に踊ってる。彼女と男性ダンサー2人が着ているお揃いの黒いTシャツには、赤く血がたれたように「Killing My Caddy」の文字が。なんかこのアーティスト、好感度高い。

曲後の自己紹介で、「こないだ解散したメロン記念日の大谷雅恵です。これから1人で頑張っていくので応援お願いしますドキドキ」とあいさつ。またまたビックリ。解散したことも(というかまだ活動してたことも)知らなかったが、いわばアイドル。こうしてハロプロを脱し(?)1人になっても、音楽を続けていきたいと頑張る姿に拍手。

「まだオリジナルは2曲しかありませんが」と話して、2曲目のバラード「endless love」を1人で熱唱。なかなか良かった。詞は初めて自分で書いたとのことだが、曲はこなれており、それなりの作曲家によると思われるる。歌唱力もプロのボイトレに鍛えられてきただけの事はある。曲はつんく風ではなかったが。

この後、女性ボーカル「さめざめ」のバンドユニットがSEXやコンドームなどの単語を散りばめたハードな歌詞ながら、女らしい(というのかな?後で触れます)演奏で魅せた後、ようやく清家千晶の出番だ。

今宵もアコースティックながらフルバンド従えて、フラーと登場。いつものように曲間や曲中でも!ステージの上を漂うように動きながら、そのボーカル一声で、全てを超越してしまった。

体はゾクゾク震え、頭は白くなり、自分も異次元の海を漂う感覚。彼女の声にはの魔力があるのだ。それまでのれもんだの、メロンだの、SEXだのといったと「思考」はぶっ飛び、純粋に音楽という波紋だけしかない不思議の国に放り込まれたような。

そう、この感覚こそ僕が清家千晶を愛し、レスペクトする最大の理由。この際、人間性は関係ない(笑)人間を超越するのだから、って紙一重な話ですが。

多分、僕の中に彼女の発する何かに反応する特殊な受容体があるのだ。彼女の音楽は万人受けするとは思えない。でもそんな彼女の存在があったからこそ、このブログを音楽偏遊と名付けた訳でもある。

何かを受容してたのは僕だけではない。その場にいたアーティストの少なくとも何人かは、かなり感じるものがあったみたい。さめざめも、客で来ていた鎌田純子さんも、かなり響いていたようだった。

清家千晶セットリスト
1)オルゴール
2)electric sense
3)スミレ
4)Fly Me To The Moon
5)ユラー
6)花唄

今日のバンドはいつものウッドベースやアコギ、ドラムに加えてキーボードが加わり、少し違ったアレンジも。ところどころ効果的、別の箇所では音が整理できてなくて、せっかくの清家千晶のボーカルとかぶる部分もあった。electric senseの最初の音符君の目、君の手、君のスタイル、君の夢…音符というところは、もう少しバックの音抑えて、彼女の歌声でじわじわじわっと攻めて欲しかった。

だが、圧巻はやはりスミレ。アカペラの出だしの圧倒的な質量ビックリマークブラックホールの深淵に、一気に引き摺り込まれるような響き。ああ、歌ってここまで奥深くを表現できるのだと涙しそうになる。

そして、ユラー。まさに彼女自身の揺らぎが、圧倒的に迫ってきて、自分の足元さえ覚束なくなる。彼女の世界に身を浮かべる幸福。

ラストは優しさと哀しさに満ちたスローバラードの花唄を、渾身の力を絞り出して歌い上げた。とにかく100%音楽でできている清家千晶の全てをぎゅっと濃縮したような歌が、空間を埋めつくす。他の誰も清家千晶に代わり得ない、唯一絶対の存在感。素晴らしい歌手だと、僕は思っている。

これだけで大満足なのだが、「冷凍れもん」と「さめざめ」も良かったので、後で彼女たちについても書き足していきたい。取り敢えず、いったんアップ