この日出演したのは、午後6時スタートというのに、なんと6組×各40分近く!出演順に大黒美和子、岡田淳、fuzzy、片岡百合、川崎萌、柊奈緒という豪華な顔ぶれが揃った。
出演者をひと月ほど前に見て、すぐ懸念が。何時に終わるんだ?という疑問もさることながら、あのこじんまりしたライブハウスに6組のファンが集まったらどうなると思ってんだ

いつもは20~30人も客が入ればほぼ一杯、というこの小屋に、なんと最初から最後まで常時60人以上の客が押し合いへしあい状態。1番人気のfuzzyの出番の時には80人くらいまで増えてたのでは。いくらなんでも、もう音楽を聴く状況ではない感じ。鈴ん小屋は靴を脱いで、友達の家に上がるようなくつろいだ雰囲気が特長のライブハウス。こういうことは、他のライブハウスでやって欲しかったなあ。ねえ、ふわふわさん。
まあ、そんなだから6人のパフォーマンスに縦糸を通すような、テーマ性は感じられなかった。オムニバス形式とでも呼べるステージで、それはそれで良いのだが、結果として個々のパフォーマンスの力量の差が如実に現れたようだった。
この日の出演者のうち、fuzzyを除く5人のライブは一度ならず見たことがあるので、僕なりに好みもはっきりある。しかし、この日、1番気に入ったのは初めて聞いた「fuzzy」だった。なんというかメジャー感があって、これぞプロという大人のステージを見せてくれた。
また柊奈緒の緊張感のある密度濃いステージ、川崎萌のかわいらしい声ながら落ち着いた大人の楽曲、大黒美和子の絞り出すような歌もなかなか良かった。とちり続きだった岡田淳と面白味に欠けた片岡百合は、物足りなかったが。何よりトリの柊奈緒を最後まで聞けなかったのが残念無念。終わるのが遅すぎだよ。
セットリスト
大黒美和子
1)一人夜
2)初恋
3)夜空
4)憧れ
5)コール
Fuzzy
1)メッセージ
2)カフェラテ
3)one day
4)Robinson(スピッツのカバー)
5)100円?
6)フレンズ
川崎萌
1)傘をさすよ
2)日だまりカレンダー
3)色のない花
4)Happy Christmas
5)あなたに続く道
6)小さな家
柊奈緒
1)宝石箱
2)ゴースト
3)主よ、人の望みの喜びよ(バッハ)
4)Scarborough Fair (Simon&Garfunkelが歌って有名になった英国の民謡?)
5)・・・・・・ここから先は聞けませんでした。
最近の柊さんは、シンセで作り込んだ音にピアノと自分のボーカルをかぶせて、表現力を増している。昔から、ピアノだけの弾き語りながら、静かな激情が火花を散らすような緊迫感があったが、音の分厚さを加えてますますドラマチックになってきた。今日は途中で帰らねばならず物足りなかったので、今度は「柊の部屋」にも行こうかな。
fuzzyは、この日の出演者の中で唯一のバンド。ボーカルの斉藤蘭が率いるバンドのメンバー2人は共にアコギ、サポートにパーカッション(カホン)とベース。このメンバーでおしゃれでジャジーな音楽を奏で、確かな歌唱力で聞かせる斉藤蘭がツボをとらえた表現力で、聞かせた。
客を詰め込み過ぎで、儲け主義に走っているのかと疑いたくなる運営だったが、出演者がみな良い演奏を聴かせてくれ、ライブそのものは楽しかった。
でも、鈴ん小屋みたいな小さな箱でやる時は出演者のノルマを軽くするとか、出演者数を減らすなど主催者は考えねばいかんよね。アーティストに呼ばせるだけ客を呼ばせておいて、入りきれない、座れない、暑すぎて酸欠になる、そんな状況を作り出しちゃいかんでしょう。