昔、この辺りにDISCOブーム末期のあだ花となったジュリアナやゴールドが開店し、僕らも六本木から流れたものだった。どちらかといえば、ゴールドがとても刺激的で、踊り疲れたら、朝まで開いているおしゃれな湾岸カフェなどで夜を明かした。しかし、芝浦ブームは数年で消え去り、その後DISCOは忽然と廃れていった。
田町駅からボーリング場の裏へと歩きながら、ふと記憶が蘇ってきて、あの頃の青さを思い出し、にやけてしまった f(^^;俺にも青春があったなあ。
さて、今夜は片岡百合企画「HAPPY NOTE PARTY ~音楽でラララ」(こんなタイトルだったかな?)。出演者は順にSIO、ink-ribbon、きしのりこ、吉村かおり、片岡百合の5組。吉村かおりしか知らなかったが、芝浦に来たかったのでね。
この日注目したのは、吉村かおりの音楽の自由さ、それをまとめきる才能。今日もまた堪能できたが、他に、きしのりこの明るさが心に止まった。
1番手のSIOはまだ歌い始めて日が浅いのかな。地声をきれいに出せるようレッスン受けていけば、良くなるかも。曲想がやや単調なので、自分の世界をもっと広げたらいいだろうな。
2番手のink-ribbonは女性Duo。ギターのサッコがメインボーカルで、キーボードのノリカはコーラスが多い。サッコの声は、強くない中島美嘉のよう。スローな楽曲中心で、リラクシングな音楽志向か。もうちょいアップテンポで、声も出す曲の方が、2人の雰囲気に似合ってそうなのだが。おしゃべり好きらしいしね。
3番手にきしのりこが登場。名前は聞いたことあるから、色々ライブやってるのだろうな。市川市出身と歌ってたが、どことなく顔の作りが岸けいこ似。親戚?この日はプリーツのワンピースにピンクのローヒール、髪は明るめで毛先をクルッと巻いて、その間からドレープのように長く垂れ下がる、金色のピアスがキラッと光る。お嬢様風。
その歌はポップで明るい。似合ってると思う。でも、キーボードのタッチが、曲調に似合わず重いのが残念。そのため、お客さんの中に手拍子が広がらない。明るい曲を数曲弾いたが、少し盛り上がりに欠いたまま終盤のバラードへ。
もっと軽やかに、弾むように明るい曲を弾けたらいいのにもったいない。SHUUBIとかいいくぼさおりの鍵盤は、その点でも見事。きしさんも参考にされてはいかがかな。
1)おうちでパーティー
2)特殊能力
3)東京散歩
4)HOME
5)つばさ
曲によっては、「ウェディングベル」という昔のヒット曲のボーカルの声とかぶる。比べると、きしさんの方が、ふわっと歌ってる感じ。もう少し、声にしっかりした意思を持たせると、いいかな。
4番手にお待ちかね、吉村かおり登場。今夜もサポートにパーカッションにマービーを迎え、2人の楽しいステージに。ていっても、それはトークが中心。この日の選曲は、全体的にシリアス。
1)闇とユートピア
2)あなたの中で目が覚める
3)フロート
4)さよなら、愛しき
5)テールランプ
6)きみのあした
1)は、どことなくいいくぼさおりに似ている。同じ素材を吉村かおり流にアレンジしたらどうなるか試した感じ。いいくぼさおりならきれいにまとめるところを、吉村かおりの音は飛ぶ(笑)。すごいのは、それで破綻しないどころか効果的にさえ仕上げるセンス。
たまたま引き合いに出したいいくぼさおりと比べると(あまり似てないよ、笑)、発想の自由さ、冒険心などは吉村の方が勝るところもある。完成度は保Pチェックもあるいいくぼ作品が全体に高いが、鍵盤弾き語りアーティストの表現の枠を広げる可能性を彼女は秘めてると思う。
きしさんに比べても、鍵盤の弾み方が違うかな。最後に歌った「きみのあした」ではかなり大きい手拍子が客席から巻き起こったが、吉村かおりがグルーヴを作り出してるからだね。
曲も面白いし(笑)


ラストは主催の片岡百合。初めて聞いた。色々と企画やってる様子。そういうのが好きなのかな。アーティストとしては、ハセガワミヤコを小振りにして、さらに庶民的にした感じ。
最後は出演者全員で、お客さんとじゃんけん大会。我ながら弱し(笑)でも、楽しめました。