10/11/10 Andy Suzuki、MiyuMiyu、コークジーンズ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

二日酔いと寝不足の体を引き摺り、渋谷O-nestへ。あまり行かない箱で、出演者はMiyuMiyuしか知らなかったけど、今夜は楽しかったなー。

3組のアーティストを見たのだが、中でも特筆すべきはAndy Suzuki。彼は日本でスターになるかもしれない、そんな予感を抱かせる何かを持っていた。

身長190cm以上のすらっとした体と真面目そうで甘いマスク。鹿児島出身の日本人の父親とアメリカ人の母親の間に生まれ、ニューヨークで育ったハーフ。NYのライブシーンで活躍した実績。たどたどしい日本語も愛嬌だ。チャーミングな笑顔は、おばさんにもモテそうだ(笑)

しかし、彼はそうした外見的な長所だけの歌手ではなかったよ。

英語のネイティブスピーカーならではの強く、抜けの良い声帯。スケール感と力強さをあわせ持ち、パッショネイトな声。体に似合わず繊細そうなハート。ポスト平井堅の本命登場か。

日本デビューのため作ったという日本語の2曲はまだ完全に自分のものにしてないようで、英語のサビ以外はハートが伝わりにくかったが、何より良かったのは彼が母国語の英語でキーボード弾き語りした2曲。

最初に歌ったビートルズの「Let It Be」と、最後に歌った彼のオリジナルバラード「300 Pianos」。特にラストの方は、実の父親への気持ちを込めた名曲で、音符Father音符から始まる歌詞が心に響く。歌に魂が詰まっていて、彼の才能を感じずにいられない。でも、この曲以前何処かで聞いたことあるのだが、彼の音楽ってすでに何年も前から日本に紹介されてたのかな。それとも、これもカバー?

因みに、この他にも2曲の日本の歌をカバー。外国人が日本人を前にすると歌いたくなるらしいスキヤキソング=上を向いて歩こう、は挨拶代わり。そして、もう1曲彼が選んだのが森山直太郎の「桜」だ。

日本の歌手ではアンジェラ・アキを崇敬し、森山直太郎をよく聞いているという音楽の嗜好から分かるように、彼の音楽も決してロックやパンクではない。どちらかと言うと、叙情的なポップスだ。ピアノ弾き語りでもあり、どことなくビリー・ジョエルにも通じるNHK向きな優等生かね。もう少しブルージーな寂やワイルドさが欲しくもあるが、まだ若いし色々な可能性がありそうだ。

この日が日本での初ライブ。にも関わらずサポートミュージシャンも達者な顔ぶれ。テレビカメラも2台入り、すでに相当な仕込みが入ってる様子。チェックしなかったので所属やレコード会社はわからないが、売り出し中なのだろうな。いずれ音楽番組などに頻繁に顔を出すようになるだろう。

さて、この日の目当てのMiyuMiyuが登場したのは、そのAndy Suzukiの前。久々に聞いたバンドバージョンは、パンチがあり、緩急静動のメリハリが効いて、アコースティックの時よりぐっとドラマチック。個人的には、MiyuMiyuはやはりバンドがいいな。

特に大好きな「Last A Way」というアップテンポな曲を今日も歌ってくれたけど、この曲の疾走感はバンドでなくちゃね。シャッフルのきいたドラムが入って、el.gt.をかき鳴らしながら歌う眼鏡のゆきこちゃんのボーカルの格好良さは最高。優しく、かつ爽快感たっぷりの声を聞いてると、愉しくなる。悦のアーティストだな。

そう、この日もmonaレコに引き続き、Capockの女性ドラマーが合流。こないだのアコースティックライブではカホンで物足りなそうだったが、今日は全開で迫力のドラムを響かせ、前に出ていた男性バンドより勢いとグルーヴを作り出していたな。

やっぱり、バンドのMiyuMiyu好きだなあ。

さて、彼女たちの前にやったコークジーンズ。こいつらも注目株だ。この名前にピンときたとしたら、きっと深夜の音楽番組で活躍中の姿を見たことあるのかもね。あえてちょっと古いサウンドで武骨に勝負しており、なかなか面白い存在感ある。最後にはあの歌も披露。楽しめたよ