単純に歌の技量など比べれば、メジャーになっていくシンガー達にはかなわないかもしれない(といっても相当なレベルだよ)。身長だって低いかもしれない(笑、関係ないか)でも、廻田彩夏には彼女にしかない魅力が溢れている。人を元気にして、笑顔を広げることだ。
「やめないで」
それが僕の、そして多くのファンの本音だ。今日も沢山の人が彼女をみにきて、ライブ後にもっとずっと聴きたいよ、と声をかけていた。
だが、しかし、マワリーのもう1つの魅力こそ、彼女を輝かせていることもまた、みんな知っている。それは、ドンキホーテになることを恐れず、世界中の人々を幸せにするという野望へ邁進し続けてることだ。
笑い話のように聞こえるかもしれないが、至って真面目。これまでも頻繁に途上国に行って路上ライブで恵まれない子供たちを元気づけ、支援活動にも全力で取り組んできた。NPOの親善大使として、ライブやCDの売り上げを寄付し、アフリカの窮状を訴えるセミナーなどでパネリストをつとめた。意志の疎通に必要と、英語やスペイン語も頑張って学んできた。
その小気味良さったらあまりにも痛快

おっと感傷的になりすぎた。話をライブに戻そう。
今日は、渋谷gee-geがまたまた走らせ始めた新企画「ジージでラララ」のvol.1だ。イマイチ他の企画との違いや、この企画の狙いが分かりませんが(ラララといった感じのアーティストは最後の2人位だったしな)、その第1回目のトリに廻田彩夏は確かに適任。期待?に違わぬ元気で笑えるチャルラララなパフォーマンスでした。
あ、チャルララとは何かって?「お答えしよう」(マワリー風に、笑)この日は歌わなかったけど、彼女のご機嫌な代表曲の曲名であり、彼女が自らのハンドルネームにしている「笑顔な気分」を表す擬態?語。ってなんだそれ(笑)こんな解説必要ないか

セットリスト
1)カシグレ
2)ひとりぼっちでワルツ
3)キンモクセイ
4)おまけのストラップ
5)20日の金縛り
6)I'm With You
en. The Colored Rainbow(スペイン語バージョン)
最初は定番のカシグレ。タッタラ、タッタラと前奏のピアノを彼女が元気よく弾き始めるだけで、なんか嬉しくなる。ああ、今日も元気一杯なライブやってくれるんだなと期待が膨らむ。
初めてマワリーを見た時に惹かれたのもカシグレだったなあ。この日は久し振りのライブハウスだったが、しっかり「行くべー」も決めて(笑)、絶好調。やや気負い過ぎなくらいで、次のフレーズの出だしで息を飲んでしまい歌詞がつまったり、勢いよくピアノ弾きすぎて指がおっとっとになったりした点はご愛嬌。全体を見ると以前より、表現の深みが増している。
特にバラードの「キンモクセイ」などは、昔のアルバムに入ってるバージョンと比べると、よりぐっと心に迫ってくる。只今制作中で11/28のラブ中山由衣とのツーマンで発売するというベスト盤では、新しく録り直したキンモクセイ入れて欲しいなあ。
さて、この日の選曲は、今触れた2曲以外は比較的古い作品ばかり。「20日の金縛り」(正しいのか、この曲名で?)などは、彼女が19歳の時に作ったという。初めて聞いた。
「卒業」まで限られたライブの機会に、自分の音楽史を振り返りたいのだろう。来年3月には、全ての彼女の作品はお蔵入りしてしまうのだから、その前にステージで1曲1曲、最後の光を当ててあげないと可哀想だよな。シンガーソングライターにとって、作品は我が子のようなものだから。
次のライブでも、蔵出しの曲が楽しみだな。見に行くべし。日時は11/12、「真昼の月 夜の太陽」という新しいライブハウスだ。対バンはMint Julepとつばめカフェという、どちらも、ほのぼのオシャレな魅力的なグループ。楽しみ。
もう1つ特筆すべきは、アンコールで彼女が歌った「The Colored Rainbow」だ。いつもは日本語版、時々英語版をうたっており、どちらもCDになってるのだが、この日は本人曰く「本邦初公開」のスペイン語バージョン。この夏、メキシコに長期滞在した話は是非彼女のブログで読んでもらいたいが、その際に路上で歌ったとのこと。やるよな。
さてさて、この日はマワリー以外に4人の女性アーティストが出演。出演順に瀬里奈、KUMI、Kaoru Enjoji、やまはき玲だ。なかなか水準高くて楽しかったよ。
特にやまはき玲が楽しそうに音楽やってる姿を好感。引き込まれて思わず笑顔になってしまう。彼女はいいね。
1曲目には、一度は下手で封印したというウクレレに再挑戦。十分に聞いて楽しい水準の演奏に。きっとこっそり練習を積んでいたのだろうね。その最初の曲から楽しく、透き通った風が吹き抜けるような爽快な、オーガニックな楽曲を軽妙に披露。盛り上がった。
この後も、ハワイアンな「ボーイ」、「大きな木」「たゆたいながら」「エメラルド」などなど気持ちよい曲と彼女のシンパチコな歌で楽しかった。ぜひぜひまた聞きたいね、彼女は。