
ノリにノってる女性ロックシンガーばかり5組集めたショーケース。レコード会社や同業者らも多数姿をみせた中で、最初から最後まで熱く盛り上がり続けた。
OAだけは、須永トミ子の綺麗なボーカルで繊細なDuo「December 1st」のアコースティックだったが、そこからは次々と個性たっぷりなロックなアーティストの連続攻撃が炸裂。会場はぐいぐいヒートアップした。
最初に登場したのが、Blue Trike。魅力的な女性ボーカルMarikoに男性キーボード兼ボーカルKiyohito、アコギの3人組POPグループ。今日はドラムも入れてパワーアップ。メロディックで、男女のコーラスが絶妙。何よりMarikoの高音までパワフルで素晴らしい歌唱力と、その弾けんばかりの笑顔が最高

女性ファンが多いのも納得。この日はスタンディングライブで、アーティストごとに前方の客20人前後がごっそり入れ替わる。ファンを見ればアーティストが想像つくもので、女性ファンがこれだけ熱心に応援しているということは、このアーティストは女心をしっかりつかむ魅力があるということだ。
優しく楽しげな男性2人も好男子で、歌詞も共感できる。でも何より、ブルトラのメインボーカル、Marikoの存在が大きい。自然体で溌剌、エネルギッシュに明るい。彼女の満面の笑顔と、心から音楽楽しんでいる姿を見ると思わず引き込まれる。僕もすっかりファンになってしまった。また聞きたいグループだね。
さあ、どんどん行こう。その次に登場したのがtricot(トリコ)。これがまた、すごい衝撃

しかーし、外見に騙されるな(笑)その音は、玄人好みのアンダーグラウンドの妖しさたっぷりで、激烈。一瞬、King Crimsonが頭をよぎる。荒削りだけど、本当にすごい。羊をかぶった狼だ。牙を剥いてる攻撃性がある。
前夜にgee-geでもライブしたそうだが、似合わないなあ。昨夜司会したはずの鉄平さんは、今夜、わざわざ彼女たちを見に来てたから、よっぽど気に入ったのだろう。
しかし、不思議だよね。格好いい骨太のロックバンドは地方から出てくる。彼女たちも滋賀県の田舎から来たと自己紹介していた。探し当てた理想の音源をしっかり聞き込んで、純粋に打ち込むからかなあ。
しかも9月に結成したばかりだというから驚く。ボーカルのいっきゅう(合ってるのか?)は、前のバンドで結構活躍してたらしいが、他の2人もこの音楽楽しんでるよね。よく、3人が結集しよね。さらに同じ志向のドラムが加われば、かなり面白い存在になること間違いない。
しかし、彼女はすごくセンスがあって、惹かれるボーカルなのだ。どこか中島美嘉に似ていて、すごい才能を秘めていそう。また見に行こっと。
こんなペースでは書き終わらないので、ここから短く。
4番手はtokageだ。ステージとの仕切りのバーに鈴なりの熱いファン多数。全身黒ずくめのボーカルの女の子が、ガンガン煽る。やはりロックシンガーは黒だろう、みたいな鋭いポリシーみたいなものを感じる気合い。
ファンもノリノリ。典型的なロックライブ、ロックな音楽。最後はダイブさえしそうな勢い。いいね。レベル高いよ。
5番手はhannah honeybee。アコースティックではないが、一転、メロディアスでノスタルジックなロックだ。全く違う個性、スタイル。それが大事なんだよなあ。
ボーカルの声、歌い方が妙に心に引っ掛かる。少し癖のある感じがいい。 リリックを重視しているのがよく分かる。話題になってるのも頷ける。でも、もっと裸でぶつかれば、もっともっと良くなる気がするなあ。何曲かとても印象に残ったし、いずれブレークするかも。
さあそして、渋谷で女性ロックシンガーといえば、いまやこの人と言われる存在になったmimikaがトリだ。本格派ロックバンドが地方から生まれるとさっき書いたけど、逆にmimikaみたいな存在は地方では生まれないかもなあ。
彼女、見た目は普通の背の小さい女の子。どっちかといえば、アイドル路線の方がしっくりくる。なのだけど、ぐるぐる全開のほとばしるポジティブエネルギーと幸福感が、分かりやすいビートで弾けまくる。全ての人を巻き込んでいくフレンドリーさ。彼女に繋がれば、全ての扉は開かれるとさえ思える。
とてつもなくサービス精神旺盛で、お客さんとのコミュニケーション力が高い。そんな彼女を応援するファンは、もうすごいよ。ここは三社祭の会場かとばかりにステージ前はお祭り騒ぎだ。中核の赤いTシャツ集団の年齢や出で立ちはまさに祭りを担う40~50代だ。
ところが、バラードになると前を占める20人を超すこの熱烈応援団が座りこんで静かに。後ろの方の客まで、彼女の姿をじっくり見て、バラードに耳を傾けてて欲しいということらしい。素晴らしい統制

いやー、最後まで本当に楽しかった。何れのバンドもハズレなし。ロックもいいよね。